映画制作サイドとの初顔合わせ
電子書籍化のお知らせ
本作品、友達の彼女の告白を断ったら、お断り屋にスカウトされました! がアマゾナイトノベルズというレーベルにて電子書籍化される事となりました。
公開予定日は以下の通りです。
7/27(金)第1話配信
8/10(金)第2話配信
8/24(金)第3話配信
9/7(金)第4話配信(完結)
配信サイト等の詳しい内容については別途、活動報告等にてお知らせさせて頂きたいと思います。
皆様のポチッとな! をよろしくお願い致します!!!
御祝儀(評価ポイント・感想・レビュー・SNSでの拡散等)も頂ければ嬉しいです!!!!!
某スタジオにある会議室。テレビや映画を撮影するスタジオ。
という事で、俺はついにと言うか、何と言うか、夏希とのW主演映画撮影への一歩を踏み出してしまった。
「僕はね、予算とスケジュールさえ貰えれば何でも撮るんだよ」
撮るらしい。
俺でもこの人の名前は知ってる。年に2・3本映画を撮影し、たまに原作ファンから殺害予告を受ける事でも有名な監督さんだ。
最近のマンガやラノベ原作の映画化作品を見ていないから分からないが、ちょっとネット環境があればこの監督さんに対する賛否両論が読めるだろう。
「今回の原作もね、まぁ何度か読んだけどいいのが撮れると思うよ。脚本家も自信持ってるしね。
何たって結城エミルちゃんの初主演作品だからね。台本だけが良くてもダメ、演技だけが良くてもダメ、CGや音楽だけが良くてもダメだからさ~」
うんうんと花蓮さんは頷いているけど、それって当たり前の事をもっともらしく言ってるだけだよな?
俺が高畑社長へリアル迷宮のイベント企画マネージメントをお願いした後、社長はすぐに諸々の手配を掛けて下さった。
複数のイベント開催候補地から近くの宿泊施設のリストアップ、協賛してくれそうな企業への内々の打診などなど、こちらの準備が出来切っていないにも関わらずバババッと一気に始まってしまった。
それに慌てたのが瑠璃だ。賢一さんに協力を依頼して、宮坂グループ内で協賛してくれそうな企業への顔出しやイベント候補地の視察その他、バタバタとした準備開始となってしまった。
俺が言い出した企画もあるとはいえ、現在俺は3つも同時進行で話を進めている。
1つ目は今現在初の顔合わせをしている主演映画の件。メインの担当は牡丹。
2つ目は瑠璃がメインの担当として奮闘してくれているリアルダンジョン。
3つ目はスペックス所属プレイヤーによる、ハイプレイヤー総選挙へ向けての準備。メイン担当は紗雪だ。
3つ目の先にハイスペックスのオープンが待ち受けている。
あ、これ無理っしょ。
ってか一番最初にキリが付くのってどれ? 映画? それとも総選挙? 映画の撮影しながらのプレイヤー業って絶対無理あるからね?
と混乱している所へ、高畑社長が娘さんである花蓮さんを寄越した。
「紗丹さん、映画の監督を務められる大波監督が一度お会いしたいと仰ってますので、いつ行けます?
今日? 明日?」
混乱するままに明日なら……、と答えたらハイ今この状況です。
某スタジオの大きな会議室。俺とエミルこと夏希、付き添いで花蓮さんと牡丹。そして是非とも着いて行くと姫子も来た。その他撮影クルーの責任者さんが5名。
後は高畑芸能プロダクションのスタッフがお茶だお茶請けだと用意してくれている。
あ、それと部屋の隅っこの方にエミルのチーフマネージャーの石田さん。
「私も台本を読む前にこの原作を読みました。突然降って沸いたように超能力に目覚めて、でも何となく使い方が分かってる。
それでもって世界を救う為に試行錯誤して仲間と協力したり、離れ離れになってしまったりと続きが気になって、最後まで一気に読みました」
夏希はこの原作はすごく面白いと言っていた。W主演とは言っているが、俺が台本を読んだ限りは主演は結城エミルだけだ。
多分この大波監督か制作委員会って人達が、ポカルのCMのコンビがW主演だぞって印象操作した方が動員数が増えるんじゃね? 的な大人の事情でそう言っているだけだと思ってる。
「紗丹ちゃんはどう? 読んだ?」
紗丹ちゃん……? 業界っぽい呼び方なんだな。
「僕は台本を読んで初めてこの作品を知りました。ですから原作の世界観とかは分かりません。あくまで脚本内のセリフやト書きからの想像しかありません。
ストーリーは好きですけど、ハッピーエンドなのかなぁというモヤモヤがありますね。映画を観終わったお客様がどんな気持ちで映画館を出て行くのかなと気になります」
「へぇ、紗丹ちゃんは俳優というより監督寄りの考え方をするね。
どう? 監督補佐とかしてみる?」
「いえいえいえ! 僕には無理ですから!!」
「そう? 結構いい線行くかもよ?」
全力でお断りさせて頂きます! これ以上やる事が増えたらパンクする。いやもうパンクしてるかも知れんけど。
「台本を読んだだけではどういう映画が出来るのかって、実は全く分かんないんだよ。だって映像じゃないんだからさ。映像の端々に物語のキーになるアイテムなりシンボルを散りばめて、語らない物を見せる事によって映像として導いて行く。
だから演者だけがストーリーを進めて行く訳じゃないの」
なるほど、そういう視点はなかったなぁ。って事は俺は監督に向いているタイプじゃないって事じゃないの?
で、さっきから熱心にメモしてるけど、牡丹さんどうしたんですか? いずれ俺が監督デビューする時用にとか、思ってないよね? ね?
「音楽や効果音もそうだし、もちろんCGも大事だね。その全てを完成させた後に、この脚本のラストのモヤモヤがどうなるか……。
まぁ観てみないと分からないか」
ハッハッハッと大笑いしてるけど、そんなに面白い事言ったか?
「ちなみに紗丹ちゃんはどう思う? 記憶の連続性がなくなると、自己同一性は否定されると思うかい?
それとも、同じ人格が同じ経験をしたか、していないかの違いで、それは全くの同一人物だと思えるかい?」
それだ、モヤモヤするのはそれなんだ。世界がループする話はいくらでもあるけど、大事なのは記憶が継続される事。その記憶をどう扱うかによって……。
「私は例え記憶がなくなったとしても、また優希と巡り合えると信じてる」
いやいやひめさんや、そういうお話じゃなくってさ。
「まぁ私の場合は万が一最近の記憶がなくなったとしても、生まれた時から一緒にいるゆーちゃんの事を忘れるはずないけどね~」
張り合うな夏希。そしてこの場ではエミルとしてちゃんとしてほしい。
「ふぅ~ん、2人が取り合ってる状況ね。でもひめちゃんはちょ~っと心の内に秘めようか。
話の流れ上、諦めないとダメだけど諦め切れないって雰囲気を出してほしいね~」
監督、役作りの一環か何かだと勘違いして細かい演技指導を始める。え? 今のそんな受け取り方出来るんですか?
その他現場責任者さん達が口ぐちに監督や俺達に意見や感想を伝えてくれる。
うん、何か制作サイドとして一丸となって映画作りしようぜっ! みたいになってるけどまだクランクインすらしてないからね!?
ん~で牡丹、そんなウズウズすんな! 無理にこの輪に入る必要ないから!!
その後あれやこれやと監督が、脚本家が、メイクさんがと色々な人からこうしてああしてと指示を受けてはちょっとしたシチュエーションプレイみたいな事を続けていた。
そのお蔭で俺と夏希とひめとの変な三角関係プレイも流れたし良かった良かった。終始和やかな雰囲気で監督との顔合わせは終わり、今日の所はこの辺りでお開きとなった。
本当はみんなで食事でも、と思っていたそうだが、エミルのスケジュールがそれを許さなかった。ついでに俺の予定も詰まっている訳ではないがやる事はいっぱいある。
「ちょっとエミル、あの場で紗丹君の事をゆーちゃんって呼ぶのはダメよ。いくら関係者しかいないからって」
あ、石田さんいたんだ。挨拶もそこそこに夏希の手をグッと繋いで早足で去って行った。いくら夏希が抗議の声を上げても聞き入れられず。
まぁ人気女優だから仕方ないな。首だけこちらに向けている夏希に手を振っておく。
「これで2人きりになれたわ、お茶でもしに行きましょう」
そう言ってひめが腕を絡めて来るが、牡丹がそれを良しとしない。
「ひめちゃんゴメンね、優希さんこれから総選挙の準備があるから急がないと」
「ほほう、総選挙。気になるパワーワードですねっ!!」
あぁ、この人がいたんだった。事務所としてひめに正式なマネージャーがいないので、現状花蓮さんがひめのマネージャーとしても映画制作サイドとのやり取りをしている。
「リアルダンジョンだけでなく総選挙なる企画も進行中と! これはまだプレちゃんにも出ていないスクープじゃないですか!?
いつです? いつその総選挙とやらをするんです?」
花蓮さんグイグイ来ないで下さい、あなたの後ろにあの胡散臭い高畑社長の影を感じるので近付かないで下さい!
はぁ、本当にこんな感じで総選挙も映画もリアルダンジョンもと上手く進めて行く事が出来るんだろうか……。
現在私のファンティアのページにて、優希と夏希がW主演する予定の映画原作(という設定)の小説、
『ネバーエンディングバッドエンドを乗り越えろ!』の準備稿を公開中です。
3話までは登録全くせずに読んで頂けます。(URL: https://fantia.jp/posts/64403 )
同じく新作準備稿を別の投稿として公開しておりますので、こちらも登録の必要なく3話まで公開中です。
モニタークラブへ入会(完全無料)して頂ければどちらも続きが読めますので、この機会に入会して頂ければうれしいです。
どちらかを新規連載としてなろうで公開して行ければと思っております。ご意見ご感想ございましたら合わせてよろしくお願い致します。
もちろん電子書籍版お断り屋もよろしくお願い致します!!!
誤字訂正致しました。




