いのり
はじまり
3
これは、とある女子中学生が4歳の時の記憶。
「ねぇママ。ウンメイノヒトってなあに?」
「え?……えっと……そうね……かなみと本物の関係を作ることができる人、だと思うわ」
「ホンモノノカンケイ?それを作れるとどうなるの?」
「嘘が、いらなくなるわ。そして、その人のことを一番分かってあげられる人になる」
「私、嘘言わないよ。誰にも嘘ついたことない」
「ええ、そうね。かなみは嘘が嫌いだものね」
「うん」
「でもね、覚えておいて。嘘はいつか必ず言わなくてはならないの。嘘がないと生きられないの」
「え……どうして?」
「嘘は人を幸せにしてくれるからよ。嘘で可愛いって言ってあげれば、お友達は喜ぶし、服が変でもおしゃれって言ってあげればお友達は幸せな気分になれるわ」
「……でも、それって……」
「ええ、言いたいことは分かるわ。それはお友達にとって仮の幸せに過ぎない。そんな幸せはすぐに消えてなくなるものね。お友達はきっと辛くなって、そして、嘘をつく私達も辛くなる。幸せで、辛くなるわ」
「だったら……」
「けれど、かなみ。だから運命の人を見つけるのよ」
「あ!そっか!」
「うん、そうよ、かなみ。嘘が嫌いなら、運命の人を見つけて本物の関係を作ればいい。そして、嘘がいらない世界を作ればいいのよ」
「うん!分かった!私、絶対運命の人見つける。そして本物の関係を作る!お母さんありがとう!」
「どういたしまして。運命の人見つかると良いわね」
それから数時間後。近所の神社で。
「神様。私は嘘をつきたくありません。絶対に嫌です。お母さんは嘘がないと生きられないって言ってましたが、嘘を言うなら、死んだ方がましなくらいです。だから神様、どんな呪いにかかったっていい。どうか私の願いをかなえてください。運命の人が見つかりますように。……本物が作れますように」
>>続く。