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一章4『ノエリアの妨害』

商会へ向かう前日となった。此れは隠密としての仕事だ。当然目立つことのない様に王城を出立しなければならない。がしかしだ問題が一つある。幼馴染のノエリア・フォン・アエトスのことだ。


彼女は事ある事に俺の側にいて、そしてこの前なんかアリシアとの婚約について猛抗議を受けた。俺は一切話していないし、父も未だ発表していないらしい。


返事に困って「ん〜政略結婚らしいし、仕方ないよ」と言ったら二週間も口を聞いて貰えなかった。


「ごめんよ……今度王都へ一緒に行くからさ」と言った効果か、やっと会話出来たと思えば、結局最後には「浮気!最低!なんで私じゃn……いや……その……ゴニョゴニョ」と怒らせてしまった。


そんな訳で俺はノエリア相手に三年間も嘘を貫き通し、ノエリアからの追及に抵抗する自信が無いのだ。


「アリシアと婚約……商会への出向。あぁ……面倒くさい。」


俺は王城にある自分の部屋で呟いた。

部屋は広く、一人ではとてもじゃないが使い切れない程だ。故になんだか虚しさだけが残ってしまう。


そしてそんな時に大抵相談相手になってくれる、あの駄女神様は最近呼んでも反応してくれなくなった……


「些細な事で呼び出されるこっちの身にもなれ、というより本当に大変なとき以外は応答しない」だそうだ。まぁ本当に大変な時には対応してくれるから優しいのだが……


俺は数少ない信頼する相手、執事のセバスチャンに話しかけた。


「セバスチャン、俺はどうしたら良いのだ」


「我々も協力致します。ユート様はお気になさらず、やり遂げて下され。毎夜お帰りくだされば、なんとかなりましょう」


「うぅぅ……そういうものか」


「そういうものでございます。これくらい出来ずに隠密が務まりましょうか?」


「まぁ頑張るさ」


次の日の夕方、ユートが抜け出す事を知ってか知らずか分からないものの、ノエリアが乱入してきた。そしてそのままユートが出発する一時間前になっても居座っていた。


「あのさ……そろそろお帰りになるつもりはございませんか?」


「ん〜ない!今日は此処に泊まる〜〜」


「ちょっと困るんだけど……」


「まさかあの女を呼ぶの!?はしたない!」


「アリシアのことか?そういう訳じゃないんだがな……」


「なら良いじゃない」


「いや決して良くない。馬車を用意させるから、ご心配してるよ?さっ早く帰ろ」


「なんかやましいことでもあるの?」


ノエリアはジト目をこちらに向けてきた。俺が隠し事をしている際の、感の良さは半端じゃない。

何故俺にここまで固執するのかは分からない。

幼馴染って此処までズカズカとプライベートに踏み込んで来ただろうか?


ため息を吐きつつ、「やましいことなんてない。ましてや十歳にもなって、男女が同じ部屋で一夜を過ごして勘違いされる方が問題だ」と少しばかり威圧的に言ってみた。


「わっわっ私は、勘違いしてもら……ゴニョゴニョ」


「声が小さくて聞こえないけど、ほら早く帰って!」と言うと、ノエリアは「もう!私は良いって言ってるのに!もう知らない!」と言って部屋から出て行った。


これで良かったのだろうか?ユートの中にふと疑問だけが残った。

内容の時系列が合わなくなるので内容を修正しております

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