台本その1
良くして下さる先輩作家様、結衣崎早月様からの台本を提供して頂きました。
本編掲載分の台本は全て結衣崎様による執筆分です。
結衣崎様に変更・改変の許可を頂きまして投稿させて頂きました。
結衣崎様、ありがとうございます。
本日は台本その1とその2を確認する回、次話はその3とその4の確認をする回。
そのまた次話から、実際に台本を読みながら優希と嫁達、そして月崎さんが実際にプレイをする回となります。
紗雪が台本のコピーを終えて戻って来た。ホッチキスで閉じられた台本を1部ずつみんなに手渡して行く。
オリジナルの台本ファイルを月崎さんへお返しする。
「よし、とりあえず目を通して流れを掴もうか」
もしこの台本を新人アクトレス向けとして採用するのであれば、お客様もまず台本の全てのパターンをチェックしてからどれにするかを選ばれるであろう。
まずは台本その1だ。
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台本1 『ずっと前から好きでした。』
二人はこれまで、【 】【 】として長い間変わらない関係を築いていた。
ある日、あなたは彼と女性が仲良く歩いているのを見てしまう。
いつからか彼が好きだったあなたは、大きなショックを受ける。
もし恋人だったら? もし勘違いだったら? 悶々としたあなたは、【公園】(変更可能)に彼を呼び出すことにした。
「ごめんね、わざわざ来てもらって……」
「」
「覚えてる? この【公園】、私たちが初めて出会った場所だったよね」
「」
「……うん。実はね、この前、駅前で〇〇(呼び方自由)とキレイな女性が一緒に歩いているのを見ちゃったんだ。それで……」
「」
しばしの沈黙。あなたはベンチに座り、彼に手振りで隣を示した。(彼は座っても座らなくても良い)
「あの、あのね……私、あなたのことがずっと前から好きでした。もう遅いかもしれないけど、私を……あなたの恋人にしてください!」
「」
あなたはうつむく。彼の言葉を聞きたくない、というように。
彼は改めて口を開いた。
「」
「そうだったんだ……」
あなたはフラれたショックを隠せない。それでも、悔いがないように気持ちのまま彼に最後の言葉を告げる。
「ありがとう」アクトレス側自由に変更可能
「『……次に会った時は、【 】と【 】のままで。さよなら』」
クーリングタイムに入る。
______
アクトレスのセリフは固定で、プレイヤーのセリフが空白になっている。プレイヤーは基本アドリブだがアクトレスのセリフとの齟齬が出ない範囲でプレイを進行させる形か。
台本があれど事前にお互いの関係性と場所を確認しておく必要があるな。これについては通常の設定要望と同じくアクトレスカウンターへ申し出てもらう事になるかな。
とりあえず台本その1のみ目を通して、月崎さんが持ち込んで下さった台本の雰囲気を確認した。周りを見回すと、それぞれ真剣な表情で台本を読み込んでいるようだ。
台本その1は想いを寄せる男性にいつの間にか別な女性の影があり、焦って告白して振られるパターン。振られる理由としてはプレイヤーのアドリブにより、その女性と付き合っているから、その女性の事が好きだから、もしくは全く別な女性の話が出て来る可能性を残してある。
台本だからと毎回同じ内容で断られる訳ではなく、その時のそのプレイヤーの返し方次第で展開や受け取り方が変わるのは面白い。
「あの……」
月崎さんが手を挙げておられる。口頭での説明をして頂けるのだろうか。
「どうぞ」
「えっと、台本その1だけでも目を通して頂けたかと思います。
通常のプレイオーダーと同じく、この台本にプレイヤーとの関係性と好きな場所を書き込んでアクトレスカウンターへ出してもらえれば、その情報を元にプレイヤーとのプレイを楽しめるかと思います」
Aランクアクトレスだけあって、そのあたりの事情もよく理解しておられる。ありがたい事だ。
「ここからは私の提案になるのですが、プレイ後のアクトレスとプレイヤーのやり取りを記入してこの台本を完成させ、アクトレスデビューの記念品としてプレゼントするのはいかがでしょうか。
もちろんプレイオプションとして希望者に配布するのもいいと思います」
なるほど、そういうオプションもありがたいな。アクトレスデビューの記念品。俺達にはなかった発想だ。素敵なデビューを果たせたアクトレス。
スペックスに取って、それはそれはいいお客様になるだろう。
「新人のアクトレスだけでなく、既存のアクトレスにとってもお目当てのプレイヤーとの思い出の台本を作るという新たな楽しみ方が生まれます。
また、どの世界にもコレクターはいるかと思いますので」
コレクションか、台本1つ取っても様々な楽しみ方あるんだな。台本だけでとんでもない収益を生むかも知れない。
収益……。いくら月崎さんがお断り屋、ひいてはスペックスの事を愛していらっしゃるとしても、こんないい商売の種があるのだから、当然あの話になるであろう。
「つきましては、私がご用意した台本を使用してプレイをするという上演権、そして記念品としてプレイ内容をシナリオに落とした物を印刷してお渡しする際の印税。その他諸々の権利関係を明確にしたいのですが」
「分かりました、その件につきましては後ほどじっくりとお話をさせて頂くとして、今は台本の有用性について確認して行きたいのですが、よろしいでしょうか」
「もちろんです。確認がしたかっただけですので」
お断り屋が好き、スペックスが好き。それだけの理由でここに来られたのではなく、月崎さんはあくまでビジネスをしに来られたという事だ。
ただの趣味が高じて、ではなく、実際に自分が仕事としている事を活かして趣味の世界へと持ち込む。生半可な気持ちではないだろう。
こちらも全力で応えなければ……。
とりあえずは、台本その2を確認せねば。
次話を同時に投稿しております。合わせてお読み頂ければ嬉しいです。
結衣崎早月様のマイページはこちら ( https://mypage.syosetu.com/326383/ )
結衣崎様とコラボさせて頂いたお断り屋の短編、アクトレスサイドはこちら ( https://ncode.syosetu.com/n3990eg/ )
プレイヤーサイドはこちら ( http://ncode.syosetu.com/n8849eg/ )




