第171話 「五神」、現る
(え? 人? だ……誰だ?)
突如、水音達の前に現れた5人の人物達。
1人は真っ赤なタンクトップに黒い長ズボンをはいた、真っ赤な髪を持つ20代前半くらいの若い男性。
1人は白い半袖シャツに青いロングスカートをはいた、青い長髪をもつ眼鏡をかけた、同じく20代前半くらいの若い女性。
1人は緑色のシャツの上に黒いフード付きの上着と黒い長ズボンをはいた、緑色の髪を持つ10代後半くらいの少年。
1人は白いワンピースの上にオレンジ色のカーディガンを羽織った、オレンジ色の髪を持つぽっちゃりとした体型の大人の女性。
そして最後の1人は、白い長袖シャツに黒い長ズボンをはいた、長い銀髪と銀色の瞳を持つイケメン男性だ。
何処か神々しい雰囲気を感じさせたその5人の男女を見て、誰もがゴクリ唾を飲みながら緊張している中、
(……何だろう。アイツら、何処かで見た事があるような……)
と、水音が謎の既視感に襲われていると、
「お、おぉ! 貴方様方は!」
と、背後で表情を明るくしたジェフリーがそう口を開いたので、
「あ、あのぉ。クラーク教主は、彼らが何者なのか知ってるのですか?」
と、爽子がチラッと5人の男女を見ながら、恐る恐るジェフリーに向かってそう尋ねると、
「お、おぉ、これは失礼した勇者爽子殿! あの方々こそ、我ら五神教会が崇め奉る、偉大なる5柱の神々なのです! 順番に、赤髪の方が『炎の神カリドゥス』様! 青髪の方が『水の女神アムニス』様! 緑髪の方が『風の神ワポル』様! オレンジ髪の方が『土の女神カウム』様! そして最後に、白銀の髪の方が、神々を束ねるリーダー、『光の神ラディウス』様で御座います!」
と、ジェフリーは興奮した様子で爽子に向かって5人の男女、即ち5柱の神々を紹介した。
その紹介を聞いて、
(アイツらが、5柱の神々!)
と、水音はゴクリと唾を飲みながら、心の中でそう呟くと、
「説明をありがとう。ジェフリー・クラーク教主」
と、長い銀髪のイケメン男性ーー光の神ラディウスはジェフリーに向かってお礼を言った。
それを聞いて、「お、おぉ、ラディウス様!」と更に興奮したジェフリーに、春風を含めた周囲の人達がドン引きしている中、
(何だ? 僕はアイツらを知ってる!?)
と、水音は既視感が拭えず、まるで頭が痛くなったかのようにこめかみを押さえていた。
すると、
「さて、我らが選びし『勇者』達よ。少々アクシデントがあったが、皆、よく悪しき邪神を倒してくれた。おまけに、この場にもう1柱の邪神も誘き出してくれて……」
と、光の神ラディウス……以下、ラディウスはチラリとループスとヘリアテスを見た後、
「さて、それでは最後の仕上げといこうか」
と言って、隣にいる4柱の神々ーー炎の神カリドゥス、水の女神アムニス、風の神ワポル、土の女神カウムに視線を向けた。
そしてそれに応えるかのように、彼らはコクリと頷くと、それぞれ手を繋いで、
「「「「「神器よ、目覚めよ!」」」」」
と叫んだ。
その叫びを聞いて、
「え……な、何だ!?」
と、水音が驚いた次の瞬間、水音をはじめとした勇者達の手に、
(ど、どうして……呼んでもないのに『神器』が出てきてるんだ!?)
何故かループスとの戦いで使っていた「神器」が握られていて、それぞれ赤、青、緑、オレンジ、そして白い光に包まれていた。
それを見て、
「お、オイ何だ? 何が起きてんだ!?」
と、ヴィンセント驚きに満ちた表情になると、
『うわっ!』
『きゃあっ!』
突然、水音ら勇者達の体が、まるで操られたかのように勝手に動き出し、ループスとヘリアテスを取り囲んだ。
その後、
「「「「「全員そこを動くな」」」」」
と、ラディウス達が残された春風やウィルフレッドらに向かってそう言うと、彼らの体はまるで金縛りにあったかのようにその場から動かなくなったので、
「は、春風ぁ!」
と、水音はそう叫んだが、春風達と同じく自分も体を動かす事が出来なかった。それは、歩夢や美羽、爽子らも同様だった。
そんな水音達に向かって、
「さぁ勇者達よ。我々と共に、悪しき邪神共を封印するぞ」
と、ラディウスがそう言った次の瞬間、
(う、うわ、何だ!?)
「あ、ああ!」
「か、体が……!」
「勝手に、動くよぉ!」
水音達の体が、再び操られるように動き出し、今度は持っていた神器を全員空に向かって翳し出した。
すると、水音達の神器から5色の光が放たれて、まるでドームように水音達と、ループス、ヘリアテスを包みこんだ。
そして、
(こ、これは……一体、何が!?)
と、水音が戸惑いの表情を浮かべたその時、
「グアアアアアアア!」
「ああああああああ!」
ループスとヘリアテスが、激しく苦しみ出した。




