第100話 「真実」・2
お待たせしました、1日遅れの投稿です。
「この世界だけじゃなく、地球までもが消滅の危機に陥ってしまったのよ」
『えええええええっ!?』
アマテラスの言葉を聞いた事によって、食堂内に悲鳴が響き渡った。
と言っても、実際に悲鳴をあげたのは、鉄雄、恵樹、詩織の3人だけで、他の人達はというと、イヴリーヌは顔を真っ青にして両手で口を押さえていて、キャロライン、レオナルド、アデレードの3人の皇族達は「ああ、やはりか」と言わんばかりに表情を強張らせていた。それでも、3人ともタラリと汗を流していたが。そして、鉄雄、恵樹、詩織を除いた、水音ら勇者ことクラスメイト達もまた、キャロラインらと同じように「ああ、やっぱり」と言わんばかりに表情を強張らせていた。
そんな水音達を見て、
「あら、意外と驚かない人が多いのね」
と、アマテラスが本当に意外なものを見るかのような表情でそう言うと、
「……そんな事……ありません。凄く、驚いてますよ」
と、表情を強張らせた水音が、ゆっくりと口を開きながら言った。
そう、水音は表情にこそ出してはいないが、内心ではかなり驚いていた。
ただ、
(『覚悟』は……していたさ)
フロントラルに来る前、帝城での話し合いの末に、「春風が自分達のもとから去ったのは『理由』があるのかもしれない」という結論と、「地球で何か良くない事が起きたかのしれない」という結論に至り、その為に、「どんな『事実』を聞かされる事になってもしっかりと受け入れる」と、ある程度の「覚悟」は出来ていた。
しかし、実際にアマテラスからの話を聞いて、
(うぅ……でも、コレは凄くキツい)
と、幾ら覚悟は出来ていても、やはり心の何処かで「嘘であってほしい」という想いもあったので、表情には出さないようにしていても、精神的なダメージは大きいようだった。
だが、水音はそれを悟られないように、真っ直ぐアマテラスを見て、
「教えてくださいアマテラス様。何故、そのような事態になってしまったのですか?」
と、尋ねた。
そんな水音を見て、アマテラスは何処か申し訳なさそうな表情になったが、すぐに真面目な表情になって、
「順を追って説明するね」
と、理由を説明した。
アマテラス曰く、この世に存在する「世界」と「世界」の間には「次元の壁」という目に見えない大きくて分厚い壁に隔てられていて、先程アマテラスが説明した「ルール」を守ったうえで行われる「異世界召喚」とは、この「次元の壁」に「扉」を作って、召喚の対象となった存在を送り出すというものだそうだ。
(へぇ、そういう仕組みだったんだ)
(漫画やラノベとは全然違うんだなぁ)
しかし、今回その「ルール」が無視されて、水音達はこの世界に召喚されてしまった。
説明を続けるアマテラスによると、それは即ち、「次元の壁」に無理矢理「穴」を開けて、そこから無差別にその世界の住人を攫うという行為に該当するそうだ。
(え、それじゃあ私達……)
(無差別に選ばれて地球から攫われてきたって事?)
そして、通常「ルール」を無視した「異世界召喚」が行われると、「穴」を開けられた「次元の壁」は、その「穴」を修復する為の材料として、「穴」を開けた側ーーつまり「ルール」を無視した側の世界を取り込むのだそうだ。
「……え、まさか、それがペナルティですか!?」
「そう、コレが、ルール無視をやらかした世界に課せられるペナルティよ」
『なんかスッゴイ重すぎる!』
アマテラスの答えに、水音達が驚いていると、
「……質問してもよろしいでしょうか?」
と、それまで黙って説明を聞いていたレオナルドが、恐る恐る「はい」と手をあげたので、
「ええ、良いわよ」
と、アマテラスが「OK」を出すと、レオナルドは「失礼します」と言って、
「あの、「異世界召喚」の「ルール」から、「ルール」無視のペナルティについては理解出来ました。しかし、それで何故、この世界だけでなく水音達の世界までもが消滅するのですか?」
と、アマテラスに向かってそう尋ね、それを聞いた水音達も、
『そ、そうですよ! 一体何故!?』
と、一斉にアマテラスを見た。
その質問についても、アマテラスは答える。
「そう、普通ならそんな事起こる筈がないの。でもね……500年前からこの世界の生命力が、どんどん弱くなっていったの」
(え、世界にも『生命力』ってあるんですか? ん? まてよ……)
「500年前?」
と、水音が小さな声でそう呟いた次瞬間、
『あ!』
と、水音だけでなく進らクラスメイト達に、イヴリーヌとキャロラインもハッとなり、
『そ、それって……』
と、全員がゆっくりとヘリアテスに視線を向けると、
「はい。私とループスが封印されたあの時から、この世界の生命力が失われ始めてしまったのです」
と、ヘリアテスは悲しそうな表情でそう答えた。
その後、水音達が視線をアマテラス戻すと、アマテラスは更に話を続ける。
「そう。ただでさえこの世界の生命力が弱まってしまった最中に、今回の『ルール』無視の『異世界召喚』でしょ? 更に、本来『異世界召喚』で召喚される人数は1人のみなのに、24人……おっと、春風君も召喚される側の人間だったから、25人かな。まぁ、それはともかく、そんだけの数が召喚されてしまった訳だから、開けられた「穴」を塞ぐには、この世界だけじゃ足りないって事になっちゃったのよ」
『この世界だけじゃ……』
『足りない?』
そう言って首を傾げた水音達を前に、
「さて問題。『穴』を修復する材料が足りないって事は、その足りない分を何処から仕入れる事になるのでしょうか?」
と、今度はアマテラスがそう尋ねてきたので、
(え? 何処からって、それは……)
と、水音がその答えについて考え始めると、
『っ!』
と、水音だけでなくクラスメイト達やイヴリーヌ達までもが、ある「恐ろしい答え」に至り、全員、顔を真っ青にした。
そして、
(ま……まさか……)
と、水音はアマテラスではなく春風に視線を向けると、
「そうだよ。『次元の壁』は地球も材料として取り込む気なんだ。勿論、そこに住む人達までも、ね」
と、春風は悲しそうな表情でそう答えた。
その答えを聞いて、水音は「そんな!」とショックを受けたが、それに構わず春風は話を続ける。
「そして、取り込まれてしまったら最後、その人達は笑う事も泣く事も怒る事も、そして死ぬ事も無く、ただ壁の一部として、永遠に存在し続けるんだ」
そこ説明した春風に向かって、
「う、嘘だろ!? 助け出す事は出来ないのかよ!?」
と、進が「嘘だって言ってくれ!」と言わんばかりに問い詰めてきたが、そんな進に対して、
「悪いけど……出来ないそうだ」
と、春風は首を横に振りながら答えて、
(そ、そんな……!)
と、水音はショックで更に顔を真っ青にした。
謝罪)
遅くなってしまい、大変申し訳ありませんでした。この話の流れを考えていたら、その日のうちに終わらせる事が出来ませんでした。
本当にすみません。




