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友達の彼女の告白を断ったら、お断り屋にスカウトされました!  作者: なつのさんち


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205/212

現状報告会

 スペックスビル内の会議室に宮坂三姉妹と俺、そして月崎さんが集まっている。今日は各SNSサービスを利用してみた上での報告会を行う。


「まずはYouTubeのチャンネルですね。ご覧頂いている資料に具体的な数字を載せております。

 視聴回数やスーパーチャットの回数及び金額、コメント数や高評価と低評価の数字等は各自ご確認下さい」


 牡丹が報告を始める。この資料に載っている数字に関しては、緊急事態宣言の発令で鬱憤が溜まっていたアクトレスのストレス発散のツールとして非常に高評価を得ているという裏付けと受け取って良いものだ。

 しかし、社会全体が現在ストレス過負荷の状態だからこその数字なのか、それとも緊急事態宣言が解除されて以前の日常が戻った後も継続して利用してもらえるものなのかどうか、なかなかに評価が難しいところである。

 今言える事は、コメントの内容的に今までお断り屋でアクトレスデビューをしていなかった女性、もしくはお断り屋の存在自体知らなかった女性にも見てもらえているという手応えはある。チャンネル登録者数が全アクトレス登録者数を上回っているのが証拠だ。

 緊急事態宣言が解除された後、スペックスの通常営業を再開した際にこれらのアクトレスのご来店を望めるかもしれない、という宣伝効果としては十分に効果を感じている。

 後は、実際にアクトレス者数、来店人数が増えるかどうか。それは通常営業を再開した後に分かる事だ。


 店舗営業に対する宣伝効果に関してはそれで良い。今必要なのは、YouTube単独で今後も継続して収益を得られるのであれば、スペックスの店舗営業とはまた別に事業化の検討をする事だ。

 今は店舗でプレイ出来ないからこそ、YouTube用の動画撮影をする時間が用意出来ているのだ。

 さらに突っ込んで考えると、動画だからこそ、リモートプレイだからこそ実力を発揮出来るプレイヤーも出て来るかもしれない。

 また、カメラには映らない場所にカンペを用意しておくなどの裏技も可能で、ディレクター的な役割を持たせたスタッフを配置して指示を出させてチームとしてアクトレスのお相手をするという今までの概念に囚われないサービス提供も考えられるのだ。

 そして、そういう手法が出て来る事でさらに俺達が今まで提供して来た直接対面一対一のプレイが再評価、プレミア化されるという寸法だ。

 

 反面、YouTubeという誰でも閲覧可能な環境に俺達のサービスを公開する事で、後発参入する個人や法人が出て来る可能性もある。

 それについてはお断り屋協会という団体がすでにあるので、お断り屋協会に加入しないと『お断り屋』というサービス提供事業者は名乗れない。アクトレスアプリを使用出来ないのでアクトレスンの集客には苦労するだろう。

 加入しないままモグリという形でお断り屋のようなサービス提供をしておれば、恐らく風営法に触れるような非合法なサービス展開を始めるだろうから、放っておけば通報されて消滅するだろう。


 というような内容が牡丹から報告された。


「続きましてTwitterとInstagramに関しての報告です。具体的な数字は同じく資料をご確認願います。

 そして資料の数字を見た上で、これをどう判断するべきなのかの注意点なのですが……」


 両サービスは主にYouTubeチャンネルの活動報告的な用途で使っている。つまり、単独で収益を得られるような使い方はしていないのだ。

 フォロワーが数十万人に上るトップインフルエンサーであれば、マネタイズは比較的簡単である。企業からこういう商品を使っている写真や動画を投稿してくれという依頼や、ライブ配信時の投げ銭を得たり有料会員になって月額料金を頂いたりする事で、収益を得る事が出来る。

 しかしプレイヤーは、TwitterやInstagram上においては一般人に毛が生えた程度。フォロワー一万人未満のナノインフルエンサーや、数万人程度のマイクロインフルエンサーに留まってしまう。

 そもそもがお断り屋というかなりニッチな業界で人気を得ている者達であり、世間一般の知名度は非常に低いのだ。地下アイドルのようなものか。

 そんなプレイヤー達の中で、例外中の例外が俺、希瑠紗丹のアカウントだ。一応プレイヤーとしてのみではなく、芸能人の端くれとしても見てもらえているようなので、十万人を越えるトップインフルエンサーに数えられている、らしい。

 正直インフルエンサーの事をインフルエンザと聞き間違えて、何じゃそれとツッコミを入れていたくらいなので、しっかりと牡丹の説明を聞いておかなければならない。


「これらのアカウントを用いて宣伝したいのは、何を置いてもまずはスペックスの通常店舗。そして現状はそれ以上にYouTube公式チャンネルです。

 いくらフォロワーが増えたとしても、数は知れています。YouTubeのチャンネル登録者だってトップユーチューバーから比べれば数百分の一程度です。

 しかし、他のチャンネルを大きく上回る収益率。単価が非常に大きいのが強みです。

 ですので、両アカウントを用いて如何にマネタイズするかなど考える必要はありません。全てYouTubeへ誘導すればそれで収益へ繋がります」


 マネタイズって何や、マヨネーズの親戚か。


「まだチャンネルを開設して間もないので判断が非常に難しいのですが、動画コメント欄に寄せられる要望として興味深い書き込みがありました。

 スペックスのチャンネルとは別に希瑠紗丹の専用チャンネルを開設してほしいというものです」


 現在、スペックスのYouTubeチャンネルの動画に登場するのは、俺だけでなく亀西さんや二ノ宮さん、そして先崎や牧田さんに木梨さんなど、動画出演を拒否しなかった大部分のプレイヤーが顔を出している。

 プレイヤーの数だけでも軽く百を超えてしまうが、挨拶や近況報告だけでもアクトレスに喜んでもらえるので各自自分のスマホで動画を撮ってもらい、こちらへ送ってもらって簡単にチェックした後すぐにYouTubeへアップ出来る。


「一日に十回以上動画投稿しているのがあだとなったようです。全てのプレイヤーの動画をくまなくチェックするというアクトレスは少ないという結果が出来ました。

 その為、チャンネル内の再生リストとセクションを使用してチャンネル内でプレイヤーごとに動画を分ける方法を取っておりますが、どうしても更新通知は分ける事が出来ません」


 再生リストは分かるがセクションって何だ。日本語でおk。


「サブチャンネルを使用してプレイヤーごとに割り当てる方法もあるにはあるのですが、管理が煩雑になる事と動画撮影の頻度やクオリティがプレイヤーに依存する事、また全てチェックし切れるだけのスタッフが用意出来ません。

 つきましては、全プレイヤーごとにチャンネルを開設するかどうかは保留とし、取り急ぎ希瑠紗丹チャンネルの開設を提案します」


 希瑠紗丹チャンネル? 何それ怖い。いきなりドッキリとか仕掛けられそう。迷惑系ユーチューバーに待ち伏せされたりしないだろうか。

 獄激辛を食べたりコストコで買って来た材料で料理したりスイカバーを使って本物のスイカを再現する動画とか撮らないとダメかな。うどん食べながら歌ったり、後は何だ。ダイエット企画? まず160キロに太るところからか?


「そうですね、紗丹さんだけでなくハイファイブ全員のチャンネル開設を考えてみては如何でしょうか?」


 説明しよう! ハイファイブとはハイプレイヤー総選挙の上位五名、上から希瑠紗丹、二ノ宮潤一、亀西信弥、牧田晴臣、木梨礼司の事である!!

 はぁ、頭使い過ぎて変なテンションになって来た。何か甘いモン食いたいなぁ……。


「うーん、でも五人が抜けてしまうとスペックス本体の公式チャンネルの閲覧数が減っちゃうって可能性はないかしら?」


 すげぇな、瑠璃はちゃんと話に付いて行っているみたいだ。さすがは出来る経営者。紗雪もうんうん頷いているし、みんなすげぇわ。うん。


「各プレイヤーのチャンネルではプライベート感のある動画を出すようにするのは如何でしょうか。流行りのモーニングルーティーンを公開したり、料理をしたり、一個人として生配信したり。

 そしてスペックスのチャンネルでは複数人のプレイヤーがオンライン飲み会をする動画を配信したり、各プレイヤーのチャンネルで生配信したアーカイブを動画編集版として公開するなど……」


 あーもう何言ってんのか分かんねー。アーカイブって何ぞ。スマホを使って検索。何なに? 公文書? 記録保管場所? 難しい言い方すんなよなー。


「この際だからさ、番組製作会社を買収してスペックス専属のYouTubeの撮影編集班にするのはどう?

 今テレビ業界も大変らしいって聞くし、話に乗ってくれる会社もあるんじゃないかしら」


 社長さんは言う事が大きいなぁ。会社買っちゃうんだもん。普通買おうなんて発想ないよな。


「買収するかどうかは別として、仕事の依頼ならすぐに聞いてくれそうだけどね。知り合いにアポ取ってみようか?」


 うわぁ、社長さんだけじゃなく現役女子大生もすごいのね。テレビマンの知り合いがいるとかすげぇわ。もう何かすげぇしか言えねぇ。


「各プレイヤーへ報酬をお支払いをする為にも、マネージメントする為にも、やはり専用のスタッフを雇って芸能事務所的な管理が必要になりそうですね。今はスペックスの内部スタッフの手がありますが、今後の事を考えると最初から別部門として立ち上げておいた方が良いかもしれません。

 私の方から高畑社長へご相談させてもらいます。となると優希さん、じゃなくて紗丹君のマネージメント契約についての扱いが……」


 もうあれだ、よく分からんけどみんなに任せるわ。18禁カレーとか、食用の虫をアホほど食えとか言われない限りはみんなに従うよ。よろしくー。



 翌日、俺専用のチャンネル開設一発目の動画として、夏希との対談が決まった。

 今さら夏希と何喋れって言うんだよ……。


「ちゃんと会議の内容聞いてないからよ、うんうん言ってるだけだったからそういう事になるのよ。

 あたしは別に悪い内容じゃないと思うけど」


 はいはい分かりました。従いますとも。



新作異世界転生ファンタジーを書いているんですけど、

なかなか投稿するタイミングが分からず、

ワードでつらつらと書いては修正して書いては修正してを繰り返しております。

もうすぐ7万文字で、結構楽しく書いております。

投稿する踏ん切りがついたらまたこちらでご報告させてもらいますので、

みなさん読んでね☆

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