台本その3
先週に引き続き、結衣崎早月様からご提供頂いた台本を元にした台本回の3話目です。
本日は3話目と4話目の同時投稿です。合わせてお読み頂ければ嬉しいです。
台本その3は……、これは紗雪が好きそうなストーリーだな。
紗雪がこの台本で設定要望するなら、台本その3を方向性③の罵倒調で! って感じか。
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台本3『振り回すのは、好きだから』
彼を好きになってしまったあなたは、いつも彼にわがままを言って困らせてしまう。けれど、彼が文句を言いながらも叶えてくれると、許してくれるのは自分を好きだからなんだと思える。
今日もいきなり呼び出したあなたは、彼に荷物をお願いしてショッピングしていた。
「たくさん買っちゃった~ごめんね、〇〇」
「謝るなら少しは持てよ」
「あ、あのカフェで休憩しよ! おごるからさ」
「はぁ、そんなの当たり前だろ?」
荷物が多い彼に席をとってもらい、あなたが注文する。
ほどなく飲み物とケーキが用意されるが、彼の前には飲み物だけ。
「うん、美味しー」
「俺には食いもんないの?」
「え? だって甘い物好きじゃないよね?」
「いつ俺がそんなこと言った?」
「ごめんごめん、次から用意するから」
「次? ふーん」
機嫌悪く飲み物を手に取る彼に、あなたは文句を言う。
「もーケーキくらいで感じ悪いぞー?」
「ハア? お前、自分のこと何様だと思ってんの?」
「何様って、可愛いカノ……」
机を叩く彼。飲み物はこぼれていないが、金属と陶器がぶつかる音にすくみ上がってしまう。
「いつ、俺とお前がつき合ったんだよ! マジ最悪。どうしても困るって言うから先約断ったのに、買い物に引きずり回すわ、おごりも飲み物一杯だけ? 人のこと舐めやがって!」
「そ、そんなつもりじゃ……だって、〇〇が来てくれたのは私が好きだからでしょ? 早く告白してくんないから、私が……」
「そんなに都合良いことばっか、よく妄想できるな。彼女ヅラしやがって! お前みたいなワガママ女、何があってもお断りだね。そういう冗談は性根を洗い直してから言え!」
彼の冷たい視線に、恐怖で上手く言葉が出ない。涙を見せないようにうつむく。
「うっ、うぅ……っ」
「泣けば許されると思ってんの? なんで泣いてんのか知らないけどさ」
ショックを受けたあなたは、顔の半分を両手でおおい、なんとか謝ろうと小さな声を出した。
「ごめんなさ、わたし……」
「ごめんとか要らないから。金輪際呼び出すなよ」
「ひっ、ひどいよぉ! そんなに言わなくたって良いのに……っちょっと待って! この荷物、どうしろって言うの!?」
「『あー清々した。つまらない女のせいで時間ムダにしたわ』」
クーリングタイムに入る。
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台本その3はプレイヤーのセリフでプレイが終了するのか。その時のお客様の反応次第でプレイヤーがアドリブで罵倒しまくるという展開が思い浮かぶ。
もちろんアクトレスは紗雪だが。
「月崎様、この台本その3なのですが、元々罵倒テイストが入っていますよね? さらに方向性③の罵倒調を選択すると、これ以上ない罵倒の嵐!!
あぁ、想像しただけで……」
やっぱり。紗雪が1人恍惚とした表情で天井を見上げている。話し掛けられた月崎さんもさすがに困惑顔だ。どちらかというと月崎さんはシリアス調がお好みなんじゃないだろうか。
しかし、紗雪がいうように元々罵倒調で書かれているこの台本その3。これに方向性②のコント調をチョイスされるときついかも知れない。
プレイヤーはプレイヤーで台本その4までのそれぞれの方向性について事前にイメージを固めておく必要があるな。
もしくは、プレイヤー用の台本をそれぞれの方向性分作成して参考にさせる、とかか。
台本と聞いた際、新人プレイヤーでもプレイを進行させやすいなと思ったが、これはちょっと認識を改めなければならない。決まった物を決まった通りにするのは当たり前、アクトレスにご満足頂く為にはその上を行かなければならない。
プレイヤー用台本については信弥さんや青葉さん、そしてまだ経験の浅い先崎にも話を聞いてみよう。あ、ついでに潤一さんも。
「捨てないで下さいませ旦那様っ! あぁ……」
トリップし過ぎて設定が変わっている奴がいるが、放っておいて台本その4に目を通そう。うん、そうしよう。
あ、月崎さん、お気になさらず。
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