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友達の彼女の告白を断ったら、お断り屋にスカウトされました!  作者: なつのさんち


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突然の代役

後書きに宣伝がございます。よろしくお願い致します。

 ネバエバ製作発表記者会見の際、サプライズで登場した花江(はなえ)さんが宣伝部長を務めると言い出した結果、本当に映画の宣伝活動をしてくれている。

 雑誌やテレビ番組での番宣はもちろん、ラジオ出演までしているらしく、俺以上に忙しい日々を送られている。


 もちろん業界が求めているのはネバエバの番宣ではなく番宣をしている伝説の名女優、天野(あまの)花江(はなえ)の出演そのものである。そして当然映画製作サイドも花江さん自身もそれは重々承知の上。

 映画の宣伝がしたい製作サイド with 花江さんと、花江さん自身に出演してもらいたい業界。お互いの利害が一致しているので花江さんはメディアにバンバン出ている状態だ。その宣伝されている映画はまだ撮ってる途中なんだけど大丈夫なんだろうか。


 そんな花江さんであるが、娘である宮坂(みやさか)三姉妹により教えられた伝説の名女優の真実の姿、超上がり症のせいで日々とんでもない緊張と疲労に苛まれており、ヘロヘロなのだそうだ。俺と花江さんは全く別々の場所でそれぞれの撮影を行っているので、顔を合わせる事がまずない。だから労いの1つも出来ないで申し訳ないなという気持ちだ。

 瑠璃(るり)達にありがとうございます、無理しないで下さい、と伝言をお願いしていたのだが、その次の日にご本人が来て下さった。


「今日は1日優希(ゆうき)君の撮影を見学させてもらいます。宣伝を頑張っているんだからたまにはご褒美があっても良いと思うの」


 いつものシャキッとした着物姿で微笑む花江さん。その程度でご褒美になるのでしたらいくらでもどうぞ。



 という事でいつも通り自宅へ迎えに来てくれた花蓮(かれん)さんと花江さんと3人で現場へ向かう。三姉妹はそれぞれ自分の仕事があるので今回はついて来れない。

 夏希(なつき)姫子(ひめ)は昨夜の撮影が延びに延びて近くのホテルで仮眠を取ったらしい。俺が控え室に入るとすでに2人がブレザーの制服に着替えていた。


「昨日は大変だったのよ。イタコさん役の女優さんが負傷しちゃってさ」


 と話すのは夏希。昨夜の撮影シーンはエミルこと夏希が演じる時恵(ときえ)と、ひめが演じる記代子(きよこ)が、イタコさんと呼ばれる女性と遭遇するシーンで、俺が演じる(わたる)は出て来ないシーンだ。

 時恵が運転する車をイタコさんが乗るオープンカーが追い掛けるというシーンで……、ん? 負傷ってどんな感じで怪我してんだろうか。もしかして、滅茶苦茶大けがしてるんじゃないか?


「イタコさんが張り切り過ぎて、オープンカーから転げ落ちちゃったの」


 ひめも見ていてビックリしたらしい。かなりのオーバーアクションで、腕を振り回すだけのところを腰を使って上半身を振り回していたので、勢いが着き過ぎてしまったそうな。

 夏希が慣れない眼鏡をくいっと上げながら、その時の様子を話す。


「すぐに病院に行ったんだけど、腰を強く打ったらしいから念の為に精密検査が必要なんだって。腰よりも首の方が心配なんだけどね。頭から落ちてたから……」


「なっちゃんと一緒にスタジオで待ってたんだけど、夜中だから担当のお医者さんがいないからって入院になっちゃって、とりあえず撮影は中断になったの」


 あ~、救急の場合はちゃんとした診察を受けられない事も多いらしいからな。明らかな大けがだって分かってたら診断を送らせる事はないだろうし、本当に念の為の入院なのだろう。


「あ~……、みんなお集まりのところ申し訳ないんだけど……」


 大波(おおなみ)監督が控え室にやって来た。非常に困った、と顔に書いてある。


「実は、イタコさん役の椋田(むくた)さんが撮影中に怪我をしてね。精密検査の結果、骨にヒビが入ったみたいなんだ。

 幸いな事にコルセットをすれば日常生活に支障はないそうなんだけど、さすがに撮影に復帰させる事は出来ないと判断した」


 椋田さんが演じるイタコさんと渡が一緒に出るシーンがあるのだが、今日撮影する予定だった為にまだ顔を合わせてすらいない。


「椋田さんのクランクインのシーンだったからね、ちょっと張り切り過ぎたんだろうね……。

 で、急遽代役を探してもらっているところなんだけど」


 だけど、と言いながら大波監督の目が俺の隣に立っている人物で止まった。止まったままちょっと考え込んで、ポケットに手を突っ込んでスマホで電話を掛ける。


「あ、もしもし大波です。昨夜お願いした件でちょっと相談なんですが、天野花江さんってどうですかね?」


 え~、まさかの代役花江さん!? 大波監督が話している相手は高畑(たかはた)社長か? 頷いたり笑ったりと、大波監督はスムーズにやり取りをしているように見える。そしてそのまま通話を終えた。


「花江さん、高畑社長から電話が掛かって来ると思いますので」


 と大波監督が話している途中に、花蓮さんのスマホに着信が。花蓮さんが耳に当てて、すぐに花江さんへとスマホを手渡した。


「もしもし……、ええ、はぁ……。ん~、いやそういう問題じゃなくって……、あ~……」


 などとやり取りをしている間に、花江さんは高畑社長に丸め込まれてしまったようだ。


「と、言う事ですので、ここは1つお願いしますよ!」


 大波監督って臨機応変というか、その場にあるもん使っとけ精神というか……。まぁ花江さんが出るとなると話題性は上がるんだろうけど。

 それほど出番は多くないとはいえ、花江さんのメンタルは大丈夫なんだろうか。



 少しの間、花江さんは台本の読み込みとメイク、衣装合わせなどで控え室に籠もっておられた。


「ホントに花江さんがあれ、やるのかな?」


「止めろ夏希、想像すると本番で吹き出すぞ」


「でもやるからには全力でやりそう」


「止めてひーちゃん! もう吹き出しそう……」


「いやだってイタコさんって30代の女性だぞ? 花江さんにそれが……」


「「ダメ優希、それ以上はダメ」」





「はい本番よーい、アクション!」


 そこには巫女装束に身を包み、オープンカーの助手席から立ち上がって大麻おおぬさを振り回す花江さんの姿が!


「「ぶっ!!」」


「はいカーット! エミルさん姫子さん、あと5秒だけでいいから我慢出来ない?」


いつもありがとうございます。

本編にて映画撮影のお話が出ていますが、やっとこの映画の原作という設定で書いていた新作小説の投稿を開始する事になりました。


「ネバーエンディングバッドエンドを乗り越えろ! ~諦めたらそこで世界は終了です~」


というタイトルで、ジャンルはローファンタジーで、第1話投稿日は4/24(水)を予定しております。

超能力がテーマなのでローファンでの投稿になるのですが、中身は恋愛だと思って頂ければ。

超能力を使ったバリバリのバトルシーンは今の所ございません。

すでに30話近く書いておりますので、当分は毎日投稿の予定です。

何卒ブックマークだけでも、何卒…… m(_ _)m


お断り屋の読者様には渡を優希、時恵を夏希、記代子をひめ、と読み替えて頂く楽しみ方もございますので。

ただ、お断り屋の中の映画進行とは違い、あくまで原作という設定なので、詳細が違う点が多々あります。これはミスではなくわざとです。わざとなのです……。


お断り屋とネバエバ、合わせてお願い致します。


2019/4/24追記

新作公開致しました。このページの少し下にリンクを貼っておりますのでそちらから飛んでブクマして頂ければ!!!

本日22時頃にお断り屋にSSを投稿します。

合わせてよろしくお願い致します。


何卒。


誤字報告適用させて頂きました。

ご報告ありがとうございます!

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