表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
友達の彼女の告白を断ったら、お断り屋にスカウトされました!  作者: なつのさんち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/212

宮坂家を後にして

10/31 感嘆符後のスペース追加、三点リーダーを偶数に変更、ルビ等その他追加修正

 ホテルを出て、紗雪さゆきの運転でまず夏希なつきをマンションへ送り届ける事になった。

 夏希は宮坂みやさかご夫妻に遠慮して恐縮していたが、酔っ払いメイド長の芹屋せりやさんが「賢一(この人)そんなに大した事ないんだから大丈夫よ!」という謎の一言で、それ以上何も言えなくなってしまった。


「大した事ないっていうのはどういう意味ですか?」


「そりゃぁ~ベッドのうモガモガモガ」


 慌てて賢一けんいちさんが芹屋さんの口を塞ぎ、事なきを得ていた(?)。


 夏希のマンション前に車が停まり、皆が口ぐちに声を掛ける。

 車の外に出てしまえば万が一写真など撮られると面倒な為、車内にてお見送りする。

 まぁ、またいつでも会えるさ。


「また電話するから」


「おう、仕事頑張れよ」



 ほどなくして宮坂家へと到着し、紗雪と2人で芹屋さんを両脇から抱えて運んだ。


「さゆ、賢一さんのベッドに寝かそうか」


「面白そうだけどパス。芹屋さん絶対朝まで起きないから」


 との事で、芹屋さんにあてがわれている部屋へと運び、後はさゆへ任せて退室した。

「風呂入るぞ風呂」と誘うオッサンに軽くお断りを入れ、牡丹ぼたんに連れられてリビングでお茶を頂く事となった。


「今日はもう遅いし、お泊りにしたらどうかしら?」


「いえ、明日もご予約のお客様アクトレスがお待ちですので、もうしばらくしたら失礼させて頂きます」


「そぉ? 残念だわ~」


 娘の彼氏を家に泊まらせようとする母親っているんだな、初めて知った。


「そうそう優希さん、もし次にプレイヤーちゃんねプレちゃんるの管理人さんが予約を入れて来られたら、気を付けて下さいね」


 牡丹が何やら忠告をして来る。何か心当たりがあるんだろうか。とりあえず頷いておく。


「それと、近々スポーツ飲(ポカル)料のCM撮影の日取りを決める事になっていますので、心づもりしておいて下さい」


 あ、忘れてた。と言う事はまたそのうちエミルと共演する事になるのか。

 次は一回きりの放送じゃなくCMとしてバンバン放送されるんだろうな。外に出て顔を指されるかも知れない。気を付けねば。


 紗雪が戻って来たので、宮坂ご夫妻においとまのごあいさつをする。


「またいつでも遊びに来てね? 別に1人で来てくれてもいいんだから。ここをあなたの実家だと思ってね」


「そうだぞ、遠慮するなよ優希。うちはいつでも風呂が沸いているからな」


 この2人の距離感どうにかならんのか。三姉妹、特に実の娘である瑠璃るり紗雪さゆきのご両親だなぁという感想だ。

 愛想笑いで対応し、紗雪が呼んだタクシーに乗り込む。まだ宮坂家に残っている使用人に車を出させると言って頂いたのだが、瑠璃が必要ないからと断っていた。

 あまり家でお嬢様お嬢様したくないんだろうか。



 タクシーの後部座席に三姉妹を座らせ、俺は助手席に座った。


「それで、うちの父は何て言っておりましたか?」


 タクシーが走り出してすぐに瑠璃が俺に尋ねて来る。

 そうか、それが気になって仕方なかったのか。確かに顔見知りが運転する車内では聞きにくいかもな。


「いや、別に特には。湯加減はどうだ、とかメイド長を一晩貸そうかとか」


「お父さんったらおぇももう22だから婿を取る為に見合いをさせないととか言ってさ、お義兄にーちゃんの反応見て楽しんでんだよ、どう思う?」


 うやむやにしたかったのに、お喋りな家具が告げ口をする。


「あ~、ありそうね」


 牡丹が苦笑している。割とそういうお茶目な父親なのだろう。


 そう言えば三姉妹が学生時代に撮ったというDVDを見せてもらえば良かったな。それ目的で近々行こうかな。連絡先も交換した訳だし。


「アナタ、父が言った事は本気じゃないですからね!? 気にしなくていいですからね!!」


「お義兄ちゃんたらさ、『娘さん達のお陰で救われたんです。今さら別れろと言われても無理です。僕には4人全員必要なんです。見合い? 知りませんよそんなもの』って言い返してたんだよ! すごくない!?

 うちのお父さんに初対面でそこまで言う人見た事なかったからビックリしたよ。カッコ良かったなぁ」


 何度も風呂に入ってて、頭に血が上ってたんだろうな。普通付き合ってる相手の親に向かってそんな事言わないもの。初対面であろうがなかろうが関係なく。


「……、さすが私の夫だわ。聞きましたか運転手さん!」


 運転手さんを巻き込むな! すみません、すみません……。

 酔っ払いの集団だと思われているんだろう、へぇへぇ笑いながら流してくれた。


「それで優希さん、姫子ひめこさんの事はどうするおつもりですか?」


 どうするも何も、本人の気持ちが一番大事なんじゃないの?


「紗雪は姫子さんと友達になったんだって?」


「うん、2人で話した時もあんな感じだったよ。無害そうな、ちょこんとお座りさせて愛でたいような感じかな?

 でもちょっとキャラ臭がするような気もするんだけど……」


 何だキャラ臭って。そんな話をしていると、スペックスビル前へと到着した。

 


 最上階に到着すると、すぐに3人がバタバタと浴室へ向かって行った。3人同時に入るつもりか?


 俺は1人で部屋へ戻り、夏希に近々CMの撮影があるらしいとメッセージを入れておいた。

 まだ寝てはいなかったようで、何か新しい情報が入り次第お互い連絡しようと決めた。

 好きだとか、会いたいだとか付き合いたてのカップルのようなやり取りをした後、お休みというメッセージを最後にやり取りを終えた。


 見計らったかのように部屋のドアがノックされ、3人がぞろぞろと入って来る。その格好はどうした!?


「へへへ、いいでしょ? スペックスからあのまま借りておいたの。夏希もこれ着たままだったんでしょ……?

 今日はもう夏希がいないから、私達3人のお相手、してくれるよね?」


 リプレイ時に使ったセーラー服を着た紗雪・瑠璃・牡丹がベッドへと乗り込んで来る。


 1日の最後に3人同時ですか、明日大丈夫だろうか……。



いつもありがとうございます。


誤字修正致しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ