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友達の彼女の告白を断ったら、お断り屋にスカウトされました!  作者: なつのさんち


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202/212

アクトレスへ向けて配信する為の動画撮影


 こういうのは勢いが大事という事で、早速動画撮影をする事にした。

 自宅というのはアレなので、今は休業中のスペックスのプレイルームの一室で撮る事になった。


「あ、デジタル一眼レ(デジイチ)フあるじゃないですか。三脚にセットしてそれとこの照明と組み合わせて……」


 スペックスの備品から撮影機材を見繕って下さる月崎さん。その勢いにやや圧倒される俺と瑠璃、牡丹、紗雪。

 緊急事態宣言により意気消沈していた俺達とは比べ物にならないくらいのモチベーションを見せる月崎さん。

 本来であれば自分達で行動をしなければならなかったのだ。俺も今出来る事を考えなければ。


「どうせ撮るなら人気のプレイルームが良いんじゃないか?」


「やっぱり学校の教室じゃないかしら」


 瑠璃の言葉に牡丹が頷いて続ける。


「教室なら学ランかブレザーを着て撮った方がいいんじゃないでしょうか?」


「亡くなってる方もおられるご時世です。極力ふざけているように受け取られないよう配慮が必要かと」


 瑠璃、牡丹のアクトレス目線の意見に対し、世間一般の目線で紗雪が反対意見を出す。


 大抵こういう時に不謹慎だ何だと言い出すのは常連客ではなく一度もスペックスへ来た事のないその他大勢だ。

 お断り屋という存在を知らずスペックスに対する思い入れもないから叩く事に対しても戸惑いがなく、ノリとその時の感情のみで批判をして来そうだ。批判されているから何となく自分も批判しようという流され意見も出るだろう。

 そういう人達の恰好の的にならぬよう控えめに、せめて一発目は誠実な動画にしておきたい。


「社長室のセットならいかがでしょうか。きちんとスーツを着込んでデスクに座り語り掛けるような雰囲気ならば受けがよろしいかと。

 ぜひその際は私に秘書役をお任せ下さい」


「いやいや紗雪ちゃん、秘書は私でしょう?」


「いやいやいや……」


 などと漫才を始める牡丹と紗雪をスルーして、俺は衣装フロアへ移動して会見に適したスーツを探しに行く事にした。


「ってかそもそもスペックスの社長は瑠璃なんだから俺が喋る必要なくない?」


「えっ……、でもプレイヤー代表と言う意味なら間違いなく紗丹君でしょう?」


 でも、いや、と俺と瑠璃とで漫才が始まりかけたところを月崎さんがストップを掛けてくれた。


「紗丹さんが仰るのも一理あります。ので、お二人が真ん中に座って、その両隣に牡丹さんと紗雪さんが座って計四名が映るという画でいかがでしょうか。

 そして最初に現在の状況を語るのが社長の瑠璃さん、スペックスのこれからの活動を語るのが紗丹さんというのが良いのではないでしょうか?」


 それ頂きます。



「アクトレスの皆様、お久しぶりです。スペックス代表の宮坂瑠璃です。

 今回の新型感染症感染拡大に伴う緊急事態宣言を受けて、弊社スペックスにおきましても休業という選択を致しました」


 つらつらとカメラ目線で語り掛ける瑠璃。ようやくまともに話せるようになった。ちなみにこれは14テイク目である。

 カンペは用意しておらず、思いの丈を語っている瑠璃。最初は緊張でカミカミ、何度もNGを出されて涙目だった。

 リアルタイム配信ではないのだからカットして繋ぎ合わせてすればいいのではないかと思うが、こういう真剣なお話の時は極力ノーカットの方が誠意が伝わりやすいとの事で、スパルタ月崎さんの指導の元こういう形での収録となった。

 社長室ではなく会議室風のプレイルームに長テーブルを置き、パイプ椅子に座っている。

 衣装は俺も宮坂三姉妹も全員スーツ。紗雪がメイド姿では話が頭に入って来ないだろうし。

 俺達の座っている間にそれぞれ透明のアクリル板を設置し、飛沫が飛ばないようになっていますアピールをしている。

 実際は色んな意味で濃厚接触しているのでこんなもの必要ないんだけど。あくまでぱっと見で感染対策をしている事が分かる事が重要なのだ。


「希瑠紗丹です。お断り屋のサービス形態上、緊急事態宣言下でどうしても今までの営業方法が運営出来ないのは宮坂社長の説明の通りです。

 ですが、私達プレイヤーとして現状で何が出来るのか、新たな形態でのサービス提供は出来ないだろうか。

 私達四人で話し合いを行いましたところ……」


 まぁ月崎さんに何でこれやってないんだアレやってないんだとツッコまれただけなんだけど。

 月崎様からアドバイスを頂きまして、と言うと月崎さんからカットを掛けられた。

 私達四人と外部有識者で話し合いましたところ、と言ってもカットを掛けられた。

 あくまで月崎さんは裏方に徹するおつもりのようだ。

 ちなみに俺が話し出すのは瑠璃の現状報告が終わった後の為、俺の話す場面でカットが掛かると瑠璃の現状報告を一からやり直す事になる。

 勘弁して下さいと涙目で睨まれるのでさらにやりたくなる気持ちを抑えるのが大変だった。


 そんな内部事情は別として、画面に映っている俺達四人で話し合った事として、カメラの向こう側におられるであろうアクトレスの皆様へお伝えしている。


「YouTubeのチャンネルはすでにご覧になっているこちらになりますが、TwitterとInstagramに関しては概要欄へURLを用意しております。よろしければフォローをお願い致します」


 まぁこの動画を撮影しているタイミングではまだアカウント作ってないんですけどね。動画公開がいつになるかまだ詰めていないが、今日撮ってすぐに投稿とはならないだろう。


 あくまでメインは自宅待機しているプレイヤーとアクトレスとのリモートプレイ環境を作る事だ。

 一からそういうアプリを作っている時間はない。商業利用OKな既存のアプリやサービスを使って早急にサービスを開始したい。

 これについては牡丹からのアナウンスとなる。


「また、現在自宅待機をお願いしているプレイヤーがリモートでプレイを行えるように環境を模索しています。

 アクトレスアプリとの連携が可能かどうか、現状では開発をお願いしている会社と連絡を取り合って検討中です。

 しかしソフト開発となると今すぐに動ける話ではないと思われます。当面の間はプレイ内容の評価やアクトレスポイントの加点等は二の次になるであろう事を先にお断りさせて頂きます」


 ソフト開発の会社も世間と同じく業務停止中のようだ。ただ、ソフト開発が出来るPCさえ社員が自宅へ持ち帰れば業務は可能だという目途が立っていると担当が教えてくれた。

 ただ、現状がどれくらい続くか分からない。リモートプレイのサービスとアクトレスアプリの連携が出来た頃にはもう新型感染症の騒動は落ち着いている可能性もあるのだ。

 そこで、紗雪からの説明に移る。


「このリモートプレイでのサービス提供については、期間限定ではなく新型感染症に伴う現在の状況が落ち着いた後も、継続的にサービス提供が出来るようにと考えております。

 そこで、リモートプレイという新サービスのオープンベータテストという形で、当面の間はリモートプレイは無料でお楽しみ頂きたいと思います。

 リモートプレイを体験してみた上で感じた事、良かった点や改善すべき点等を私達へフィードバックを下さるようお願い致します」


 物は言いようだ。

 紗雪が言っている事を要約すると、リモートプレイを開始するけど本格的なサービスとして確立されている訳じゃないから無料で楽しんでね。不具合があったら教えてほしいな。無料だから良いよね! 正式なサービスにする為にみんなで頑張ろうねっ☆

 こういう事である。

 お金を受け渡しするシステムをどうするか、今後検討が必要だ。


 よし、スペックスの現状とこれからを一通り説明する事が出来た。


「指名制度は有効なのか、予約が出来るのか、まだまだ検討の余地はあるのですが、実際にサービス提供をしながら詰めていければと思っております。

 アクトレスの皆様と共により良いサービスを作っていければと思っております。プレイヤーを代表してご協力をお願い申し上げます」


 後は最後の締め、瑠璃からのメッセージだけだ。

 俺と牡丹と紗雪が瑠璃の方へ目線を送る。


「……………………えっ、私!?」


「カットー!」


 また最初からかよ……。



次話は(半分)書き終わってる。


ポイント絶対欲しい系作者なので評価よろしくでーす。

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