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友達の彼女の告白を断ったら、お断り屋にスカウトされました!  作者: なつのさんち


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Our Time


「始まりました、Our Time。訳して……」


「いや訳さなくて良いから」


「何となくで訳さない方が良い気がする」


「っと言う事で今回の動画はこちら、スペックスにあります刑務所フロアの面会室から三人のプレイヤーでお送り致します!

 ここなら元々アクリル板がありますので感染対策バッチリでお届け出来ます」


「ちなみに役柄はくじ引きで決めまして、僕こと亀西(かめにし)信弥(しんや)が刑務官で」


二宮(にのみや)潤一(じゅんいち)が面会人」


「そして僕、希瑠(きる)紗丹(さたん)が囚人のコスプレとなっております。コントではよく見ますけどね、この縞々のツナギ」


「信弥さんはスリムだからあんまり刑務官の格好は合わないね。脱獄されそう」


「面会人って言ってもただのスーツだから潤一君は特にいつもと変わりないよね」


「ってか刑務官がこの部屋で囚人と向かい合って座ってるって状況はなかなかないでしょうね。しかも面会人との間にもアクリル板での仕切りがあるってちょっと現実的ではないな」


「まぁそこは雰囲気でという事にしようよ。ここで収録しようと言い出したのは紗丹だろう?」


「言い出しておいて自分が囚人役になるとは思いませんでしたよ。潤一さんに情けない格好させてやろうと思ってたのに」


「……何か恨みを買うような事したっけ?」


「君の伝説は、今日が始まりなのさ!

 ぶっ~!! はっはっはっ!! 今思い出しても笑えますよ、くっそダセーんスよ潤一さんの決め台詞」


「何なに何の話?」


「あー、ハイプレイヤー総選挙で亀西君が三位で呼ばれた後の話。紗丹君が青い顔でブルブル震えてたから励ましてあげたのに、滅茶苦茶ダサイって言って笑われたんだよね」


「あれ? あの時はわざとダサイ台詞を言って僕の緊張をほぐしてくれたんじゃなかったんですか?」


「いや、笑わせようとした訳ではなくて……」


「マジで!? あ~~腹痛ぇ~~!!」


「囚人が腹を抱えて笑っている光景ってなかなか新鮮だね。

 ……潤一君がバカにされているという光景もなかなか新鮮ではあるけれども」


「信弥さん、何とかして下さいよ。司会役の紗丹君が進めてくれないと話にならないですよ」


「いや、割とフリーでトークする感じで良いって聞いてるからこれもありなんじゃない?

 四台も五台もカメラで撮られるから意識するなってのは無理だけどさ。

 とはいえこうして久しぶりに集まれたんだから、プレイヤーとしてのお仕事の話なんかもしたいんだけどね」


「はぁ、はぁ、すみませんでした。ん゛ん゛っ。

 お二人は自宅待機中はどのようにぶふぁっっっ!!」


「飛沫飛ばし過ぎ。アクリル板にめっちゃ唾が掛かってるよ。アクトレスの皆様にお見せ出来ないよ」


「紗丹君ってなかなか表でこんな表情見せないよね。ある意味お見せした方が良いのでは。

 アクトレスの皆様も喜んでくれそう」


「僕達にとってはいつも通りだけどね。ほら、最近この三人でよくリモート飲みするじゃん」


「するね、でもしょっちゅう紗雪さんや瑠璃さんが乱入して来るから……」


「おっと潤一君そこまでだ」


「カットするので大丈夫ですよ」


「すみません月崎さん、お手数をお掛けします」


「いえいえ、お気になさらず好きにお話下さい。お二人の仰る通り皆さんの親し気な会話はアクトレスにとって新鮮だと思います」


「月崎さんにそう言われると恥ずかしいな……」


 パチンッ。


「さぁ始まりました、Our Time。訳して……」


「いやいやいや」


「いやいやいや、いくら何でも初めからはやりすぎだよ。

 ほら、いつも三人でやってるリモート飲みみたいなノリで行こうよ」


「飲みみたいなノリ、潤一パイセンさすがっス!」


「いやいやいや」


「どうしても僕をそういうキャラにしたいみたいだね。でもここも上手い事編集して下さるだろうから良いけどね」


「あー、どうやら今のところは編集しないみたいですね」


「月崎さん!?」


「二ノ宮さん、私の名前を出されると編集箇所が増えてしまいますので……」


「仕方ない、仕方ないよ潤一君。

 さて、リモート飲みの話も良いけどさ、リモートプレイについても二人の考えを聞いてみたいんだよね」


「さらっと次の展開に持ってかないで下さいよ、信弥さんがフォローしてくれないと僕やられっぱなしじゃないですか」


「300人以上いるスペックス所属のプレイヤー、その中で第二位の人気を誇るSランクプレイヤーであらせられる二ノ宮さんはこの自粛期間中はいかがお過ごしでしたか?」


「紗丹君はどうしても僕をいじられキャラにしたいみたいだね。まぁいいや。

 自粛期間中は本当に極力外に出ないようにしてたよ。料理したり掃除したり、普段ゆっくりと出来ない事をしてたかな。

 信弥さんは?」


「僕もそんな感じだね。料理作って写メ撮ったり、インテリアにこだわって写メ撮ったり、割と自己満足して楽しんでたかな」


「写メ撮ってるならInstagramなりTwitterなりに画像を上げれば、アクトレスの皆様にも楽しんでもらえるんじゃないですか?

 あ、亀西信弥さんと二ノ宮潤一さんのInstagramとTwitterのアカウントは概要欄に載せておきますのでご参照下さいませー」


「希瑠紗丹のアカウントも載っているはずでーす」


「撮影当日ではまだ開設もしてませーん」


「紗丹さん!!」


「すみませーん」


「月崎さんが大きな声を上げてらっしゃいますが、ご心配なきように。ちゃんとマスクをしてフェイスガードまでされていますので飛沫は飛び散っていません」


「亀西さん! 私の事は言わないで下さいと先ほど申し上げたはずですが!!」


「話が全然進まないな、まぁ楽しいからいいんだけど。

 僕としては」


~字幕~


「この続きはオンラインサロン、お断り屋の未来研究所でご覧頂けます。

 この機会にぜひ入会のご検討を!」



次話は来週にという気持ちはあります。


ポイントいっぱい欲しい系作者なのでブックマークとポイント評価お願い致します。

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