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ユニーク賢者物語外伝 〜青き戦鬼の章〜  作者: ハヤテ
第6章 「友」との再会
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第113話 登場、2人の固有職保持者


 「私の名前は、エステル・スターク。固有職能『呪術師』の固有職保持者です」


 と、水音達に向かってそう自己紹介したエステル。


 それを聞いて、水音達が「え、マジで?」と言わんばかりに首を傾げていると、


 「これが、証拠です」


 と、エステルはそう言って自身のステータスを出し、それを水音達に見せた。


 そこにはしっかりとエステルの名前と職能が記されていたので、


 『あ、本当だ!』


 と、水音達が目を大きく見開いていると、


 「まぁ! 春風ちゃんの他にも固有職保持者がいるなんて!」


 と、キャロラインがパァッと表情を明るくしながら、まるで子供のように喜んでいたので、


 「は、母上、落ち着いてください」


 「恥ずかしい……」


 と、本当に恥ずかしそうに顔を赤くしたレオナルドとアデレードが、必死になってキャロラインを落ち着かせようとし、そんなキャロライン達を、水音達は「あはは……」と頬を引き攣らせながら見ていた。


 すると、


 「あー、コホン!」


 と、それまで黙ってたレナがそう咳き込んだので、水音達は思わず「ん?」とレナに視線を向けると、


 「エステルだけじゃないんだよねぇ」


 と、レナはチラリとヘリアテスを見ながらそう言い、その視線に気付いたヘリアテスが、


 「仕方ないわねぇ」


 と、困ったような笑みを浮かべながらそう言ったので、レナは「ごめん、お母さん」と謝罪すると、エステルと同じように自身のステータスを出した。


 そこに記されたものを見て、


 「……は? 妖獣士?」


 と、水音がポカンとした表情でそう言うと、


 「そ。私も固有職保持者なの」


 と、レナは「ふふん」と胸を張りながらそう言ったので、数秒沈黙した後、


 『ハァアアアアアアア!?』


 と、水音達はそう驚きの声をあげた。


 その後すぐに、


 「まぁまぁまぁ! なんて事なの! この場に春風ちゃんの他に2人も固有職保持者がいるなんてぇ!」


 と、キャロラインが先程以上にパァッと表情を明るくしてその場でピョンピョンと跳ねながら大喜びし、


 「は、母上ぇ! 落ち着いてくださいぃ!」


 「ほ、ホントに、恥ずかしい!」


 と、レオナルドアデレードも、先程以上に必死になってキャロラインを落ち着かせようとした。


 その時、


 「……って、あれ?」


 と、恵樹が何かに気付いたかのようにハッとしたので、


 「ん? 野守君、どうしたの?」


 と、水音がそう尋ねると、


 「確か、レナ……さんって、獣人と妖精のハーフなんだよね? 人間以外にも職能……というか、ステータスを出せるものなの?」


 と、恵樹はそう尋ね返した。


 その質問を聞いて、


 『あ、そういえば!』


 と、水音だけでなく、進、耕、祭、絆、祈までもが一斉にレクシーに視線を向けると、レクシーは「それはぁ……」と気まずそうな表情で、


 「その……残念ながら、私は『ステータス』を出す事が出来ないんです」


 と、最後に「黙っててすみません」と付け加えて、水音達に深々と頭を下げながら謝罪した。


 その謝罪を聞いて、


 (ああ、確かに一度もレクシーさんがステータスを出すところ見た事ないな)


 と、水音は納得の表情を浮かべた。そう、確かに水音がそう思ったように、ストロザイア帝国で過ごしてから、水音達は一度もレクシーがステータスを出すところを見た事がないのだ。


 それ思い出して、水音達が「どういう事なんだ?」と首を傾げていると、


 「……それは、私とループスが原因です」


 と、ヘリアテスが恐る恐る「はい」と手を上げながらそう言ったので、


 「え、どういう事ですか?」


 と、水音がそう尋ねると、


 「あれは2年前、レナが15歳を迎えた時の事でした。グラシアさんから、今のこの世界に住む人間は、15歳になったら『成人』したという証として、職能を授かり、ステータスが出せるようになると聞きましたので、ならば『神』である私達なら問題ないと思って、ループスと精霊達と共に、今のこの世界の理を読み取って、それを元にレナにステータスを出せるようにしたんです。そして、その際出てきたのが……」


 と、ヘリアテスはそう説明し、それを聞いて、


 「妖獣士の固有職能……と?」


 と、水音が再びそう尋ねると、


 「ええ。多分、レナの中にある獣人と妖精の血と力をもとに、この世界の理が生み出したものなんだろうと、私達はそう考えてるんです」


 と、ヘリアテスはコクリと頷きながらそう答えたので、それを聞いた水音達が「おお、なるほど!」と納得の表情を浮かべていると、


 「あ、あのぉ……」


 と、エステルが恐る恐るそう口を開いてきたので、


 『あ!』


 と、水音達は思い出したかのようにハッとなってエステルを見た。


 「わ、私、忘れられてるのでしょうか?」


 と、不安そうな表情になってるエステルを見て、


 『す、すみませんでした!』


 と、水音達は一斉にエステルに向かって謝罪した。

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