表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/60

第十一章 追憶

オリジナル:http://blogs.yahoo.co.jp/kome125

会社を終えると、近藤は俯き加減で歩いて家路に向かった。



そう彼は、猪原 聖菜と言う、昔亡くした恋人が居た事を思い返していた。



忘れかけてたその心の隙間に、突然現れた聖菜の魂に身を宿した利奈。



戸惑う日々が続いていたのであった。



その事に気づいてしまった利奈に、



これからどう接して良いか、悩んでいた。



近藤は利奈に起きるフラッシュバックに、怯えさ迷っていた。



出来る事ならこのまま、利奈が事実を知らぬまま、



近藤は利奈と光秀との結婚を望んでいたが、運命の悪戯なのか、



自分とのリベンジを図られた様で、已まなかった。



近藤は自然と品川埠頭の海に、一人佇んでいた。



埠頭ではタンカーの明かりが、寂しく光って見えていた。



夜の埠頭は人を孤独にさせた。



近藤は彰子と別れ、利奈は信じていた恋人に裏切られ、



タバコを吸いながら近藤は、我が宿命を感じていたのであった。



すると横に誰かが佇んだ、切ない顔をした近藤の横顔を見詰める利奈。



その時、利奈は何も言わず、そっと近藤と腕を組んだのであった。



利奈は、「帰ろう」と、呟く利奈に、



近藤はそっと振り向いて、「どこにだい」と、呟くと、



利奈は、「あの時の時間に」と、呟いた。



近藤、「戻れるかな、もうあの時間は遥か遠くに、置いて来てしまったよ」と、



語ると、タバコを一服吸ったのだった。



その時利奈は、「もう帰って来ているよ、ここであなたと出会った時から、



私達の時間は始まっていた」と、語った。



近藤は俯き、「そうだな、お前が俺のタバコの臭いを、



いい香りだと言った時から、全ての過去からの続きは始まっていた」。



利奈は近藤に振り向いて、「そうよあなたは、あの時から気づいていた。



そっと私を黙って見守っていた。



あの時、私が会社で恵美子と喧嘩して、地下の駐車場で、私が車に乗り込んで来た時、



私が恵美子に対して、怒っていた時あなたは、『昔の女に似ているな』と、



呟いた人は、あなたの元の妻、私の前世の友達、



そう彰子の事では無く、この私の事だったのよ」。



近藤は海を見詰めて、「先の運命さえ知っていれば、お前に話していたさ、



過去の事実を」。



利奈は薄笑いで、「先の事が把握出来ていれば、今頃私は智彦と同じ年で、



きっと夫の帰りを家で、夕飯を作って待っているわ」と、語られると、



近藤は更に切なさが、増して行ったのであった。



近藤、「お前の悔しい気持ちは解るよ、



でもこれ以上俺を攻めないでくれ」と、願った。



すると利奈は、「ならばこれから約束して、



私の名前をこれから、聖菜とよんでくれる事を」と、語りかけた。



近藤は頷いて、「解ったよ聖菜、改めて生換おめでとう」と、答えると、



利奈は微笑んで、「じゃあ、智彦のアパートに帰りましょう」と、



近藤と腕を組んだまま、近藤を連れて行くのであった。



途中で近くのスーパーで、買い物を済ませると、



近藤のアパートに行き、近藤が愛用しているエプロンを着けると、



まな板を用意して、キッチンの下の扉を開け、



利奈が手首を切ろうとした、包丁が入っていた。



それを利奈は見詰めていたが、直ぐに料理に取り掛かった。



そして玉ねぎ、にんじんを角切りにすると、



角切りの牛肉を鍋で、油を敷いて切った野菜と炒めた。



そして水を入れブイヨンが出来ると、カレーのルーを入れた。



その時近藤は、色んな思いが交錯していた。



そう聖菜の得意料理は、カレーライスであった。



ご飯が炊き上がり、皿にご飯を盛って、カレーのルーを掛けて、



テーブルの椅子に腰掛けていた、近藤の前に置いた。



そして冷蔵庫から、レタスやキュウリを出すと、サラダを作っていた。



近藤はそのカレーを見詰めていた。



利奈はキッチンから振り向いて、近藤を見ると、「食べないの」と、問いかけた。



近藤は、「頂くよ」と、カレーを口にすると、目頭が熱くなり涙が溢れ出て来た。



その時、目を押さえる近藤だった。



そうこのカレーの味を、たしなんだのはもう、いつの日の事だろうと思っ近藤。



涙が溢れて止まらなかった。



そんな近藤を見詰める利奈は、



頑なに近藤との愛を貫き通そうと、心に誓うのであった。


この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ