憎しみの連鎖… なぜテロが? 歴史から学ぶ
中高生のみなさん。
今日は、なぜテロが起きるのか?歴史から、人の気持ちを考えながら、考えていきましょう。
テロの起源となった出来事は、第一次世界大戦までさかのぼらなければなりません。当時、世界で有数な力を持っていたのは、イギリスです。そのイギリスは、ある地域を特定の民族に与える力を持っていました。
みなさんは、エルサレムという地名を聞いたことがあるでしょうか?そこは、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教といった3つの宗教の聖地だったのです。
そこでは、ずっと昔から宗教同士の争いが絶え間なく続いていました。
そこに介入してきたのは、イギリスです。イギリスはまず、イスラム教、アラブ人にエルサレムに住んでいいよ!という約束をしました。それを、フサイン=マクマホン協定と言います。
ところがその後、どこの国に対してもいい顔をするイギリスは、フランスやロシアとエルサレムを一緒に管理しましょう!と約束します。これをサイクス=ピコ協定と言います。
えー!アラブ人はどうすればいいの?
ところがところがその後、イギリスはユダヤ教の人たちとエルサレムにユダヤ人の国を作っていいよ!と言ってしまいます。これをバルフォア宣言と言います。そして、1948年にイスラエルが建国されました。
まぁロシアやフランスはだいたい住むところありますよね…その後、エルサレムをおいだされたのは、イスラム教徒のアラブ人です。
考えてみましょう!
いきなり、権力を持った強い人がやってきて、ここから出てけ!とか言われて、自分たちが住んでいる国を追い出されたらどんな風に思うでしょうか?
怒りを増大させたアラブ人ですが、彼らには国がないから戦争という手段は選べませんでした。
戦争は、国と国との通告などがあってから始まります。
国がない彼らが、イギリスやアメリカに対して行なったのが、テロです。
国と国との通告なくいきなり起こるのが、テロですね。
それから、イスラム原理主義という過激な思想が生まれたのですね。
かといって、テロは許される行為ではありません。罪のない市民がいきなり命を落としています!
テロや戦争は、人類が生み出した最悪の差別行為であり、許すわけにはいかないのです。
しかし、今日まで続く偽りのイスラムを語るテロの裏側には、イギリスの人の気持ちを踏みにじる外交があったことを忘れてはなりません。
ちなみに、イスラム教徒にはモハメド・アリさんという強いボクサーがいます!
彼は、イスラムの教えの元、アメリカ人でありながらベトナム戦争に行くことを拒否しました。当然非国民として逮捕されましたが、その後アメリカは、ベトナム戦争に敗北し、モハメド・アリさんが言ってたことは正しかったと称えられてます!
テロを見てると、イスラム教徒は怖いとか思うでしょうが、平和を愛するモハメド・アリさんが真のイスラム教徒なのです!
バルフォア宣言では、国を作るまでは書いてないよ!とか思われる方もいると思いますが、人間としての思いやりをと考えて、世界史の教科書を参考に書いてますので、ご勘弁を。