台本その2
良くして下さる先輩作家様、結衣崎早月様からご提供頂いた台本を元にした台本回の2話目です。
1話目を同時投稿しておりますので、未読の方はご確認願います。
台本その2に目を通す。その2については2つのパターンが用意されているようだ。
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台本2『両思い、叶わない恋』男性側に事情があるパターン
出会った時から惹かれあっていたあなたと彼は、何度かデートのようなものを重ねていた。
二人は楽しくお出かけした後、じっくり話ができる場所を求めて、【女性の私室】(屋上、ファミレスなど変更可能)に落ち着く。
「ふぅ~、やっと落ち着いたね」
「遊び過ぎたかもな」
あなたは今日、彼に告白をして、そのまま結ばれるつもりでいた。しかし、彼はいつも親密になり過ぎないように、二人だけの時間を避けているのではないか? と疑問も持っていた。
「ねえ、今度はどこに遊びに行こうか?」
「そうだな~映画、水族館、と来たら動物園とか? あっ、ボウリングも行きたい」
真剣に答えてくれる彼に、やはり二人は同じ気持ちなんだと勇気をもらう。かねてから考えていた、家族との顔合わせを提案してみた。
「いいね~。話し変わるんだけどさ、来年実家を建て直すことになってね。私の部屋の相談とかもあって……その前に、〇〇(呼び方自由)を家族に紹介したいと思ってるんだ」
「……〇〇(呼び方のリクエスト可)、その……言えないでいたけど、実は【 】」
彼の言った内容が、上手くかみ砕けないあなた。うながす相づちを打つ。
「ごめんね、それって、どういうこと?」
「」
「……それなら、わかってたなら、もっと早く言ってくれても……っ!」
最後まで言うことはできない。何故なら、彼の気持ちが本当だということはあなたにも十二分に伝わっていたからだ。
「」
「つい、あなたを責めるようなこと言っちゃったけど、あなたは何も悪くなかったよね。ごめん」
「」
「最後に、ちゃんと言わせて欲しい。〇〇さんが大好きです。本当に……好き、だよ」
「」
中途半端な言葉ではなく、想いを素直に伝えて、正面から断られたあなたは納得していた。
どうしようもない事情というのはあるのだ。他人から見て、諦めるほどではないようなことであっても。
「『今まで幸せな時間をありがとう……絶対、幸せになってね』」
クーリングタイムに入る。
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台本2『両思い、叶わない恋』女性側に事情があるパターン(※アクトレスの希望必須)
彼とあなたは、知り合った瞬間からお互いに惹かれあっていた。だが、自分の事情が理由で、はっきりと名前のある関係にはなれないでいた。
二人はデートの休憩にと、【ファミレス】で窓際の席に座り、ひと息吐いていた。
「さっきの映画さ、ラストじーんとしちゃった」
「うん、俺も思わずウルッときた」
「今度は連休になるのかな? どこか行きたいとこある?」
「あるある」
デートで当たり前に次の話が出てくるが、将来の話はできない……。
二人の何気ない会話を遮って、表を結婚雑誌の宣伝カーが走る。大音量で響く『幸せな結婚』という言葉。
今、なんの話をしていたのかわからなくなってしまったあなたは、気まずく口を開く。
「ごめん、今なんて言ってたっけ?」
「……今の話はやめて、将来の話にする?」
「え……? あ、夕ご飯のこと?」
あなたはこのままではいけない、と感じていたのだが、彼への思いが別れをためらわせている。彼の真剣さをごまかしたくて、軽い調子で聞き返した。
「【 】のこと……どうなった?」
「何も……その話、したくないって」
「」
「結婚できなくても、私たちが良ければって納得してくれたよね? なんで今言うの?」
「」
「……そんな風に言わないで!」
些細な理由かもしれないが、本人たちだけで解決できない問題である以上、ただ時を過ごすのは先送りにすぎない。
「」
「そうだけど……二人で頑張れば、時間はかかるかもしれないけど、良くなると思う。ううん、二人でより良い未来を築こうよ。ね? お願い。私をあなたの奥さんにして……!」
それはあらがえない問題がわかった時、無理だと一度は目を反らしていた未来だった。
一縷の望みをかけて、彼に出会った頃に夢見た関係を求めるあなた。
今、少しは自由になるお金が増えていたがそれだけだ。現実は、二人の思いを冷酷に引き離そうとしていた。
「」
「どうして……? わかるけど、わかりたくない……!」
「」
彼は、あなたを傷つけようとしている訳ではない。その思いを感じとってしまったあなたは、彼を思う気持ちで現実を受け入れた。
「お別れなんだね。ずっとずっと、一緒にいたいだけなのに」
目を閉じて、涙を我慢するあなたに、彼は優しく声をかけた。
「『君に出会えて良かった。君と過ごした時間は忘れない』」
クーリングタイムに入る。
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台本その2は男性側に事情があるパターンと、女性側にあるパターン。どちらにしても女性は男性ともう1歩近い関係を望んでいるが、事情があるせいで男性が難色を示しており、女性から迫られた結果お断りをするという流れだ。
2人の関係をより近付けたいアクトレスと、曖昧なままにしていたプレイヤーという立ち位置でプレイが展開される。原因となる設定を自分で決める事が出来る為、慣れないお客様であってもプレイしやすい内容だと思う。
「月崎さん、最後のアクトレスのセリフのカギカッコ、「 と『 の二重使いになっているのはこのセリフが出たらプレイ終了ですよ、という目印のような扱いですか?」
「仰る通りです。台本ですからこのセリフで終わりなのは見れば分かるのですが、台本を元にしてアドリブで展開される事も想定しています。
ただ、最後にこのセリフを出せばプレイは終了しますよ、というキーワードのような扱いだと捉えてもらえればいいと思います」
なるほど。台本は決して初回1回限りのみ使うものではなく、慣れるまで何度も使える。最後のキーワードだけ覚えておけば、その過程でのアドリブは出ても問題ない訳だ。
よく考えておられる。これが舞台脚本家のお仕事か。
よし、続けて台本その3だ。
次話は台本その3。投稿日は来週の金曜日を予定しております。
結衣崎早月様のマイページはこちら ( https://mypage.syosetu.com/326383/ )
結衣崎様とコラボさせて頂いたお断り屋の短編、アクトレスサイドはこちら ( https://ncode.syosetu.com/n3990eg/ )
プレイヤーサイドはこちら ( http://ncode.syosetu.com/n8849eg/ )




