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2/8

0:昔の妹と違うので理解するのが大変です(2)



「そのことなのですが、私には分りません。他の私に聞いてみてください。24時になれば、私ではなくなっているみたいですから。」


そう言うと、真結はあくびをして、俺が質問をする暇もなく、逃げるようにお風呂に入る準備をしだした。


「お兄様。除かないでくださいね。」


笑顔の割には、少し恐怖を感じる。

妹の風呂を除くやつとかいるのか?


「分ってる。除かないよ。」


そう言い、俺は自分の部屋でくつろぐことにした。



***


真結が風呂から上がるまで、自分のベットでくつろぐかー。

ベットにダイビングし、横になる。


おそらく、あの状況で真結を質問攻めにするのは良くなかっただろう。

何か隠しているとも見えるし、本当に何も知らないようにも感じられた。

何よりも、真結は話を遮るように、お風呂に入る準備を始めていた。


24時以降の「私」とは、いったい何なのだろうか。

それに、自分の過去の服装の記憶が無いような発言もしていた。

もしかすると、若年性の認知症とか、記憶障害なのだろうか。


それなら、俺の通う中高一貫校に入学できた理由が説明でき、過去の服装の記憶がないことも納得がいく。


しかし、俺のことは覚えているようだ。

自分自身、つまり、真結自身のことだけ忘れているようである。

ただ、まだ断定はできない。


「人格って、そんな簡単に変化して行くものなのかな~」


そう言えば、以前の学校の授業で、先生が青年期になるとアイデンティティの確立が主な課題になるとかなんとか言っていたような……何か関係があるのだろうか?


いや、まてよ。

真結の部屋に入れば何か分るかもしれない。

しかも、今はちょうどお風呂中だ。

そんなにすぐには上がってこないだろう。


「気は引けるが、気になってしかたがない」


お風呂を覗くことは犯罪だが、妹の部屋に侵入するのは……アウトだけど、ばれなきゃ大丈夫でしょう。


俺は、妹の部屋に向かうことにした。

昼間に掃除した部分を確認しにいくだけだから……。



***


「なんじゃこりゃ?!」


電気を付けるとその部屋には、予想だにしない光景が広がっていた。


まず、部屋一面に、俺の小学生の時から現在に至るまでの写真が貼られていた。


そして、アウトなグッズが真結の勉強机に、何も悪くないよ的な感じで置かれていた。

まぁ、妹も思春期だからしかたないか。見なかったことに……


「なんで、お兄様が私の部屋にいるんですか?」


血の気が引いた。

後ろを向かなくても分るおびただしい殺気が伝わってくる。


振り向くと、そこにはバスタオルを巻いただけの真結がそこにはいた。


「お風呂は良かったか?……見るつもりはなかったんだ。ただ、真結の秘密が知りたくて…」


これ言い訳になってないと自分で気づいた瞬間、何かが顔の横を通り過ぎた。

後ろの壁には、カッターナイフが刺さっていた。


自分の顔を手で触ると、血がついていた。少し痛い。


「おいっ、これはしゃれにならないぞ!見たことは悪かった。誰にも言わないから!」


かなり焦る。

この状況はまじでやばい。

真結の表情が長い髪のせいで見えないが、怒っていることは伝わってくる。


「ふふふっ、お兄様は自分よりも私を一番に考えてくれているのですね。」


どう解釈したら、そうなる。

自分の生命の危機を守るために言ったに決まってるだろ。


「お兄様に見られたお兄様に見られた兄様に見られた兄様に見られた兄様に見られた兄様に見られた兄様に見られた兄様に見られた兄様に見られた兄様に見られた兄様に見られた兄様に見られた…好き愛してる好き愛している好き愛してる好き愛してる…ねぇ、お兄様?私と契りを結びませんか?ぜったいに楽しいですよ?」


これは、本当に自分の妹なのか?

頭のネジが何本も飛ばないと、昔と比較してここまで変化することなんてないと思うのだが……そんなことより、逃げないと!


「俺らは兄妹だ。そんなことは、社会も神も許してはくれないよ!」


「お兄様を次の私に渡さないためにも、ここで私が……しないと、でないと、わたしが……わたしが、」


言葉が通じてないようだ。


話の途中だったが、何をされるか分ったもんじゃないため、その場から全力疾走し、部屋から出ようとしたその瞬間、天井が俺にご挨拶していた。

つまり、ひっくり返ってしまったようだ。


「がはっ!」


仰向けにひっくり返された俺の上に、妹が馬乗りになって不適な笑みを浮かべながら何かブツブツ言っている。

手にはさっき投げた物とは違うカッターナイフを持っていた。


「お兄様は私のものお兄様は私のものお兄様は私のものお兄様は私のものお兄様は私のものお兄様は私のものお兄様は私のものお兄様は私のものお兄様は私のものお兄様は私のものお兄様は私のものお兄様は私のものお兄様は私のもの…、この部屋から出さないようにしなければ…」


右手に持っていたカッターナイフを振り上げる真結……


「おいっ、やめろ!冗談じゃすまないぞ!分ったから、話を聞くから……」


振り下ろされた


「やめろ------------------えっ?」


すると、真結は右に倒れてしまい、そのままカッターナイフは扉の方に飛んでいった。


助かった。でも、なんでいきなり倒れたんだ?


「おい、大丈夫か?」


体を軽くさわり、揺らす。しかし、反応がない。どうやら本当に助かったようだ。


「はぁー--、まじで死ぬかと思った---」


安堵のため息をした瞬間、目の前に倒れていた真結が起き上がった。

やばい、逃げないと…そう頭をよぎったが、次の真結の発言でその必要性がないことが証明された。


「お兄ちゃん、おはよう!」


目の前には、呼び方の異なる少しおっとりした妹が座っていた。


部屋の時計を見ると、丁度2つの針が12を指していることに気づいた。



2つ目も見て頂きありがとうございます。


ヤンデレキャラは魅力的ですが、今回は控えめにしました。


いったい、何に対してて怒ったのか謎ですが、皆さんは分ったでしょうか?


考察などして頂ければ幸いです。

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