さようならうさぎちゃん
何とか間に合いました。
11/1 感嘆符後のスペース追加、三点リーダーを偶数に変更、ルビ等その他追加修正
俺が美代にした事を端的に述べよう。くすぐっただけだ。
目隠しをされ、俺以外は誰に、何人で触られているのかも分からない状態で、自由に身動きが取れず叫ぼうにも口が塞がれている。
そんな状態で執拗にくすぐる。
俺は本当に脇や耳などをくすぐっていただけだが、瑠璃・牡丹・紗雪は女性の弱い場所をよくよく知っているだけに、効果は抜群だったようだ。
美代にお仕置きをしながら、今日俺の身に降りかかった事件を三姉妹に説明する。
「裏オプションを使ったのはこいつ。Top Statusに依頼されて俺を引き抜こうとした」
「ん~~~!! ん゛~~~~~~~!!!!」
「俺が色仕掛けに乗らなかったから、知り合いの怖いお兄さんを使って脅そうとした」
「んっ、んっ、んっ、んっ、んんん~~~!!!!!」
ちなみに三姉妹には声を出さないよう指示を出してある。
美代は自分の身体を複数の男に弄られていると勘違いし、恐怖とパニックで発狂寸前だろう。
「俺は殴られ蹴られてとても怖い思いをした」
「ん~! んん~~~~!! 」
美代の衣服は三姉妹の手によって乱れに乱れている。汗やその他でシーツはべとべと。
「ん、ん、ん、ん、ん、ん!!!」
時折身体を弓なりにしながらお仕置きに耐える美代。ぼちぼち頃合いかな。
「何とかピンチは脱したが、このままでは面白くない。こいつを使ってトプステを追い込もうかなぁと思っているところ。以上」
手で三姉妹を制し、再び美代の耳元で囁く。
「お前の意思確認をする。今から口を自由にしてやるから、しっかり考えて答えろ。いいか?」
肩で息をしながらも、コクコクコクコクと激しく首を縦に揺らす。
ギャグボールを外し、とりあえず先にペットボトルにストローを刺して水を飲ませる。壊すのが目的ではない。
「俺はスペックスに入り込んだトプステのスパイを探したい。協力するか?」
「します! 協力します!!」
「そしてトプステを追い込み、営業活動が窮地に追い込まれた状態で買収、スペックスの別館にするつもりだ。これも協力するか?」
「はい! ぜひ協力させて下さい!!」
「よろしい、万が一俺を裏切った時は……、分かってるな?」
「裏切る事なんて有り得ません! 私はご主人様の奴隷です!!」
あれ? 思ってたんと違う。
「ご主人様の命令であれば何でも言う事を聞きますっ! ですからお側に置いて下さいっ!!」
お前私はMじゃないって言ってなかったか?
これには三姉妹も軽蔑の眼差し……、と思ったが何やらニタニタとしてとても嬉しそうな表情。
あっ、そうか。
美代は複数の男に弄り倒されていると思い込んでおり、複数人の相手をさせられるよりも俺1人だけの方がマシだと思い俺に媚びを売っているんだろう。
うん、きっとそうだよね?
「もちろんそちらのお姉さま方の言う事も聞きます! お邪魔はしませんからお願いします!!」
あ~、瑠璃達がいる事がバレてるっぽい……?
ちらりと牡丹を見ると、自分の手を指さしている。
あぁ、ゴツゴツした男の手ではなく、ほっそりとした女性の手で弄られていると気付いたって事かな。
まぁどっちでもいいが。
家に帰ってホっとしてからのこのお仕置きで訳が分からなくなってしまったんだろうか。でも自分の軽率な行いの結果だと思って諦めてくれ。
さようならうさぎちゃん、こんにちは奴隷ちゃん。
怖い事務所での疲労と、俺達4人から受けたお仕置きとで1人では動けない状態になった美代を、シャワーで洗ってやるよう紗雪に任せる。
その間に瑠璃と牡丹と3人でリビングへ移動し、今後のトプステに対する対応を協議する。
「さっきはノリで買収だ何だと言ったけど、実際トプステってどんな感じなんだ?」
2人が俺から目を逸らす。また何か隠してる感じだな。雰囲気から察するに、瑠璃の問題っぽい。
とりあえず先に確認したい事から済まして行こう。
「スペックス内部にいるトプステのスパイに心当たりは?」
「誰かは分かっています、むしろトプステに鈴を付ける為の二重スパイなので問題ありません」
牡丹が答える。二重スパイて。
鈴を付けるという表現から、わざと泳がせているのだと分かった。
しかし、今回俺は痛くて怖い思いをしたわけで。
「二重スパイである事をトプステ陣営は気付いているのか?」
「いえ、気付いている様子はありません」
あえてこちらの情報を流す事で生かさず殺さず、現状から大きく逸脱しないよう管理していたらしい。
となると、俺が殴られ蹴られした原因はやはり美代のせいという事だろうか。
「俺を引き抜こうとしたトプステのオーナーはどんな人なんだ?」
再び目を逸らす2人。これはあれだ、また瑠璃の元彼だな。
このタイミングでまた元彼の話になるのか、正直面白くないな。
瑠璃の口から言わせて後始末をさせるべきだろう。
「瑠璃、正直に言え。牡丹、こっちへ来い」
牡丹を引き寄せて、俺は牡丹の膝を枕にして床へ寝転がる。牡丹の手を頬にそえさせて、瑠璃を見る。
「ここ殴られて滅茶苦茶痛かった、傷になってないか?」
「内出血してますね、スポーツ飲料のCM撮影までに治るかな」
イチャイチャしているところを見せ付ける。
あ~だのう~だの言いながら、瑠璃が口を開いた。
「……、スペックス立ち上げの時に当時の恋人にプレイヤーとして働いてもらってたんですけど……、意見が合わないようになって、独立して別で店を作るって言われたんです。それがトプステです」
それで業界2位にまでなったのか、なかなかのやり手オーナーな気がする。
元プレイヤーがオーナー、どんなサービスをしているのか気になるな。
俺はスペックスの方針しか知らないので、これを機に他のお店はどんな感じで営業しているのか調べてみるのもいいかも知れない。
あ、これは美代の出番だな。
「意見というのは、経営に対する方針か?
それともプレイオプションに対する認識の違いとか?」
またしても黙ってしまう瑠璃。
代わりに牡丹が口を開く。
「それが……、本人が嫌がっているのに無理やりハーレムを作ろうとして、逃げられたんです」
あぁ、それは可哀想に。
そうだよな、普通は嫌がるよなこんな状況。
やっぱ俺も今の状況に甘んじているのは、俺自身がどこかおかしいからなんだろうな。
こんな自覚の仕方すげぇ嫌だったわ。
「って事は、俺の時にその経験を全く生かせてないって事だな。
瑠璃は自分の我を押し通し過ぎるんじゃないか? 俺じゃなかったらこうはなってなかったぞ」
「それはまぁそうですけど、でも今では立派なハーレムの主ですから」
何で瑠璃が胸を張ってそう言うのか……。
何にしても、俺は瑠璃の元彼と会って話をする機会を作らなければならない気がする。
その前に、色々スペックスサイドとして話し合いが必要だな。
「怖いおじさんにトプステから一般人のアクトレスを遠ざけるよう言ってしまったんだが、それは取り下げるか?」
「いえ、優希さんに危害が及ぶきっかけを作ったのはトプステのオーナーです。
多少はいいんじゃないですか?」
瑠璃はどう思うのだろうか。複雑な顔をしているが、何を考えているのだろうか。
「そうね、実は細々した嫌がらせを受けていたので、多少は仕返しが必要だと思います」
と言う事で、お断り屋業界2位のトプステに対する買収工作が始まった。
いつもありがとうございます。
明日の投稿分は今から書き始めますので間に合うかどうか分かりません。
どちらにしても活動報告で投稿があるかどうかお知らせさせて頂きます。
そう言えばTwitter始めましたと言いつつあまり呟いておりません。
絡んで頂ければ何かしらリアクション致しますのでお気軽にフォローして下さいませ。
悪役ヒーローの方も昨日最新話を投稿しておりますので、合わせてよろしくお願い致します。
誤表記修正致しました。




