メイド達に見られつつ堂々と浮気シチュ、そして……:プライベートプレイ
前話の続きです。
「美代が一緒だったら何か問題でもあるのか?」
「い、いえ……、決してそのような意味ではございません」
「じゃあどういう意味なんだ? 俺がここに来るのを知っていて、わざわざ先回りしていたわけだろ? どういうつもりでここにいる?」
あえてしつこく追及してみると、可愛い顔をくしゃっと歪ませならが、何度も頭を下げる紗雪。
みみは少し戸惑い、間に入るべきか迷っている様子だが、何の心配もない。ただ美少女メイドとしての紗雪を喜ばせているだけだ。
そしてもう1人、俺達が玄関でごちゃごちゃしているのを気にしてか、トコトコと様子を見に来たもう1人の美少女メイド、姫子。
「何だ、姫子も来ていたのか」
「お帰りなさいませ、旦那様」
紗雪と同じく丁寧なお辞儀をし、再び背筋をピンと伸ばす姫子。もちろん靴が2足ある時点でひめが来ている事は把握していた。
その上で紗雪にプレイを仕掛けてみると、案の定乗って来たのでそのまま続行する。さて、姫子はアクトレスとしてどのようなプレイをするのだろうか。
「ただいま」
そう言って、用意されたスリッパを履いてみみを部屋へと上げる。さりげなく腰に手をやり、必要以上に密着させて見せる。
みみもAランクアクトレス、俺のやろうと思っている事を把握した上でプレイに参加する。
「お邪魔しますね、本当にお邪魔だったかしら……」
「いえ、そのような事はございません。何なりとお申し付け下さいませ」
狭いアパートに2人もメイドがいる点がかなり不自然だが、この際関係あるまい。
座布団に座り、とりあえず今日の報告を聞く事にする。テーブルに書類を広げ、それを元にみみが報告を始める。
「まずDesireについてですが、デリバリープレイを主として展開している店になります。その分規模は小さく、売り上げはそれなりですがリピーター率が高いですね。
ただ、自宅やホテルなど密室でのプレイが多く、ボディータッチや被ボディータッチ、そしてそれ以上の事に対する報告がネット上に溢れております。
警察関係者も注目しているそうですので、お断り屋協会としては要注意先だと思われます」
みみの情報収集・分析能力は本物だ。疑う訳ではないが、以前探偵事務所を通じて追加調査を行ったが結果はみみの報告と全く同じだった。
今のキャラは美少女メイドだが、関係者として紗雪も耳を傾けているのが分かる。これだけの報告でみみの有用性が伝わっているはずだ。
「なるほど、協会としてはダンジョンイベントの公表前に手を打っておきたい案件だな。近々協会の方で検討する必要があるな。
紗雪、手配を頼めるか」
「畏まりました」
俺の膝の上に座るみみ、そしてその対面に紗雪と姫子が立っている。俺の手はテーブルで遮られ、対面の2人からは見えない。時折みみが肩を震わせるが、口調は変わらずディザイアの報告を続けている。
対面から俺の背後へと移動し、姫子が肩に手を置いた。
「旦那様、少しマッサージをさせて頂きます」
唐突だなおい、って痛い! めっちゃ痛い!! 親指が肩に食い込むように揉み始める姫子。これはプレイ上の演出なのか、それとも本気なのか、真意は分からないが本気で痛い。
しかし痛いと言ってそれを止めるのは何か負けた気がするので、「ああ、頼む」と平気な振りをしてみみの報告を聞く。正直みみの報告が耳に入らないくらい痛い……!
「すまん姫子、コーヒーを淹れてくれるか」
「はい」
もういっちょギュー! ってされた、痛いってば!!
俺が新たな嫁を迎え入れる際、すでに嫁となっている者達がその人物を嫁目線でチェックし、そのチェックを通った者のみがハーレムへと入る事を許される。そのようなシステムを採用している訳だが……。
簡単に言うと、俺とみみの関係は本来の意味での不倫関係にあたる、そう嫁達に断定された。
マッサージがあまりにも痛い為に、その魔の手から逃れる口実として姫子にコーヒーを淹れてくれと頼んだのだが、そのコーヒーを淹れている間に姫子が瑠璃・牡丹・夏希に連絡を入れ、その結果現在俺は自分のアパートのリビングで腰に手を当て仁王立ちの嫁達に囲まれて正座をさせられている。
ちなみに夏希は仕事中らしく、返事がないそうだ。
あ、地元から送られて来たおばちゃんからの荷物は、旬の野菜と旅行のお土産だった。
おばちゃん、ありがとう。
「ゆう! お姉ちゃんは悲しいわ!! 新しいお嫁さんが欲しいならそう言ってくれたらいいじゃない!?」
またも牡丹お姉ちゃんが暴走している。あなたは俺の姉なのか、それとも嫁なのか……。
「すみません! すみません!!」
正座の状態でペコペコと頭を下げるみみ。しかし牡丹の目にみみは映っていないらしい。
美少女メイド達はそれぞれメイド服から私服へと着替えている。同じように腰に手を当てて仁王立ちしているが、少なくとも紗雪は楽しんでいただろうに。
そう思って紗雪を見ると、テヘペロって感じで誤魔化された。しかしひめは本当に怒っているようだ。
「映画館デートした日が私達の愛の絶頂だったのかも」
そのひめの呟きにみなが目ざとく食いつき、その日の事を洗いざらい話し出すひめ。
「私だけを見てくれた」
「一緒に逃げようと誘われた」
「毎朝お前の作った味噌汁を飲みたいと言われた」
「俺の子を産めと言われた」
……、腹黒いぞ、ひめ。ほとんど捏造じゃないか!
牡丹お姉ちゃんが髪の毛を掻き毟り、キィーキィーしている。ヤバイ、ヤバイよアレ!!
そして牡丹の表情がスッとなくなり、平坦な声でこう呟く。
「何でゆうは1人しかいないの……? そうだわ、私がゆうをもう1人産めばいいんだわっ!!」
ガバッ! と俺に飛び付きそのあま服を脱がそうとする。いやいやいや! みんな見てるから!!
「はいストップストップ! 牡丹落ち着いて、どうどうどう。ね、大丈夫だから、後でいっっっぱい搾り取りましょうね、よしよしよし」
「ふぅーっ、ふぅーっ、ふぅーっ……、はぁ。瑠璃ちゃんありがとう、ごめんなさい」
瑠璃が牡丹を落ち着かせた。しかし搾り取られるのはちょっと……。
「さてアナタ、そしてみみちゃん。あ、みみちゃんは安心していいわ、いずれこうなる事は分かっていたし、そのつもりであなたに下着を選んだりマンションの部屋の用意をさせたりしたのだから。
問題は、優希君よ」
みみはいいらしい。明らかにホッとした表情で胸を撫で下ろしている。
そして俺、か。
「いい? 優希君。ハーレムの主であるからという理由で、私達が知らない相手と知らないうちに関係を持つのはダメよ。それぞれが認めた女性だからこそ受け入れるのであって、知らない相手だと浮気になるの。
ハーレムで複数の女性がいるから麻痺しがちだけれど、そこらへんはキチンとしてほしいわ」
瑠璃の話している事は理解出来る、理解出来るんだが……。
「納得いっていない表情ね? 一番ダメなのは、紗雪とひめちゃんに見せびらかすようにイチャついた事よ? 浮気をするならするで、見つからないようにするのがマナーでしょう?
それを紗雪との被虐プレイのネタにするまではいいにしても、ひめちゃんが怒るのは当然でしょう」
納得出来ました。さゆはそういう属性で、ひめはそうではない。だから怒っている。オーケー、理解した。
「分かってくれたかしら? 正妻だから理性的に纏めているつもりだけれど、本当はビンタの一発や二発は覚悟してほしいところなんだけど。
でも私がそれをすると終わりがなくなってしまうから自重しておくわ」
ありがとうございます。
「さて、では優希君に対する罰を執行しましょうか。ひめちゃん、私の鞄に入っている物を、優希君に着けてあげてくれる?」
「分かった」
ひめが鞄から取り出したのはアイマスク・手錠・そしてギャグボール。最近よく見るな、コレ。
もう浮気なんてしない、と思う。多分。
お読み頂きましてありがとうございます。
一部文章表現を変更しました。ストーリーに影響はございません。
誤表記修正致しました。




