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友達の彼女の告白を断ったら、お断り屋にスカウトされました!  作者: なつのさんち


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1つ終わってまた1つ

 映画の撮影も終わり、現在は編集作業に入っているようだ。台本を読み、その通りに演技したつもりだけど、どのような仕上がりの映像になっているのか全く分からない。

 ウケるのか、ウケないのか。多くの観客を動員するのか、しないのか。多くの人に観てもらえても、イコール評判が良いとはならないし、動員数が少なくても観た人の多くが良い作品だと言ってくれれば満足度は高い訳で。


 何が言いたいかというと、観てもらわないと始まらないという事だ。観客がいないと映画を撮る意味なんてない。

 誰かに向けて作られたものは、その誰かに触れられないと意味をなさない。


「あ~あ、撮り終わっちゃったね。久し振りにゆっくり休めるとはいえ、やっぱり淋しい」


「次の映画は私が優希(ゆうき)の妻役。これは決定事項」


 スペックスビル最上階の自宅リビング。俺を真ん中に挟み、右側に夏希(なつき)が、左隣に姫子(ひめ)がソファーに座っている。

 映画の撮影がクランクアップし、打ち上げの後にそのままこの自宅に戻って来て丸二日。夏希はマンションに帰る事なくゆっくりしている。

 本当に休む暇なくずっと撮影だったので、こんなにゆっくりしていて良いんだろうかと焦燥感に駆られる。


「なっちゃんとひめちゃんはいいとして、優希さんはゆっくりしている場合じゃないんですけどね」


 牡丹(ぼたん)が俺達の対面のソファーへと座った。ですよね~。


「映画の撮影と平行して作詞を追加で2曲分。そのレコーディング。ハードなスケジュール、お疲れ様でした。

 ですが、まだ3曲分のMVの撮影が残っているのと、それとは別にハイスペックスのオープン準備とリアル迷宮(ダンジョン)の準備もあります」


 はい、わざわざ言われなくても分かってます。俺もそろそろヤバいだろうとそわそわしてたとこです。


「お2人もいるのでちょうど良いですね。

 なっちゃんとひめちゃんにもリアルダンジョンのイベントに参加してもらうというお話は聞いていると思うけど、役柄を正式に決めてしまわないといけないの」


 お断り屋業界主催の大型イベント、その企画のマネージメントを夏希とひめ、そして俺が所属している芸能事務所の高畑(たかはた)社長にお願いしている。そのマネージメントをお願いする際に、夏希とひめのイベント出演は決定している。


「役柄って、お客様(アクトレス)扮する異世界から召喚された勇者達に、迷宮を攻略するよう依頼する王女って決まってるだろ?」


「えっ、そうでしたっけ?」


 あれ、伝わってなかったっけ? 確か瑠璃(るり)紗雪(さゆき)もいる場で話した気がするんだけど。

 牡丹には俺の考えが正確に伝わっていなかったようなので、改めて説明する事にする。夏希もひめもいるし、ちょうど良いから決め切れていなかった細かい設定も詰めてしまおうか。


「迷宮って言えばファンタジーの世界だろ? ファンタジーと言えば剣と魔法、勇者と魔王。迷宮に魔王がいて、その討伐をする必要がある」


 牡丹と夏希とひめ、3人がふむふむと頷いて聞いている。ここまでは大丈夫なようだ。


「迷宮がある国の王女が異世界から勇者を召喚して、迷宮の攻略を依頼する」


 アクトレス目線で言うと、普通に生活していたアクトレスがある日突然異世界から召喚されて、夏希とひめが演じる王女に魔王を倒してくれと頼まれる訳だ。


「なるほど、日常と非日常を繋ぐ為の装置として、召喚という儀式を用いる訳ですね」


 えっ、いやそこまで深い意味はなかったんだけど。でも3人が納得したような表情をしている手前、そこまで考えてなかったとは言えないので頷いておく。


「となると、国の名前を決めておきましょうか。もう考えてあるんですか?」


 国の名前は考えてある。


refuse(リヒューズ)王国で行こうかなと思ってる。英語でお断りって意味だ。誘いを断る際に使うらしい」


 断るという意味の英単語は他にもあるが、ニュアンス的にリヒューズが良いのでは思っている。というか別に何でもいいんだけど。


「そのリヒューズ王国の王女を結城(ゆうき)エミルさんと橋出(はしいで)姫子(ひめこ)さんにお願いすると。お2人は姉妹という事でいいんでしょうか?」


「そうだな、夏希が第一王女でひめが第二王女って事にしよう」


 見た目的に。


「私は良いけど、ひーちゃんはそれで良い?」


「ん、良い。私の方が若くてピチピチに見える」


 いやそういう意味じゃないが。意図としては合ってるから訂正する必要はないかな。


「そうやねぇ、うちの方が大人の魅力がムンムンしてて、お姉さんって感じやもんねぇ」


 いやそういう意味じゃないが。意図としても合っていないが自分で納得しているようなのであえて訂正する必要はないかな。

 2人ともその認識で良いから俺を挟んで睨み合うの止めてくれない? 本当はすごく仲が良くてその延長線上で俺を取り合って楽しんでるとかホント面倒臭いから止めて?


「え~っと、後は……」


 牡丹も2人の事を全く気にせず話を進めている。誰もツッコまない空間。

 でもまぁいいや、ようやく本業に集中出来るんだ。ゆっくりとしっかりと、自分達で良い物を作り上げようじゃないか。



不定期更新で申し訳ないです。

今後ともよろしくお願い致します。

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