無言でお断りシチュ:プレイ
本日2回目の投稿です。
10/30 感嘆符後のスペース追加、三点リーダーを偶数に変更、ルビ等その他追加修正
11/18 さらに誤字訂正
※アクトレスとのやり取り・セリフ・描写を加筆しております。よりエロくなったでしょうか?
だからダメなんだよ……
よく考えたらここ会社の中じゃないか、たまたま撮影用にスーツ着てたから良かったが、そこまで頭回ってなかった。
お客様の格好はピンクのブラウスに白いミニスカートとプライベートな感じの装いだ。案外私服であっても問題なかったかも知れない。
「お休みなのに無理を聞いてもらったんだよね? ありがとうね」
ニッコニコの笑顔で話し掛けて来るアクトレス。サラサラの背中まで伸ばした髪の毛、いい匂いがする。
こんな美人な人がわざわざ俺が来るまで粘ったとか、本当にお断り屋業界は勢いがあるんだなと実感する。
「いえいえ、ご対応が遅くなってしまい、申し訳ごz」
はいストップ、と人差し指を口に当てられ、遮られてしまった。
そのウインク、高畑社長とは大違いですげぇセクシーです。
そのまま部屋の真ん中に用意されていた丸椅子へと座らされる。
「私が何を言っても紗丹君は喋ってはいけません。いいですね?」
コクコク。
「よろしい。では始めましょうか」
あ、せめてお名前だけでも聞いておけば良かった。そう思っていると彼女は床にぺたりと座り、俺の足に縋りついてプレイを始めてしまった。お胸が当たってますよ?
「好きなのっ」
始まった。一体どういうプレイなんだろうか。俺が無言を貫く事で、彼女の好意をお断りするという形でいいんだろうか。
俺の膝に頬擦りし、彼女は続ける。
「テレビに一緒に出てたあの子、あなたにとってどういう子なの? とっても可愛い女優さん、いきなり抱き着いて見つめ合って、飲みかけのスポーツ飲料渡して、とってもステキだったわ。
でも私もあなたの事が好きなのよ? 大好きなの、あなたの夢を毎晩見るわ。優しくキスしてくれて、好きだよって耳元で囁いてくれる。ちょっと低いその声が、優しい囁きが、大好きよ?」
見上げてくる瞳が少し潤んでいる。ウットリとしたその目を見つめ、しかし俺は発言する事を許されていない。ただ彼女の俺に対する好意をただただ無言でお断りする事しか出来ない。
腰を撫で回す手つきが非常に艶めかしい。
彼女は立ち上がり、向かい合った状態で俺の膝の上に座る。
ひらひらのミニスカートですけど大丈夫ですか? ほら、ちょっと見えてますよ? シルクの光沢輝くブルーが見えてますよ?
思わず膝を閉じてしまった。
おでことおでこが当たった状態で見つめ合い、さらに彼女は続けて愛を囁く。
「そういう優しいところも好き。キリっとした眉が好き。パッチリとした二重瞼が好き。オレンジがかった瞳も好きだし、上を向いた睫毛も愛らしいわ。すっと筋の通った鼻も好きよ。少し薄めの唇もとってもセクシーだし、形良く張り出した耳もいいわ。シャープな顎のラインもたまらない。大きな喉仏も最高っ。そしてこの状況なのに目を逸らさないプロ意識も大好き」
普通の生活でこれだけの美人さんにここまで言ってもらって、落ちない男などいるのだろうか。
いたら心して聞いてしてほしい、お前はバカだ。俺? 俺は仕事だ。
膝の上に乗った状態で少し身体と身体の距離が開いた。
この状態だとどうしても胸に意識が行ってしまいそうになるが、それでも気合を入れて目を見続ける。
「今だけは私を見て? 見てもらいやすいようにこの服を選んだのよ? 自信はあるの、大きいでしょ?
通勤途中や仕事中にでも、男の人は遠慮なくここを見てくるわ。上から覗いたり、横から眺めたり。目線をいっぱい感じるの。
でも今はあなただけに見てほしいの、ね? いいでしょう?」
これはどうするべきか、彼女の要望通り谷間をじっくり鑑賞させて頂いたらいいのか、それとも目線をやらない事でお断りと表現するべきなのか。
非常に迷う。ずっと目を見続けるというのも精神力が必要だ。少しくらい違う所を見てインターバルを取るべきか、いやダメだ。あくまで俺の仕事は断る事、目を合わせ続ける。
「ふふっ」
楽しそうにそう笑い、その谷間をわざわざ俺の鼻先まで持ってくる彼女。
すごく楽しそうな笑顔、普段だとこんな事は出来ないもんな、ぜひ最後までお楽しみ頂きたい。
ひとしきり俺に胸のブルーも見せつけて、ゆっくりと大きく身体をくねらせながら膝から降りる。
「何で何も言ってくれないの? 何で私を抱き締めてくれないの? 一緒にテレビに映っていたあのコの方が好き? 私ならあなたの望む事、なぁんだって叶えてあげるわよ?
あのコよりも胸が大きいし、ほら、お尻触ってみて? もぉ、手を出して、ほらココよ? あぁ、ぷるん♪ってしてるのになぁ。あのコよりもい~っぱいあなたを満足させてあげられると思うの。
……、どうしてもダメ?」
未だ反応を見せない俺に対し「そう、分かったわ」と呟き、俺の背後に回る。背中を指先でくるくるツンツンしてくる。
「大きい背中も好き。広い肩幅も好き。しゃんとした姿勢も好き。少し太い二の腕も好き、あぁ大好き。今だけは私の物よ? いいでしょ、お願い」
目尻が下がって行き、頬が赤く染まっている。声色も艶が増して、聞いているだけで腰が砕けそうになるような色気がある。吐息が顔に当たるだけで、自分の身体が熱を帯びて行くのが分かる。
背中に胸を密着させ、俺の左手に彼女の右手を絡めてくる。いわゆる恋人繋ぎ、そのまま彼女の口元へと近寄せ、熱いキスを落とす。
「チュッ、この浮き出た血管も好き。きれいに切り揃えられた爪も好き。全部好きよ? 私を見て、私だけを見て?
あぁ、あなたの唇を奪いたい。でもそこまでしてしまえばもう二度とあなたに会えなくなるわ……。どうしたらいいの? ねぇ、私とあなたがキスするにはどうすればいいのか教えて?
あっ、私が目を閉じて待ってればいい? そうしたらあなたからキスしてくれる? あなたからしてくれるのなら、迷惑行為にはならないわよね?
もちろん私は苦情なんて言わないわ。私が望んだ事を、紗丹君が叶えてくれる、ただそれだけよ? ね、いいでしょう?」
もう一度俺と向かい合い、膝の上に乗る彼女。俺の肩に手を置き、ゆっくりと目を閉じる。
赤く上気したその顔を僅かに傾かせ、唇を突き出した状態で俺を待っている。
コクッ、と彼女の喉が鳴る。俺はそれをただ見つめているだけ。
ゆっくりと、本当にゆっくりとした時間が流れる。俺はただただ彼女を見つめているだけだ。
どれだけ時間が経ったのかは分からない。
彼女の目がゆっくり開いたのが、プレイ終了の合図だった。
「無理を聞いてもらってごめんなさい。次はちゃんと予約するわ。でも紗丹君の予約ってなかなか入れられないのよね。今まで何度挑戦してもすぐに一杯になるんだもの」
これはクーリングタイムと呼んでいいのだろうか、彼女は未だに俺の膝の上から離れようとしない。
「はぁ……、とっても素敵な時間だったわ。ありがとう♪」
そう言って、やっと本当にプレイが終了した。
このプレイを何度もやられたら、本当に自分からキスしてしまうかもしれない。
私的にはなかなかエロく出来たと思うのですが、いかがでしたでしょうか?
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だから(ry




