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第十一章 追憶2

オリジナル:http://blogs.yahoo.co.jp/kome125

数日後の出来事であった。



利奈と近藤は車に乗り、横浜のビール工場を視察しに、



出掛けた帰りの事である。



近藤が車を運転している最中、急に自分の携帯が鳴った。



ワイシャツの胸のポケットに、携帯を入れていた近藤であったが、



利奈が手を伸ばして、近藤の胸のポケットに入っていた携帯を取ると、



携帯を開いて、着信暦を見た利奈は、



近藤に振り向いて、「山田君からだ」と、呟くと近藤は、利奈に目で合図をした。



すると利奈は着信ボタンを押して、電話に出た。



利奈、「もしもし」。



山田、「ああ、利奈さん丁度よかった。



南青山のブライダル衣装の女神のお店、やっと営業し始めた様です」。



利奈は驚いて、「へ..、ちょっと待ってね」と、告げて携帯を耳から放し、



近藤に、「尚の店、今日営業してるみたい」と、



言うと近藤は、「いよいよな尚江の真実が、



解き明かされる時が、やって来た様だな」と、語ると利奈はまた、



携帯を耳に当てて、「山田君有難う、早速向かうから」と、言って電話を切った。



利奈、「どうしてあの不良娘が、神話を語る女神と称されたか、



じっくり聞きたいわね」と、



顔を強張らせる利奈に近藤は、「あいつも、



きっと深い訳があるんだよ」と、ため息を付いた。



そして車を店の前に着けて、開店している事を確認すると、



二人はそっと店の扉を開けて、店内に入った。



そこには店主の姿は無かった。



すると店の奥の扉が開くと、



二人の姿を確認する尚江、「お帰り聖菜」と、呟いた。



近藤も、「お久ぶりです」と、頭を下げた。



利奈はやはり、急に顔が強張り、「どう言う事よ尚、何であんたが、



こんな風に成ったか、訳を教えて」と、激怒した。



尚江は優しく、「懐かしい、私の名前を尚と呼ぶなんて、



何年ぶりだろう、聖菜がこの世を去ってから、



尚とは誰にも呼ばれた事がないから」。



利奈は更に、怒りが増した様で、顔を尚江に突き出し、「ふざけないでよ、



この間あんたがここで私に、訳を話せば苦労は、しなくて済んだのに」と、



尚江を睨んでいた。



それを見た尚江は、「生まれ変わって来ても同じね、



向こう気ばかりは強くて」と、呆れていた。



すると近藤が見かねて、「早速で悪いのだけど、今仕事の合間に来ているんだ。



訳を聞かせて欲しい、募る話は今度、時間が出来たらする事にして、



この子が訳を聞かないと、納得が行かない様でね」と、



答えると尚江は微笑んで、「夜この子にその事を、



耳打ちされて、寝られないのかしら」と、



手のひらを返して口元に置いて、笑っていたのであった。



その姿を見た利奈は、尚江を張り倒そうと、手を出したのであったが、



それを近藤が利奈の、手首を持って止めながら、「いい加減にしないか、



ちょっとからかわれたくらいで、怒るんじゃない」と、利奈に忠告をした近藤。



利奈はその時、やはり尚江を睨んでいた。



尚江はカウンターの椅子に、手を差し伸べて座る様指示した。



すると尚江は更に笑いながら、「智彦もさすがに落ち着いたわね。



いつだったかしら、智彦が暴走族の頭だった頃、



隣町の暴走族の連中の一人が、可愛い聖菜に目を着けて、言い寄って来ていた。



最初は智彦は、聖菜に無視しろと言っていたら、



今で言うストーカー行為をされた聖菜が、その連中に車で連れ去られて、



そいつらのアジトに連れ込まれて、危うく襲われそうになった所を、



偶然連れ去られている姿を、目撃した智彦のチームのメンバーが、



連れ去る車をバイクで追いかけて、聖菜をそこから助けて連れて帰ると、



聖菜の服はボロボロにされていて、酷く怯えて泣いていた。


激怒した智彦は、一人でそいつらのアジトに乗り込んで行ったら、



事情を聞き付けた、智彦のチーム全員が後を追って助っ人に行って、



大勢で大喧嘩になって、最終的に聖菜に目を着けて、



聖菜の服をボロボロにした奴を、酷く殴って病院送りにして、



その日から、智彦は暴走族の頭を辞めて、高校を卒業して間もなく、



地元のビール工場に就職したのよね」。



その話を聞くと、利奈はまたフラッシュバックが起きた。



どこかの部屋で、複数の男に犯されそうになり、もがき苦しんでいると、



バイクの音と共に、大勢の若い男達が、部屋に雪崩込んで来た。



その男達はその部屋で揉み合いになり、一人の男性が聖菜の手を引き、



その部屋から連れ去ってくれた。



そしてバイクに乗せられ、近藤の家に連れて行ってくれた事。



すると自分を犯そうとした男性を、川原で近藤は何度も何度も殴ると、



聖菜は必死に近藤を止めていた。



そしてフラッシュバックは、消えて行ったのであった。



そんな姿を眺めていた尚江は、「聖菜、私が行った事、これで解ったでしょ。



この間ここに連れて来た男と、結婚していたら、幸せには成れないの。



でもね自然に聖菜を放って置けば、必ず聖菜は智彦の元へ行くから」。



利奈は首を傾げて、「何故その事を、あの時に伝えてくれなかったの。



尚はウェディングドレスを、私に着せてくれている最中、



二人きりだったでしょ、何故その時に私に、



告げてくれなかったの」と、問いかけた。



尚江は、利奈の眼差しを見詰めて、「私はね何人もの婚約者を占って来た。



この店に入って来たカップルを、人目見ただけで女性の微妙な仕草で、



その男性と 一生の人生を、共にするかしないかが解るの。



もうすでにあの時、聖菜は躊躇っていた。



眼差しの微妙な動きで捉えられた。



まだその時には、聖菜の生まれ変りだとは、私は気づかなかった。



聖菜があの時、私が写真のサンプルを幾つか見せた時、



普通の女性とは違う表現をした。



『この女性なら似合うけど、私には似合うかな』と。



一見なんでもない、女性の見方の様に思えるけど、



結婚をする女性が、ウェディングドレスを選ぶ時は、



普通の服を選ぶ時とは違う思いなの。



まず自分を対象に見るから、サンプルのモデルなんて気にしない、



そうサンプルの女性より、自分が輝いて見せたいから、



『これなら私は、この人以上に輝けるかしら』の、思いに出る言葉は、



決まって必ず、『ちょっと地味じゃない』なの。



その時、初めてこの子は聖菜だと解った瞬間だった。



そうよこの間、聖菜が選んだ写真は、聖菜のウェディングドレスの写真よ」と、



この前に見せたサンプルを、利奈に見せた。



それを近藤が見詰めていた。



そして近藤が語り始めた、「尚江はこの子は、聖菜だと確信を持ち、



着いて来た男なんて眼中になかった。



その時必ず俺と知り合うと予感していた、いやすでにもう、



この子は俺と出会っていると確信を持ていた。



だから聖菜に告げた、『幸せに成りなさい』と、何度も告げた。



それは俺との結婚を、意味していたからだった」。



尚江、「あの男は悪魔の使いの様な男、



女を捨ててはまた、他の女に取り付く悪魔。



邪悪な妖気を漂わせ、都合の良い様に成らない女からは、自ら去るだけの魂。



でも自分が捨てられると、追いかけて来る。



そしてまた自分の都合の良い様に、女を操る悪い魂。



聖菜を迷わないで、智彦の魂と交える様にする為には、



あの邪悪な魂を持った男が、聖菜を自ら捨てる事にあったの。



だから私はあの時、『話してしまったら、あなたは幸せに成れない」と、告げた」。



それを聞いた近藤は、「結果的にそう成る様に仕掛けた。



尚江は彰子の居所を知っている。



俺が知らない所で今まで、尚江と彰子は繋がっていた。



そうこうなる為には、利奈こと聖菜から離れて、その事情を絶対に、



聖菜の魂には告げては成らないと誓い、二人は共に姿を消していた。



だがどこかで俺達を、尚江と彰子は見届けていた」。



この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。

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