第十章 リベンジ4
オリジナル:http://blogs.yahoo.co.jp/kome125
二人は何も言わず、その場で佇んでいると近藤も、
ヘルメットを取り、バイクのサドルに引っ掛け、
二人の所に歩いて来た。
そして聖菜に、「彰子を返すよ、俺みたいな荒くれと、
付き合っていて欲しくは無いのだろ、俺はこの街の、
ナイトタイガーって言う族の、ヘッドを遣ってる。
そう君の嫌いな暴走族さ、でもやっぱりこいつは、そんな弾じゃない。
友達は大事だ、だから君みたいなまじめな子が、彰子には合っているよ」。
そう言って近藤は、彰子が被っていたヘルメットを取って、
一人でバイクに跨り、エンジンを掛けて去って行った。
彰子は追いかけたが、バイクを止める事は無かった。
そんな近藤に、心打たれた聖菜は、仄かに恋心を抱いたのであった。
その日から彰子は髪型も変え、化粧もしなくなった。
普通高校に通う聖菜と彰子は、時々近藤が学校近くに、バイクを止めては、
二人の下校と共に、バイクを引いて話ながら、帰る様に成っていた。
近藤は夜間高校に通っていた。
日曜日になると三人は、近所のゲームセンターや、ボウリング場で遊ぶ様になり、
当時16歳だったこの三人は、次第に聖菜と近藤が、心を引かれる様に成っていた。
暴走族では遭ったが、包容力と優しさがある近藤との心の距離が、
聖菜と近くなると、彰子から近藤の心は離れて行った。
次第に聖菜と近藤は、愛が深く成って行く。
そして16歳の夏、聖菜は自分の部屋で近藤に抱かれた。
初めての体験であった。
優しい近藤のアプローチに、若き聖菜ではあったが、
次第に女としての勤めが、出来る様な状態に成ると、
近藤と共に聖菜は、十代としは禁断の世界に足を踏み入れた。
そうそれは、利奈が最初に起きた、フラッシュバックであった。
すると我に返り、周りを見渡すと先程の若い、シスターの姿は無かった。
突然祭壇の横の扉が開くと、めがねを掛けた年の頃で、70代前後のシスターが、
このフロアーに入って来た。
シスターは利奈の姿を見つけると、「あら、観光の方ね」と、
尋ねるシスターに利奈は、「先程の若いシスターは、どちらに行かれたのですか」と、
尋ねると、お年を召したシスターは、顔色が変わり、「会ったのね、聖霊に」と、驚くと、
利奈も驚いて、「あの方は、聖霊なのですか」と、尋ねた。
シスターは急に微笑んで、「そうですか、それは幸いでしたね。
あの方はここの設立者で、今から70年前に、この教会を設立したシスターです。
二十歳でこの世を去りました。
原因は当時日本で流行っていた、伝染病で彼女は亡くなり聖霊となり、
迷える魂をここで、癒す存在なのです。
誰でも会える訳では無く、神に選ばれし性を受けた者だけが出会える、
特別な聖霊なのですよ」と、優しく告げられた。
女神に告げられたリベンジそう、その意味が初めてここで、解き放たれた利奈であった。
そして教会を出ると、何時間の時をあの教会で、過ごしたのであろうか、
辺りはもう薄暗くなっていた。
歩いてペンションに帰ると、すでに夕飯の準備が整っていた。
先程ここには、ペンションのあるじしか顔を見せなかったが、
あるじの妻らしき人も、このフロアーの手伝いをしていた。
利奈の姿を見ると、あるじの妻は、「お帰りなさい」と、声を掛けてくれた。
利奈は軽く会釈をすると、「只今戻りました」と、言葉を帰した。
妻は微笑んで、「教会で解き放たれた様ですね、どうぞテーブルへ」と、
招かれると、食事が並べられている、テーブルの椅子を引きそっと腰掛けた。
食事は豪華では無いが、コーンスープと白魚のムニエルに、ホワイトソースが掛けられ、
ニースサラダと、小ぶりの牛肉ステーキに、デミグラスソースが掛けられていた。
すると妻が、「後からもう一、二品、料理を出しますね。
それからデザートと、食後のお飲み物を出しますから」と、告げると、
このフロアーの奥に入って行った。
頂きますと告げてから、一人で食事を進めていると、
年の頃は60歳位の男性一人が、カメラを片手に、このフロアーにやって来た。
すると利奈に、「お写真どうですか」と、尋ねて来たが、利奈は断った。
すると近くの何も置かれていない、テーブルに座りカメラを磨いていた。
何気なく利奈は、その男性に声を掛けた。
利奈、「もうここで、写真を撮って何年位になるのですか」と、
尋ねると男性は、カメラを磨きながら、「そうだなあ」と、
上を向き、「かれこれ40年には成るかな、軽井沢のおめでたい所には、
必ず行くよ、結婚式場やら修学旅行やら、今はシーズンオフだから、
差ほど忙しくは無いがね」と、答えると、利奈は食事をしながら、頷いたのであった。
すると男性は、「ほらあそこの壁に、今までここで撮影した写真が、
飾られているよ」と、このフロアーの壁を指差した。
すると、無造作にびょうで留められた、沢山の写真が目に入った。
何気なく食事の手を止めて、歩いて壁に向かうと、角から角まで写真を見ていた。
その時丁度、中央付近で 一枚の写真が目に焼きついた。
若かりし頃の近藤と、見知らぬ綺麗な女性が写っている、写真を見つけたのであった。
何気なくびょうを外し、その写真を手に取ると、
色あせた写真で、紛れも無く近藤であった。
そして利奈は呟いた、「隣の女性は、わ、た、し」。
すると瞬時に当時の、フラッシュバックが蘇った。
カラーで今ここにいる、カメラを持った男性が若く、
この外の庭でカメラを構えられ、ポーズを決めた自分が蘇った。
利奈は放心状態で、言葉が出なかった。
すると先程のあるじが横に来て、「ワインお飲みに成りませんか」と、尋ねられると、
利奈は、「へ」っと、驚いて振り向いた。
するとあるじは、「人生は永遠に繋がっています。
必ずあなたが生まれて来る時、前に過ごした前世の人々が、
違う形で自分の側に居るものです。
前世で恋した男性は、現世ではいつも配達に来る、郵便局員かも知れません。
時にあなたの友達は、前世では母だったのかも知れません。
嫌いな人は昔は戦争で戦った、同士かも知れません。
自分が産んだ子は、前世では父親だったかも知れません。
因果関係と、宿命は変えられませんが、運命は変えられます。
あなたはきっと、そのどちらでもない、愛という名の魂を司り、
この世に性を受けたのでしょう。
そうあなたの恋人と、もう一度リフレインする為に」。
利奈はこの時、万感の思いであった。
その後、光秀との失恋を悔やみ悲しんだ、
涙が溢れて止まらない、明日の幸せを司る魂、それは身近に存在した近藤だと、
確信を持った瞬間であった。
作詞:Shiny Pastel Moon
過去の恋物語
敗れた恋の果てに、小さな優しさを感じた
時より育む愛に彼は、臆病だった
そっと私が触れると拒んで逃げた
その時私は途方に暮れた
逃げないでと 約束すると拒むあなたは
宛て無なき、失った恋を求めてさ迷う旅人
Traveler of sad life
出会った瞬間 私はすでに気づいてた
そうあなたが気づくのを恐れて
私に伏せていた恋人だと
言い難い何かをいだいて 私を側に置いたのは何故
時より切ない顔をするあなたは、私に愛を与え
一人切なく海を見詰めてた
戻らない過去を背負い 何をさ迷うのだろうか
宛ての無い旅にでた私は今真実を知った
もう一つの人生の物語を追いかけ
走っても走っても 追いつけないあなたの過去に
さ迷う私はまるで ゴールを失うランナーの様だった
教えてくれない あなたとの過去を追いかけ
心さ迷う日々がつづくと
息が切れ立ち止まる私に 差し出す愛
あなたはいったい誰なのと
問いかけるあなたは ピエロの様に道化者
時に追いかけたのは あなただったでしょ
私の記憶に入り込み 呼び起こしたのはあなた
そんな悔しさが増すと 同時に切なさも増して行く
Story of the severe blow of heart
今物語りは解き放たれた
行くなと呟くあなたを裏切り
別の世界へ 旅立つ私
何度も 何度も 私に呼びかけ
それでも 天に連れ去られる私は
無常の宣告だと思えたのだろう
会いたい 会いたい 会いたいの
今あなたが切ないの
苦しい過去を背負って生きたあなたに
私の愛を 今ここで解き放ちたい
突き放された 愛を取り戻したい思いが
堪らなく感じた私は あなたの胸に包まれる事を望んだ
その時私は心の中で 結ばれる事を頑なに望んだ
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。




