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第十二章 再会2

オリジナル:http://blogs.yahoo.co.jp/kome125

営みを終えると利奈は着替えて、当時の聖菜の知り合いや、



昔の近藤のやんちゃ仲間に、会いに行く事を決めた。



事情が事情だけに、説明をするのが困難とみなした二人は、



取り合えず、当時情報部的存在の、石川 良治の家を尋ねる事にした。



石川は今でも車の整備工場を、近所で営んでいると聞いて、



歩いて整備工場まで、向かう事にした。



整備工場に辿り着くと、土曜日でもガレージのシャッターは開いていた。



そこに一人、丸椅子に座る石川が目に入った二人。



退屈そうな眼差しで、あくびをしていた。



そこに近藤はそっと近づいた。



すると椅子に座っていた石川が、近藤の姿を見つけて微笑んだ。



石川、「よう、何年ぶりだ、太ったなお前」と、からかうと、



近藤も、「お前も腹回りが立派になりやがって、



儲かっている様だな」と、言葉を返すと。



石川は、「儲かっていれば、土曜日になんか店開けてねーよ、



駄目だ不景気で、従業員も雇えないぜこれではな」と、嘆いたのであった。



そして近藤が切り出した。



近藤は後ろに佇んでいる、利奈を呼び寄せ、石川の前に立たせた。



石川は利奈を見て、目が虚ろになり、「お前娘なんて居たか、



確か息子 一人だろ、彰子との間の子は」と、近藤に尋ねると、



近藤は下を向いていた。



それを見た石川は、利奈の薬指を見た。



石川、「お..お前、彰子と別れて、新しい嫁さんを貰ったのか」と、驚くと、



近藤は 一度顔を上げ、「ああ、彰子は俺の前から消えたよ、



株で借金を抱えてな」と、また俯いてしまった。



それを聞いた石川は、「彰子そんな事になったのか、それでまた若いかみさんを、



こしらえたもんだな、あははははは」と、笑い飛ばした。



だが近藤と利奈は、表情を変えない事に、



不振に思った石川が、「どうしたんだ、何か重い事情でも二人に有るのか」と、



心配そうに答えると近藤は、「その子を抱きしめて見ろよ、



許すから」と、利奈を指差した。



すると尋常では無い事を、告げる近藤に石川は、「どう言う事だ」と、焦りだした。



近藤は俯きながら、「いいから、抱きしめて見ろ」と、命令した。



そう言われて仕方なく、利奈をそっと抱きしめる石川。



抱きしめた瞬間だった、急に石川がうろたえた。



石川、「ま..まさか、生まれ変って来たなんて、



言わないよな」と、挙動を荒げていた。



石川は度肝を抜かれて、腰が抜けそうであった。



そして利奈は呟いた、「ただいま良君、忍さん元気」と、呟くと、



石川は放心状態であった。



焦りながら脂汗を、顔から垂らしながら、「ど..何処に居たんだ近藤」と、



問い掛けると、近藤はタバコに火を点け、「俺はつい最近まで、



東横ビールの札幌工場で、研究員として働いていたが、



東京の本社に助っ人として、企画部に配属されたんだ。



その時に、この子がそこの企画部で働いていたのさ。



最初は気づかなかったが、この子の脳裏に昔、



聖菜だった頃のフラッシュバックが起きていて、



でもこの子はすでにその時、婚約者が居たが、



その男は別の女が居た事が、発覚して俺の元へと、飛び込んで来た訳だ。



これもまた運命かそれとも宿命かは、解らないがな」と、タバコを吸った。



すると石川は、「フラッシュバックとは、



昔の記憶に何か、ショッキングな体験をすると、



訳も無く映像が、脳裏に浮かぶあれか」と、



尋ねると利奈は、「最初は白黒で、顔だけ光って見えなかったの。



音も無くまったく意味不明な、記憶に無い映像だけが、脳裏に浮かんでた。



私が元彼と別れて、絶望の極地でいた時に、智彦の胸にすがりついたら、



複数のフラッシュバックが、脳裏に流れたの、怖くなって智彦に訳を聞いても、



答えてはくれなかった。



仕方なく、起きたフラッシュバックを頼りに、軽井沢に 一人で旅に出たら、



そこの観光案内所で、軽井沢の観光雑誌を捲っていたの。



そうしたらフラッシュバックに出て来た、ペンションが雑誌に掲載されていたの。



早速そこに行くと、ペンションのあるじが霊感が強くて、



近くの教会に行く様に進められて、そこに聖霊が居たの。



その聖霊に私の心を見て貰い、そこで初めて私は生まれ変って来たと、



聖霊に知らされたの、そして心の結界を解いて貰い、



聖菜だった時の記憶が蘇ったの」。



石川は震えながら、「そ..それはまさしく宿命だ、



智彦の聖菜に対する思いが、天に届いてこの世に返してくれたんだ」と、叫んだ。



そして工場の奥に、駆けて行って奥から、「忍、忍」と、大声で叫ぶ声が聞こえた。



しばらくすると、石川と忍が出て来た。



忍は近藤を見て、「あらお久しぶりね」と、



微笑んで、「あら娘なんていたかしら」と、近藤に問い掛けた。



石川は慌てながら、「おい、この子を誰だと思ってる」と、忍に問い掛けると、



忍は顔が強張り、「へ、誰って言われてもね」と、首を傾げた。



そして石川は、「とにかくこの子を抱きしめて見ろ、



いいから抱いてみろって」と、必死に利奈を指差した。



尋常では無い石川の態度に、忍は仕方なく利奈を抱きしめた。



すると急に驚いて利奈を放して、



後ずさりをし、「ま..まさか」と言って、腰を抜かして、



下のコンクリートの床に、座り込んでしまった。



近藤は、「本当に帰って来たんだよ」と、告げると、



忍は急に泣き出し立ち上がって、利奈を抱きしめて、「嘘だろ、



嘘だろ、本当にあんたは、復活して来たのかい」と、泣きながら利奈を抱きしめて、



問い掛けていたのだった。



利奈はそんな忍に、「また 一緒に、美佐子おばさんの居酒屋の軒先で、



浴衣を着て花火見れるね」と、



呟くと忍は大声で、「せいなー」と、叫んで泣きじゃくったのであった。



この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。

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