表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

天文部の秘め事 Ⅵ

 「よし、これで提出する部活の書類完成!!」

「わー!すごいです~!」

「良かったな」

「でもな、千星。もう下校時間だ。出すのは明日な」

「分かってるよ」

ようやく私とお祖父ちゃんの約束が果たされようとしている。

「待っててね、お祖父ちゃん」


私は、頑張るから。




「今日のご飯はエビフラーイ、エビフラーイ」

私はご機嫌に歌を歌っていた。光先輩も復活したし、あとは明日天文部設立の紙を出したら終わり。素敵な、私の夢見ていた部活生活が始まる。学校のいじめも無くなったし、いい方向へ向かっている。それもこれも千星先輩達のおかげ。浮かれながら下校していると、バッっと後ろから口を塞がれた。えっ?

何、これ…?一体…?




「千星、ごめんな」

「ううん。ぜっんぜん気にしてないから」

そう言って、まるで楽しいことを見つけたかのような顔をして笑っていた。良かった。

プルルル、と急に千星の携帯が鳴り出した。

「はいはーい、朱里?」

どうやらそれは部員第一号、福原朱里だったらしい。だが、微かに聞こえる声は彼女のものとは違うものだった。低い、人を嘲笑うかのような声。それは俺がこの数日間聞いていた奴の声だった。そして、千星の顔がみるみる青ざめる。


「朱里が、連れ去られた」


一瞬、耳を疑った。たしかあいつは言っていた。『あいつの孫以外には興味ない』と。何が起きているんだ?

「どうしよう!?とりあえず龍矢君に!」

千星が富永に連絡している。多分福原がいる場所にはそこにはあいつがいる。そしてその場所は…


「富永、元天文部部室に来い」




 「クックッ。これであの娘を殺せば俺の復讐が終わる」

「ここはどこですか!?目隠しと縄を取って下さい!!」

「それはできない」

「あれ?この声…まさか!?」

ドンッ、バキィ!

ドアが蹴り開けられる。そして、部屋の中央にいたのは…湊屋先生だった。

「お前、他の奴には手を出さないんじゃなかったのか!?」

「何の事だ?俺は知らないが」

「自分がやったことを忘れたのか!!」

「…龍矢君、朱里をお願い」

「はい」

湊屋先生は龍矢君に気付かずに光と向き合っている。

「龍矢君?あれ、何でここへ?」

「立てるか?」

「うん」

二人がこっちにやって来る。さて、

「朱里は返してもらったから帰るって言いたいとこだけど、そうはいかないわね」


そして、私は真実を語った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ