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友達の彼女の告白を断ったら、お断り屋にスカウトされました!  作者: なつのさんち


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瑠璃の八つ当たり:100万PV達成記念SSのうちの1つ

100万PV達成記念としてリクエスト頂きましたSSのうちの1つです。


11/2 感嘆符後のスペース追加、三点リーダーを偶数に変更、ルビ等その他追加修正

 優希ゆうきハーレムの正妻、瑠璃るりは朝からイライラしっぱなしだった。

 仲の良い従姉妹である牡丹ぼたんにも当たり、同じ理由でストレスを感じている牡丹としてはやり辛くてかなわない。


「瑠璃ちゃん、気持ちは十二分に分かるけどそうイライラを表に出すのは止めよう? 従業員もすごく困ってたよ?」


「でもでもでもっ! こんな状況耐えられないわ!! せっかく優希君もハーレムの主らしく振る舞ってくれるようになって来たのに……。

 このままハーレムが無くなったらどうしよう……」


 涙ぐむ瑠璃。牡丹はそんな瑠璃を抱き締めて背中を撫でる。


「優希さんは私達に罰を与えているのよ? それもハーレムの主として、成長したからだとは思えない?」


 分かってるけど……、そう言うに留まる。

 分かっているけれど、感情はそう簡単に抑えられないものなのだ。


 牡丹はTop Statu(トプステ)sについて自分の人脈を使い、探りを入れている最中の為、瑠璃ばかりに時間を割いていられない。


「ちょっと行って来るね、私以外の人に当たっちゃダメだよ?」


 コクリと瑠璃が頷くのを確認し、牡丹がオフィスから出て行く。


 1人になった瑠璃は、確認しなければならない書類に手を付けようとするも、落ち着いてデスクに座っている事が出来ずに部屋をウロウロと歩き回る。


「こんな事になっていなければ……」


 ふと優希の言葉を思い出す。

 優希が殴られ蹴られした直接の原因は、奴隷にしてくれと懇願した美代みよのせいではないか!


 元を辿ると瑠璃や牡丹がトプステの動向をしっかりと把握出来ていなかった事が原因だとは言え、まさかヤクザを使う引き抜き専門の女が出張ってくるなど予想出来るわけがない。

 瑠璃はそう思い至った。


 優希が与えた罰の意味は分かるが、そもそもここまで事が大きくなってしまった原因はあの小汚い泥棒ウサギじゃないの!!!

 もうそうとしか思えない瑠璃は、素早く外出の用意をしながらスマホで電話を掛ける。

 電話の相手は現在、ご主人様の命令通り部屋の掃除をしているとの事。

 ちょうどいい、それなら私自ら伺おうじゃない。


 タクシーに飛び乗り美代が住む部屋へと向かった。



「あんたのせいでこうなったのよ! あんたがヤクザになんて頼らなければこんな思いせずとも良かったのに!!」


「申し訳ございませんっ! 申し訳ございませんっ!!」


 前回の焼き直しのようにベッドに美代が拘束され、手錠・目隠し・そしてギャグボールまでも装着されて……、いるわけではなくバタバタと自分の部屋を片付けている。

 腕組みした瑠璃が美代に細かく指示を出す姿はまさに鬼姑である。


「私達全員がここに揃う事を想定するとどうしても食器やコップが足りないわね、買いに行くわよ!」


「はいっ!」


 美代の車でデパートへと行き、次々と食器やバスタオルなど必要な物を買って行く瑠璃。

 すでに美代の両手には抱えきれないほどの紙袋。

 重たい荷物に美代の表情が歪むが、それでも鬼姑は容赦なく買い物を続ける。


「だいたいあんた私より年上のクセにお姉様ってどういうつもり!?

 私の事は奥様って呼びなさい、いいわね!」


「分かりました、奥様」


 奥様と呼ばせておいて、ここにはいない優希の事を思い出して瑠璃の胸が痛む。


「んん~~~~~~、もうっ!

 次はタオルケットや寝具を見に行くわよっ! 持てない分は配送サービスを使うからあなたが家で受け取りなさい!!」


「分かりました奥様」


「ちゃんとお部屋は綺麗にしておくのよ? いつ優希君が訪ねて来てもいいようにしておく事!

 ……、あっ。この枕カバー可愛くない!? 肌触り良さそうよね~」


「ええ、そうですね。これも人数分用意するのですか? あの部屋では全員同時に寝る事は出来ないと思うのですが……」


「そうねぇ~、同時に使う事がなくても人数分は用意しておきたいのよね~。

 押し入れにはまだ物が入るでしょう? 敷布団も買っておこうかしら」


「押し入れはまだ余裕があるので大丈夫だと思います」


「ほらっ! タオルケットふわふわよ!! 温かそうでいいわね、これも買いましょう」


 いつの間にかただのショッピングになっており、瑠璃のモヤモヤはショッピングを楽しむ事で少し発散されたようだ。

 鬼姑のようだった表情は柔らかく、はたから見ても仲の良い友達と笑い合っているようにしか見えない。


 美代に会いに来なければ、ひめとイチャイチャしている優希とオフィスで会えたであろう事も知らず、買い物を続ける瑠璃であった。



この後22時頃、もしくは23時頃に本編の最新話を投稿する予定です。

よろしくお願い致します。


追記:前書きにリクエスト頂いていた事を書き忘れたので修正致しました。

修正:最後に時系列が分かりやすいようにこのSSが「ひめと2人」と同じ時間帯である旨の一文を追加しました。分かりにくくて申し訳ない……。

ひめ・瑠璃にリクエスト頂きましてありがとうございました。

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