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友達の彼女の告白を断ったら、お断り屋にスカウトされました!  作者: なつのさんち


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新人ドクターと先輩ナースシチュ

シチュエーション回です。

「新人にはとても厳しいからね、あの人。私も入ったばかりの頃はよく怒られたわ。慣れてくると面倒見のいい人なんだけどね」


 病院内の休憩スペース。新人ドクターと、ニコニコと笑顔を浮かべるナース。丸いテーブルを挟んで対面に座っている。


「毎日あれしろこれしろって指示受けてさ、バタバタしてたらやらなきゃいけない事の1つや2つ忘れちゃうって。それも、患者さんに直接関わらないような事務作業だとなおさらよ。

 ま、慣れればそれでも出来るようになるんだから、今は一番に気を付けない事に集中してればいいと思うよ。私も出来るだけ声掛けるようにするからさ」


 はぁ……、とため息をついてドクターがテーブルにあるスポーツ飲ポカル料に手を伸ばし、グビリと飲み込む。


「それのCM知ってる? 幼馴染が街中で再会してさ、抱き合うの! で、1本のポカルを2人で分け合うの。

 いいわよね~、あんな恋してみたいなぁ」


 ドクターは曖昧に返事をし、ポカルをテーブルへ置き直す。と、すかさずナースがそのポカルを手に取り、CMのセリフを話す。


「会って話したい事一杯あったけど、とりあえずコレ飲んで落ち着こうぜ」

「うん♪」


 1人2役して、ナースがポカルに口を付ける。その様子を何も言えずに見つめるドクター。


「ちょっと、何か言ってよ。ツッコんでくれないから飲んじゃったよ?」


「差し上げますよ」


 そう? とさらにゴクゴクとポカルを飲むナース。その様子を見つめるドクターの表情には気付かない。


「ねぇ、勤務終わった後カラオケ行かない? 私もストレス溜まってるしさ、一緒に発散しようよ」


「いえ、今日は残って書類作ったりしないとダメなので」


「そうなの? じゃあちゃちゃっと終わらしてさ」


 ドクターが椅子にもたれ、脚を組み背伸びをする。


「いや、無理っスね」


 え~っ、とナースは拗ねたような表情。テーブルに両手を着き、頬杖をついて上目遣いで続ける。


「そういうのよくないよ? ドクターとナースで立場は違うとはいえ、私の方が先輩だし年上よ?

 そういうところが師長も目に付いたりするんじゃなぁい?」


 ね? と小首を傾げて笑い掛ける。と同時に浴びせられるドクターからの舌打ち。


「嫌だって言ってんスよ。だいたいさっきの師長から注意も、元々はあんたの連絡ミスが原因でしょ?

 あえて俺が言わなかっただけで本当なら怒られるべきなのはあんたなんスよ、分かってます?」


「ひど~い、そんな事言うの? 私は楽しくデートしましょってお誘いしてるだけなのに!」


 ポカルを握り締めてナースが抗議する。ぶりっ子のように頬を膨らませ、「私怒ってるのよ? ぷんぷん」とアピールするかのよう。

 ドクターはその表情を見て、さらに怒りを露わにする。


「何回断ったら分かるんスか? 俺彼女いるって言ってるじゃないっスか。こういう言い方するの好きじゃないっスけど、医者なら誰でもいいんでしょ?」


 ダンッ! と机を叩いてナースが立ち上がり、ドクターに歩み寄る。ドクターに後ろから抱き着き、耳元で囁く。


「そんな事言わないでさぁ、1回くらい付き合ってよ。1回だけでいいのよ?

 それだけで私の良さ、分かってもらえると思うんだけどなぁ」


「止めろ、セクハラで訴えるぞ」


「止めない。ほら、聞こえる? 心臓があなたを求めてる音、感じる?」


 ブッ! と噴き出してドクターが立ち上がる。


「何だそのダサいセリフ! それに何枚パット入れてんだよ。見得張り過ぎ、そんなんに騙されるのはモテない童貞だけだって。止めといた方がいいよ?

 同期の間でも噂になってるし。1回寝たら絶対妊娠したって詰め寄って来るパターンだって言われてんの、知らないの?」


「いいじゃない! 医者と結婚して玉の輿に乗る為にこんなダルい仕事してんのよ、あのババアのうっさい説教もヘラヘラ聞き流してんのよ!

 早くこんな仕事辞めたいし家でダラダラしてたいの! 結婚してよ!!」


「誰がするか! 俺らは患者の為に医者になったんスよ、あんたみたいなグータラ主婦になりたいって顔に書いてあるようなナースは大っ嫌いなんだよ!

 辞めちまえ。あんたがやらかしたミスの数々、逐一事故防止委員会に報告してるからな。あんたから事故報告書が回って来ないから、ぼちぼち呼び出し掛かるだろうから覚悟しとけ!!」


 足を踏み鳴らしてその場を去ろうとするドクター。しかしナースはその肩を掴み、壁へと押し付ける。そして、強引にキスをしようと迫るが……。


「そこまでです、花蓮(かれん)さん。その設定(オーダー)は聞いていません」


「えへへぇ、ダメですか? ちょっとチュッてするだけですよ?」


「ダメですよ、アクトレスランク剥奪されたいですか?」



 はぁ、疲れた。昨日の今日でよくフリーマッチングで俺を引き当てられたもんだ。


「お疲れ様です、紗丹さたんさん。いやぁ~、キツい事言われるたびにキュンと来るから止められないんですよね~」


 そうですか、もっと当たり障りない断り方をすれば良かったと反省します。


「壁ドンどうでした? ときめきましたか?」


「いえ、あれでときめいてたらこの仕事は出来ないもんで」


 だいたいそのナース服ピチピチ過ぎるだろ。スカート丈もワザと短くしているし。


「それにしても何でパットいっぱい入れてるって分かったんですかぁ~?」


 昨日見えたからですよ。ニヤニヤと父親そっくりの笑顔で尋ねて来るその顔、ホント止めて下さい。


「もうお帰りでよろしいですか?」


「え~、何で敬語なんですか~? 昨日はため口で喋ってくれてたのにぃ」


「僕より3つも年上でしょ?」


「あら、バレちゃいましたぁ? それよりこのあとカラオケ行きません?」


「行きませんよ! この後予約入ってるんです」


「そうなんですか? じゃあちゃちゃっと終わらせて~」


「もう帰れよ!」



お読み頂きましてありがとうございます。

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