6 運10の実力
初戦闘?です!
ゴブリン。異世界ものの小説やゲームにおいて、定番のモンスターだ。
そして、こちらの世界でも、その生態は、地球で認識されているものと、ほとんど変わらない。
基本的に弱く、繁殖力が強い。
どんな種族との間にも子供をつくることができるため、人間の女が捕まると苗床として、犯されると言われている。
そんな、ゴブリンが今、陣のダンジョンに侵入してきているのだ。
「どうしますか? ゴブリンの数は結構多いですよ?」
サヤカはダンジョンメイカーの機能のひとつである『マップ』によって出された映像をみながらそう聞いてきた。
「どうするかってきかれても、とりあえず足止めするしかないだろ」
陣は1階層をダンジョンにしたといっても、そこには、トラップもモンスターも存在しない。
そのため、今のダンジョンはとてもダンジョンと呼べる状態ではないのである
そんな状態でゴブリンを迎え撃つことは不可能であった。
しかし、陣はゴブリン達を撃退出来ると考えていた。
そもそも、ダンジョンのトラップには、集団を撃退するトラップがたくさん存在する。
つまり、そんなトラップを設置出来ればほ100%の確率でゴブリン達を撃退でる。
そう思っている。
そのため、陣は何とかゴブリンたちを足止めし、その間にトラップを設置しようと考えていた。
だか、それでは面白くない。最終的には、集団用のトラップで終わらせるが、それまでの間に色んなトラップを試してやる。
さいわいにも、ゴブリン達は洞窟の中が想像以上に大きいことに驚いていて、まったく動いていなかった。
これを好機とみた陣は、ダンジョンボードをだし
. . . .
て、あるものをさがしだした。
そして、探していたものがあることを確認すると、陣はまるで、新しいおもちゃを与えられた子供のような笑顔をうかべて、サヤカに命令を下した、
. .
「サヤカ!!これを、ここに天井から地面まで、隙間なく設置することはできるか?」
陣は、ダンジョンボードをサヤカの方にむけて、
. . . .
あるものを右手でゆびさす。そして、左手で空中にうつしだれた映像に映る、ゴブリン達の数メートル先を指さした
. .
「これをですか? 足止めするならもっと頑丈なものにすればいいんじゃないですか?」
そう、サヤカは不思議そうに聞き返してくるが、陣は
「これでいい。いや、違うな。これがいい!」
そう、答えた。しかし、陣は次の瞬間には、もう、他に何のトラップを設置しようかとダンジョンボードとにらめっこしているのているのであった。
~ゴブリンキング~
俺達は新たに見つけた住処の大きさに驚いていた。
俺達は数日前に住処をなくした。
最初はオークが一匹迷い混んできただけだと思った。
たったオーク一匹ごとき、俺達にかかればなんの苦もなく狩ることができる。
俺達は、すぐにオークを5匹で囲い、トドメをさした。久しぶりのご馳走だ。
その喜びもつかの間、新たなオークが現れた。
ん? またオーク? しかも一匹?
俺達はまた先ほどと同じようにオークを殺した。
その後も何度もそのようなことを繰り返した。
俺は何かがおかしいと思ったが、大量のご馳走を前にしてはそんな考えはすぐにきえてしまった。
しかし、それが間違えだった。
俺達は、いや、俺が気づくべきだった。
もともと、ゴブリンには知能というものがほとんどない。自分の本能や欲に忠実生き物である。進化をすれば少しくらい知能は付くだろうが、それも微量なものである。
しかし、キングになると、話が違う。
俺はキングになった時に、世界に色が付いた気がした。
キングになってから俺は、それまで、気にしたこともなかったことも、気にするようになった。
いかに、味方の犠牲なく、敵が倒すか。
いかに、仲間を死なさずに冬を越すか。
など、そのようなことばかり考えていた。
そして、色々なことを考え、行動しているうちに、俺達の集団は100匹を超える大集団になっていた。
だからこそ、キングである俺が気づくべきだったのだ。
そして、また現れたオークを狩ろうとしたその時、後ろから、オークが現れた。
しかも、現れたは一匹だけではなかった。その数20。
やばい!! 住処が奪われる。俺がそう思った時、あきらかにオークの様子がおかしい事に気づいた。
俺達に見向きもさないまま走り去ろうとするのだ。
なんだ? どうなっている。 俺がそう考えた時、その答えはやってきた。
. .
それは咆哮を挙げながら、地上に舞い降り、オークを喰らいだした。
尻尾で、掴みかかってきたオークを払い飛ばし、火をはく。
そして、俺達は気づいたのだった。
オーク達がこいつから逃げてきたということを。
そいつの正体はワイバーン。
ワイバーンとは、竜種の中で下位に位置する魔物だか、オークやコブリンがどれだけあつまろうと、たやすくほおむることできる程度の力は持ち合わせてい。
俺達は死ぬ気で逃げだした。
そして、やっと、命からがら逃げ出した時には俺達の数は半数にまでへってしまっていたのだった。
キングが住処を失った時のことを思い出していると、数メートル先に大きな石壁があらわれた。
グギャグギャとゴブリン達が騒ぎたしたのを、キングはひと鳴きして、ゴブリン達を黙らせた。
キングはなにが起こっているかわからなかったが、こんなものすぐに壊してやると思い、キングは石壁のもとにゴブリンを15匹むかわせ、石壁を壊すよう命令した。
命令を受けたゴブリン達は石壁の前まで行き、手にもった棍棒で一斉に石壁を殴りつける。
すると、石壁は崩れ、石壁を殴ったゴブリン達を下敷きにしていく。
な!?
キングは、一撃で石壁が崩れたことに驚いたが、すぐに落ち着き、下敷きになったゴブリンを救出するよう命令した。
しかし、下敷きになったゴブリン達が救出された時には既に絶命していた。
だが、さいわいにも、下敷きになったのは、15匹中7匹と少なく、ゴブリン達は気を取り直して奥に歩をすすめたのだった。
奥に進むと、それまで1本道だったのに、2本に枝分かれしている場所につきあたった。
ゴブリン達、全員がとおるのはあきらに狭かったため、二手に別れて再び奥へ進みだした。
石壁のこともあったので、キングは周囲へ注意をはらいながら奥へ奥へと進んでいく。
しばらくすると、後方から、グギャっという仲間の悲鳴が聞こえてきた。
その悲鳴を皮切りに、仲間達の悲鳴が次々と上がりだす。
キングは何とか何が起こっているのか確認しようとするが通路は狭く薄暗いため、何が起こっているのか確認することができなかった。
すると、シュっとなにがキングの頬をかすめて飛んでいった。
その何かが飛んでいった方を見るとそこには矢が壁に刺さっていた。
キングは、仲間達がこのトラップによって殺られているのだと気づき、グギャっとひと鳴きし、ゴブリン達をひきつれて、奥へ走り出したのだった。
その狭く薄暗い通路を抜けるとそこには、大きな空間が広かっていた。
キングはすぐさま、自分のグループのゴブリン達の被害を確認する。すると、驚いたことに誰一人かけていなかった。大半が矢で怪我しているものの、ほとんどが、軽傷であった。
キングがゴブリンたちの被害を確認していると、もう一つのグループがやってきた。
そちらのグループは少し人数が少なくなっていたもののほとんど被害はなかった。
よし!そうキングが喜んだ。
しかし、すぐにその喜びは絶望に変わっていったのだった。
通路の入口をみると入口が石壁がふさがれたのだ。
それは奥に繋がる道もおなじことであった。
ゴブリン達があわてて石壁を壊そうとするが、その石壁は最初のものとは違い、まったくびくともしない。
ゴブリン達は、閉じ込められたのであった。
すると、コブリン達のいる空間にゴゴゴゴという音が響きわたった。
なんだ!? 何が起きている!?
キングも合わせてゴブリン達はなにが起きているのかわならなかった。
ゴブリン達がその音の正体に気づいた時、コブリン達はさらに絶望の色を濃くした。
天井が、下がって来ているのだ。
ゴブリン達はどうすることもできずに、立ちすくんだ。
せめてもの抵抗として、鳴き声をあげ続ける一部のゴブリン達も結局どうすることも出来ず、まとめて天井に潰されたのだった。
「ジン。そう落ち込まないでください。結果的にゴブリンは撃退できたのですから。」
陣は今サヤカに、慰められていた。
陣が今回使用したトラップは4つ。
[脆い石壁]150DP
[飛び出す矢]10DP×100
[硬い石壁]300DP×3
[天井落とし]800DP
合計2850DPの4つだった。
しかし、結果はあたりいいものではなかった。
[脆い石壁]は、コブリン達を下敷きにするために設置した。
それは狙い通りに上手くいった。しかし、下敷きにできたゴブリンは石壁を壊しに来たゴブリンの半数だけであった。
そして、.一番の問題は[飛び出す矢]だ。
せっかく、1000DPもつぎ込んだのに結果はダメダメ。予定ではかなりの数のゴブリンをここで殺すはずだったのに、終わって見ると殺せたのは3匹。
あまりに、わりにあわない。
確かに結果だけで見れば上手くいったかも知れないが、今回は内容がダメすぎた。
そのため、なんでこんなに上手くいかなかったのかと、考える陣だったが、これが運10のせいだとは思いもしないのだった。
今回の結果
支出 2850DP
収入 6950DP
内訳 ゴブリン 100DP×42
ゴブリンナイト 250DP×3
ゴブリンジェネラル 500DP×2
ゴブリンキング 1000DP
合計 53100DP
付け足しです
今回出てきたマップはダンジョンメイカーの機能
のマップです!
シャルミラに貰ったマップではありません!