第127話 ただいま、説得中?
「だーかーらぁ! 俺はこの通りもう大丈夫だから、水音達が何かする必要ないからね!」
先ほど起きたちょっとしたひと騒動の後、春風は水音達を必死になって説得した。
その様子にレナをはじめとした春風の仲間達が「はは……」と頬を引き攣らせている中、
『いいや、信用ならん!』
と、水音、歩夢、美羽だけでなく何故か進らクラスメイト達までもが口々にそう叫んだので、
「な、何でだよ!? 大丈夫だって言ってるだろ!?」
と、春風は若干怒り顔になって尋ねると、
「こういう時の君の『大丈夫』は信用出来ないからだよ! それでいつも大変な目に遭ってるんだから!」
と、水音が怒鳴るようにそう答えたので、それを聞いた春風は、
「えー? そうかなぁ?」
と、「そんな馬鹿な……」と言わんばかりに頭上に幾つもの「?」を浮かべた。
するとそこへ、
「つーか雪村。さっきも聞いたけど、お前、頭は大丈夫なのか?」
と、進が尋ねてきたので、
「ん? 頭って何の事? もしかして、『馬鹿』になってるのかって意味!?」
と、春風は少し驚いた表情でそう尋ね返した。それに進が「ム!」となると、
「ちっげーよ! お前、あのギデオン大隊長って奴に頭掴まれて思いっきり地面に叩きつけられただろうが! それも2回も!」
と、春風に向かって怒鳴るようにそう答え、それに続くように、
「そ、そうだよ! その後君、あの人に思いっきりぶん投げられて大きな木に全身ぶつけたじゃないか!」
と、耕も春風に向かって怒鳴るようにそう言ったので、春風は「あー、あれねー……」とその時の事を思い出して盛大に頬を引き攣らせると、
「そ、そっちも大丈夫だから。あの時はまだ『プロテクション』がかかってた状態だったし、身につけてた装備だって俺が作った現時点最高のものだったし、あのおっさんも俺からのダメージを受けていた状態だったから、そのおかげで力も強くはなかったと思うよ……」
と、そう説明すると、最後に「ははは……」と弱々しく笑ったので、
「お、お前なぁ……」
と、進が呆れ顔になっていると、
「ていうかよぉ、何なんだよあの『断罪官』って連中!? 映像見たけど全員馬鹿なんじゃねぇの!?」
と、今度は鉄雄がそう尋ねてきたので、
「え? う、うーん確かに理不尽なところもあるけど、五神教会に所属してる訳だしぃ、俺が言うのもおかしな話だけど、あの戦いだって、一応『正義』は向こうにあるから……」
と、春風が気まずそうにそう説明したが、それにクラスメイト達が、
『……正義?』
と、ピクッと反応すると、
『アマテラス様、映像お願いします!』
と、皆、一斉にアマテラスにそうお願いし、それにアマテラスが「あぁ……」と何かを察したのか、
「オッケー、良いよぉ!」
と、アマテラスは春風を含めたその場にいる者達全員に、とある映像を見せた。
そう……。
ーーよくもこの私を勘違いさせてくれたな。
ギデオンが春風を「異端者」として討伐する事になった、あの日の映像を、だ。
そして、映像のギデオンが春風を殺す理由について語った後、
『こんなくだらない理由で殺しにきた奴らなんかに、正義なんかある訳ないだろ!?』
と、水音らクラスメイト達は理由を語ったギデオン(過去)を指差しながらそう言ったので、それを聞いた春風は膝から崩れ落ちて、
「あー。で、ですよねぇ」
と、最後に「ははは……」と乾いた笑い声をこぼした。
その後も、
「大体あの連中は……」
と、鉄雄が更に断罪官について文句を言おうとしたが、
「はいはーい、鉄雄ちゃん。ストップストップゥ」
と、それまで黙って話を聞いていたキャロラインが、手をパンパンと拍手しながら「待った」をかけてきたので、鉄雄だけじゃなく水音達までもが「え?」とキャロラインを見ると、
「言いたい事はわかるけど、それ以上はぁ……」
と、キャロラインは少し困ったような笑みを浮かべながら言うと、とある方向を指差したので、水音達は「ん?」とその指差した方向を見ると、
「うぅ……」
「ね、姉さん……」
そこには、目に涙を浮かべながら膝から崩れ落ちてるアメリアと、彼女を励ますエステル、ディック、ピートがいたので、水音達は「あ……」となった後、
『す、すみませんでした!』
と、皆、一斉にアメリアに向かって土下座で謝罪した。
その後、春風も「すいませんでした」とアメリアに謝罪すると、
「ま、まぁほら、あの後おっさんは『化身顕現』でやっつけたし、残った隊員達も師匠が追い払ってくれたから、そのおかげで俺はこうしてみんなと再会出来た訳だから、ね?」
と、水音達に向かってそうお願いしてきたので、それを聞いた水音達は皆、
『納得出来るか!』
と、文句を言いたかったが、
『……わかった』
と、かなり渋々といった感じでコクリと頷きながらそう言った。
それを聞いた後、
「おーい。じゃあ、落ち着いたところで、ご飯といこうじゃない」
と、それまで黙っていた凛咲がそう口を開いた。




