血の繋がらない兄妹シチュ:リクエスト
1周年記念SS、リクエストシチュエーション回その1です。
プレイに入り込んだ優希の視点でお送り致します。
コンコンコンッ、ノックをして返事を待つ。
我が家は他の家庭よりもプライバシーに気を遣っている。それは……。
「どうぞ」
返事を受けて、義妹の部屋へと入る。
そう、我が家は再婚家庭。義兄である俺は親父の連れ子、義妹であるかなは義母の連れ子。血の繋がりのない年頃の女性と一緒に暮らしているのだから、プライバシーに配慮するのは家庭円満の秘訣である。
ガチャッ、かなの部屋へと入る。夕食の時に、かなから相談があるからお風呂から上がったら部屋に来てくれと頼まれていたのだ。
かなはパジャマ姿でベッドの上にちょこんと座っている。今までドライヤーで乾かしていたのであろう、部屋中がシャンプーのいい香りに包まれていて、頭がクラクラするのを感じる。
俺達が一緒に暮らすようになってから2年が経った。当時、俺は中学3年生でかなは中学1年生だった。
お互い思春期で、上手く距離感を保つのが難しい年頃だった訳だけれど、その間に立ってくれた義母のお陰で今は仲の良い家族になれた。
こうして相談を受ける程度には、兄として信頼を得ているのだろう。
ダメだ、かなを女性として意識してはいけない。今までの信頼関係が崩れるような事は絶対に……。
「おにーちゃん、おっぱいを揉んでほしいの……」
兄としての信頼を……、あれ? これって男として疑われている? ここで喜んで胸を揉みしだけば、やっぱりそんな目で私を見てたのね! って言われて家を追い出されるパターンじゃないだろか。
「ごめんなさい、突然こんな事言われても困るよねっ……。
私、胸が小さい事で悩んでて、男の人にその、揉んでもらえば、大きくなるって友達から聞いて……」
あ~、かなよ。兄として、かなの頭が心配だ。
確かにかなは、パジャマ姿でも胸の膨らみはほとんど見えず、恐らくブラジャーをしてないにしてもボリューム感が足りていない。
だからといって、義理とはいえ兄である俺にそんな事を頼むだろうか?
いや、そもそも男に揉んでもらえば大きくなるなんて、そんな(男にとって)都合の良い話ある訳がないじゃないか。
「かな、そんなのは迷信だ。男に揉まれて胸が大きくなるんなら、世の女性はみんな爆乳になっているはずだろう?
男はみんなおっぱい大好きだ。揉めと言われれば時間を忘れるくらい揉み続けるだろう。
でもどうだ? 世の女性はみんな爆乳か? 違うよな?
つまりそういう事だ」
よし、完全論破だ。これでかなも諦めるだろう。男は胸が大好きだが、大きい小さいの好みは人それぞれ。好きになった相手がどんな胸が好みかなんて、それこそその時になってみないと分からないだろう。
「おにいちゃんは、大きい胸の方が好き?」
「ん? いや、そうでもないぞ。大きくても小さくても、どっちでも好きだ」
まぁ揉んだ事なんてないがな! ハッハッハッ……。
悲しい気持ちになっていると、かなが突っ立ったままだった俺の手を引いて、ベッドへと座らせた。そして俺の胡座の上に座り、背中を俺の胸にくっつけて来た。
ダメだ、意識するな。薄いパジャマ越しに感じる小さなお尻を意識してはならない。
ダイレクトに来る髪の毛の匂いを嗅いではならない。口で息をするんだ!
はぁ……、はぁ……、ってこれでは逆に変態っぽさが増す!!
「かな、これは一体どういう事かね?」
緊張のあまり理数系が得意そうな口調になってしまった。俺は文系だ。
「ふふっ、おにいちゃんの心臓がバクバク言ってるのが分かるよ」
笑ってんじゃねぇよ! 俺は毎日毎日お前を女だと意識しないようにしてるんだ、それを何だこの仕打ちは!?
同じ屋根の下にこんな可愛い女の子がいるんだぞ、手を出さないように必死で抑え付けてるんだ。
それをお前は自分から近付いて来たんだ、覚悟は出来てるんだろうな!!?
「ほら、おにいちゃん。私は胸を揉んでほしい。おにいちゃんは胸を揉みたい。利害が一致したよ?」
したよ? じゃないだろうが!! あぁぁぁぁ、理性がヤバイ……。いやいやいや、駄目、ダメ、だめ。
「確かに言った! 男はみんなおっぱい大好きだって言った!!
でもな、かな。時と場合と相手によるんだよ! 俺はお前と家族として仲良くして行きたいと思ってる。家族4人で、ギクシャクしたくないんだ」
「さっきの、男の人に揉まれたら大きくなるって話なんだけどさ」
おい、俺の話聞いてるか? これ以上この体勢のままだとさすがに……、こら! お尻をふりふりしないでお願いだから!!
「男の人なら誰でもいい訳じゃないらしいんだ。その……、好きな男の人に、揉まれると大きくなるんだって……」
……、かな。
「私だって、家族4人で仲良くして行きたいよ? でも、好きなんだもん。おにいちゃんの事、初めて会った時から、好きなんだもん……。
勇気出してみたんだよ? ……、ダメ?」
ダメなもんか! 俺だって、俺だってかなの事が好きだ……。でも、ダメなんだよ。
親父も義母さんも、ずっとずっと1人で頑張って来て、やっと結婚出来たんだ。それを、俺達のせいで壊したくないじゃないか……。
「おにいちゃん……?」
その不安そうな、今にも泣きそうなかなの声を聞いて、思わず後ろから抱き締めてしまった。
「かな、俺もかなの事が……。
でもな、今はダメだ。親父も義母さんも含めて、今は仲の良い4人家族でいよう。
それでな、俺が学校を卒業して、かなも卒業して、独り立ち出来るようになったらさ、改めて考えよう。自分の力でかなを幸せに出来るようになってからじゃないと、ダメなんだ」
後ろから抱き締めている為、かなの顔は見えない。でも、抱き締める俺の腕をギュッと握るその手は、小さいけどしっかりと力が籠められていた。
「分かった。おにいちゃん、大好き……」
「うん、俺もかなの事、大好きだよ」
今は、妹として……。
でも、いずれは……。
「もう少し、仲の良い兄妹でいような?」
「うんっ!!」
ツイッターにて頂いたリクエストは以下の通りです。
・血の繋がりのない妹
・妹の自室
・ギリギリを攻める感じの甘々展開に流されながら、最後に理性でひっくり返す
理性でひっくり返す、の部分が物理的にひっくり返すなのかどうか迷い、別サイトに投稿すべきリクエストかどうか迷いましたが、このような結果になりました。
お楽しみ頂けましたでしょうか?




