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友達の彼女の告白を断ったら、お断り屋にスカウトされました!  作者: なつのさんち


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お嬢様と執事シチュ:リクエスト改変 短編の執事(優希)視点

1周年記念SS、リクエストシチュエーション回その2です。


このお話は別で投稿した短編『私専属の執事が元勇者で異世界から来たって何で誰も教えてくれなかったのですか!?』( https://ncode.syosetu.com/n9463ex/ )を再構成した物です。

合わせてお読み頂けると2倍3倍と楽しんで頂けると思いますので、よろしくお願い致します。

 ふぅ、さっきの血の繋がらない兄妹っていうのは何回プレイしても慣れないな。

 鈍感過ぎず、好意を否定せずにどこへ着地させるかによってプレイ後のお客様(アクトレス)の反応が変わるし、そもそもアクトレスが求めておられるのは望みを繋ぐお断りなのか、それともきっぱりと諦められるようなお断りなのかによっても違う。

 大抵の場合、設定(プレイ)要望(オーダー)にお断りの方法を記載してくれているから希望は分かるんが、そこへと持って行くのが難しい。

 もちろんやりがいもあるんだけど。



 さて、次のプレイだ。受付カウンターへと戻った瞬間に俺の名前が入ったカプセルがガシャガシャへ再投入されたらしく、そして万遍なくかき混ぜられた結果、すぐに俺の出番が回って来てしまった。


 そして偶然なのか必然なのか……、引き当てたのはあの人らしい。

 まぁ俺はいつも通りやるだけだ。あの時から一度もプレイで当たった事がないからな。成長したかどうか、しっかりとAランクアクトレスに確認してもらおうじゃないか。


 チリンチリン、俺を呼ぶベルの音が聞こえる。




「お嬢様、お呼びでしょうか?」


 衣装フロアで指定された執事服に着替え、お嬢様の呼ぶベルの音に従ってアクトレスの待つプレイルームへと入る。プレイルームは中世ヨーロッパの貴族が暮らしているような内装になっている。


「サトル、私はあなたにいくつか確認したい事がございます。返答によっては、また私は自らのスカートをたくし上げる所存ですので、心して答えるように」


「……、はっ」


 絨毯の上で(ひざまず)いて、お嬢様の役になり切っているプレちゃんの管理人にして俺の知的顧問(ブレーン)を務める千里(ちさと)さんの声に耳を傾ける。

 ってかスカートをたくし上げる所存ってどんな所存だよ。千里さん扮する子爵令嬢の設定年齢は10歳。

 うわぁ……、あんまり違和感ないわぁ……。


「サトルが、異世界から来たというのは本当ですか?」


 おっと、プレイに集中しなければ。


「サトル」


「本当でございます。私は15年前、王城で行われた異世界召喚の儀式によってこの世界へと召喚された、異世界人でございます」


「では、勇者としてあの伝説の魔王を倒したというのも、本当ですか?」


「ええ、本当でございます」


 下を向いたまま答えている為に千里さんの表情までは見えないが、声を震わせ動揺している演技をしている。

 さすがAランクアクトレス。呑まれないように気を付けねば。


「何故その勇者様が、私のような小娘なんぞの執事をしておられるのですか?

 望みさえすれば、この国の姫を(めと)る事も、領地を治める貴族になる事も出来たでしょうに」


「恐れながら、私は姫君も爵位も望んではおりませんでした」


「では、サトルは何を望んだのですか?」


「お嬢様、私は華々しい生活や重い責任を負うような立場を望みません。

 このようなのどかで、気候的にも落ち着いており過ごしやすい場所で静かに暮らしたかったのです」



 プレイオーダーを読む限り、現代日本からこの剣と魔法の世界へと召喚された(サトル)が、勇者となって魔王を倒した後の世界だという事が分かる。

 そして、召喚されたこの世界は、元勇者であるサトルが好きだったゲームの世界であり、詳しくは書かれていなかったものの、恐らく通常のゲーム進行途中でこのお嬢様の身に何らかの不幸が振りかかる予定だったのをサトルが食い止めたのだろう。

 そして、サトルが好きだったこのロリ令嬢の側に仕える事でお守りして来たのだろう。



「のどかで静かなのは認めますが、この地は盆地になっており、平野であるカイスリア辺境伯領に比べて暑く、湿気が籠ります。

 夏と冬で寒暖の差が大きく気候的に落ち着いているとはとても言えないはずですわ」


「私が元いた世界、元いた国の地方よりは、寒暖の差を含めても落ち着いていると言えます」


「それでも、ですわ。どの国どの地方でも選べた元勇者であるサトルは、あえて選んでこの地に来た。

 それは認めますか?」


「ええ、認めます」


 ここで少し千里さんが間を置く。ここからがお嬢様が本当にサトルへと確認したい事を問い掛けるのであろう。


「この地を選んでクルール子爵家に仕える事に決めた一番の理由は、その年に生まれた赤ん坊がいたから。

 違いますか?」


 プレイオーダー上は違わないんだけれど、ここですんなり「実はそうなんですよ」なんて話し出すと緊迫感も何もなくなってしまう。

 あえて言葉に詰まったように間を取って、あくまでアクトレス主導で話が進むように配慮しなければならない。


 俺は無言をもってお嬢様への返答とする。さぁ、千里さんはどのように話を進める? ゲーム世界へと転移した為に世界の運命を知っているサトル。そのサトルに何を問い掛ける?



「サトル、覚悟は出来ました。さぁ、ひと思いに殺して下さい」



 ギュッと目を(つむ)り、両手でドレスを握り締めている千里さん。肩に力が入っている為に、スカートが少し上がっている。

 ロリの生脚を見上げているような背徳感……。


 おっと、違う違う。集中集中。

 お嬢様が何を言っているのか分からないのであれば、分からないと言えばいいんだ。




「恐れながらお嬢様、サトルにはお嬢様のお考えが分かりかねます。申し訳ございませんが、ご説明頂けないでしょうか?」


 あんぐりと口を開け、俺の顔を見る千里さん。いやいや、そんな顔されてもあなた以上に俺の方が状況分かってないからね?

 プレイ内容に着いて行くのがやっとだわ。これどういうお断りをすれば終わりになるんだろう……。


「私が魔王の生まれ変わりだから、わざわざ元勇者であるサトルが専属の執事として見張っているのではないのですか?

 もし魔王としての力が復活し、私がこの世に再び害をなす存在になってしまった時、すぐに殺せるようにと……」


「違います!

 ……、失礼致しました。思わず大きな声を出してしまいました。申し訳ございません」


 なるほど! っと思った為についつい声が大きくなってしまった。そんな詳しい設定を用意しているんなら、それも合わせてプレイオーダーに載せておいてほしかった……。


「お嬢様、確かにお嬢様の仰る通り私は元勇者であり、そして異世界より召喚された異世界人でございます。

 しかし、お嬢様がお考えのような事はございません。魔王は生まれ変わりなどしませんし、復活もしません。

 私がこの地でお嬢様専属の執事を仰せつかっている事と、魔王の事、何の因果もございません。ご安心下さいませ」


 察するに、こんな感じの事を言えばお嬢様は安心するんじゃないだろうか。千里さんの顔が不安そうな泣き顔から、安心したような表情へと変わった。

 そして、一瞬覚悟を決めたような表情へと変わり、そしてお嬢様然とした表情へと戻って俺に命令した。


「サトル、立ち上がって、私の事を抱き締めなさい」


 千里さんが再び目をきゅっと瞑り、少し顎を上げて待機している。両手でスカートを握り締めたままなので、先ほどよりもスカートの裾が膝までたくし上げられている。

 俺は未だ絨毯の上に跪いたままなので、千里さんのリボン付きおパンツが見えてしまっている。

 そんな所まで合法ロリで統一する必要ないんじゃない?


 とりあえず、お断り出来るように方向を少しずつ変えて行かないと。



「なりません、お嬢様」


 下を向き、少し困ったような声でお嬢様へ訴える。自分とお嬢様はあくまで主従の関係、抱き締めるなどもっての他であると。


「サトル」


「はっ」


「常々申し上げておりました。私が勇者様の事をどう思っているか、覚えておいでですか?」


 覚えているどころか聞いた事ないよ……。だからちゃんとプレイオーダーにさぁ……。


「……、はい。とても素敵だと……」


「いつも教えてくれていたあの言葉は、サトルの元いた世界で使われている言葉なのですわね?

 私も覚えました。とても素敵だと思った時は、サトルの世界では『ちょーかっこいー』と言うのでしたね?」


「ぐっ……、はい」


 言葉が違う設定なのか。

 それにしてもサトルってちょっと頭弱くないか……?


「そして、私はこうも言いました。

 もしも勇者様のお目に掛かる事が出来るのであれば、全てを捨ててでも着いて行くと。サトルは言いました。その際は私もお供致しますと。

 あら? 元勇者であるサトルに私が着いて行く際は、サトルが私のお供として着いて来てくれるのですか? そしてそのサトルの後ろに私が着いて行き、またその後ろを私のお供であるサトルが着いて行く……。

 あぁ、私こんがらがってしまいました」


「…………」


 何を言っているんだこの人は。

 とりあえず千里さん扮するお嬢様は、サトルがお嬢様を守る為に子爵家に赴いてお嬢様専属の執事になった事に気付いたんだろう。

 で、守る理由としては、サトルがお嬢様に特別な想いを抱いているから、と。


 あれ? これってお断り要素なくね……?



「さぁサトル、私にみなまで言わせるおつもりですか?」


 千里さんは目は瞑ったまま握っていたスカートの裾を離し、俺に向けて両手を広げて待っている。

 しかしお嬢様は10歳であり、執事であり異世界転移して来た勇者でもあるサトルは恐らく20代半ば。

 ここは年齢差を全面に押し出して、もっと大きくなってから改めて考えて欲しいという流れを作るべきか。


「サトル」


「恐れながらお嬢様、私の元いた世界では『いえすろりー……」


「『いえ~~~~~~い!!!』」


 ええっ!? 千里さんが奇声を発しながら俺の胸へと飛び込んで来た。さすがにそんな事を予想している訳もなく、俺は態勢を崩して絨毯の上に仰向けに倒れ込んでしまった。

 どさくさに紛れてか、俺の胸に顔を擦り付け、両手を背中へと回し、あろう事か両膝で俺の腰を挟み込んで来た千里さん。

 10歳の子爵令嬢がこんな事するぅ!?


「サトル、私は勇者様の物となる事を決めました。サトルが主として仕える私は、勇者様の物になるのです。私の物であるサトルは勇者様でした。

 すなわち、私はサトルの物。サトルは私の物。…………、違いますか?」



「お嬢様、誠に申し訳ございませんが、ここ最近でまた新たな魔王の気配が致します。例えお嬢様の物である私であっても、魔王を放置して現を抜かす事など出来ないのです。

 私は再び旅に出ます。いつ帰る事が出来るかは分かりませんが、もし再び生きてお会い出来るその時は、どうか……」


「なりません! あなたは私の物です!! 絶対に魔王の所などへ行かせません。

 あぁサトル、私のサトル、私だけのサトル!!」



 アカン、これ収集付かんヤツや。今の所で分かりましたって言ってくれんとプレイが終わらん。最低限のマナーも忘れるほどに千里さんが設定にのめり込んでしもぉてはる……。


「はぁ、もうえーって、千里さんもうえーって……」



ツイッターにて頂いたリクエストは以下の通りです。


・お嬢様と執事

・執事の部屋

・押しかけて来たお嬢様を身分の差を理由にお断り。尚食い下がるお嬢様にお嬢様の婚約者を理由にお断り。


見事にリクエストを無視した上で自分の既存作を改変してやっつけで書き上げた内容となっております。

申し訳ございません。

合法ロリである千里さんのプレイ回を書く事を優先し、このような結果となってしまいました。

お楽しみ頂けましたでしょうか?


さて、後何話書けるのやら……。



見返したらこれ本当にお断り出来てないヤツですね。

どうしたなつの!?

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