第十章 リベンジ2
オリジナル:http://blogs.yahoo.co.jp/kome125
利奈は会社で有給休暇を取り、フラッシュバックに出て来た、
軽井沢に行く事にしてみた。
あの夜、近藤の胸に飛び込んだ時に起きた、
激しい白黒のフラッシュバックには、何が隠されているか、
真相を知る事に対し利奈は、かなりの恐怖感があった。
そう近藤と自分の年齢差は20歳、この年齢の差の中で、
近藤と利奈の接点は一体何か、そして近藤の元妻である彰子、
その友達の女神と称されている、尚江の真相は何か。
色々な思いが交錯して、真相を知るには覚悟が入る事であった。
だが軽井沢と言っても、範囲は広く何処を探索すれば良いかが解らない、
だが彼女には自信があった。
それはフラッシュバック、必ず自分は軽井沢と言う土地に降り立てば、
このフラッシュバックが、近藤との接点を導いてくれると、信じていたからだった。
まだ暑い最中の9月の初めに、シーズンを過ぎた軽井沢に、一人列車で向かい、
軽井沢は、携帯サイトの宿探しで、当日にペンションや、
ホテルや旅館の予約状況を調べると、空きが多く存在していた。
長野新幹線で軽井沢に降り立つ利奈は、早速駅の旅行センターを尋ねた。
そこに置かれていた、軽井沢の旅行雑誌に目を通していた。
するとあるページで、フラッシュバックが起きた。
それは老舗のペンションであった。
利奈は今起きたフラッシュバックを、このペンションと同期させてみた。
すると心の中で、急激な懐かしさが湧いて来た。
行った事も無い場所だと言うのに、不思議と親近感が湧いたのであった。
早速自分でそのペンションに、電話を掛けて見ると、即宿泊予約が取れた。
そして駅からタクシーに乗り、そのペンションへと足を運んだ。
到着すると、とてもシンプルな佇まいで、
まるで大きめな、別荘と言う感じであった。
赤い屋根に出窓と、ヨーロッパの田舎の学校を思わせる様相で、
築40年は経過している様であった。
中に入ると、直ぐカウンターが有り、季節外れの女の一人旅は、
敬遠されがちでは有るが、あるじに歓迎されて、
食堂に通され、アイスコーヒーを出して貰った。
すると男性のあるじは笑顔で、「東京から起こしになられた様で、
9月に入ってもまだまだ暑いですね。
今年は特に異常気象で、東京の浅草辺りをテレビが、中継していましたが、
37度もあるなんて、都会で働いている人も大変だ」と、
語ると利奈は笑顔で、「そうですね、私もビール会社で働いていますが、
毎日外に出てアンケートなどを取りに、街に出ますから、
体が持ちません」と、嘆くとあるじは、「それは大変ですね。
今日は療養に来た様なものですね。
失恋ついでに。
おっとこれは失礼しました。
長年ペンションを経営していると、お客さんの表情一つで、
何が遭ったか解ります。
お客さんも女性が一人で、ペンションに泊まろうとすると、
何だかこちらに疑われそうに思われるから、一言こちらから必ず告げるのです。
安心して下さい、お客さんは過ちを犯す様な、人では有りませんから。
解るんですよ、過ちを犯す人はここに来た時の、出しているオーラが違います。
済みません私これでも、霊感の方が冴えてましてね。
お陰で今は、女性の一人旅も安心出来ると、喜ばれているペンションでして、
この不景気にも負けない、ペンション経営を行っています」。
利奈は驚いたが、落ち着いて、「それも独自の経営戦略ですね」と、褒めた。
するとあるじは、「えー、お陰で365日いつでも、そこそこお客さんが入ります」。
利奈は首を立てに振って、「へー」と、感心した。
するとあるじは、利奈の顔を見て微笑み、「さてお客さん、
あなたは私が感じる限り、特別な何かを持って、生まれて来た様ですね。
何もおっしゃらずに、私の話を聞いて下さいね。
このペンションを北に向かうと、小さな教会が有ります。
そこでお祈りをして下さい。
するとあなたの真実が、解き放たれるでしょう」と、告げられると、
利奈はその言葉に、戦慄を覚えて、「ど、どう言う事ですか」と、震えながら答えた。
あるじ、「教会はいつでも、あなたを受け入れます。
なので今直ぐでなくても構いません、今からお部屋に案内致しますので、
荷物を部屋に置いて、心の準備が出来たら、教会に向かって下さい」と、告げて、
この場を立ち去ったのであった。
利奈はその事に対し、何も追及せずに素直に荷物を持つと、
先程のあるじが、また現れて二階の部屋に利奈は、案内されるのであった。
階段を上り二階に着くと、木製の扉の鍵を開けて、部屋の中に案内された。
するとあるじは微笑んで、「必ずここでしばらく落ち着いていれば、
教会に行きたくなりますから」と、告げて利奈に鍵を渡すと、
部屋から出て行ったあるじ。
もう半年も前から、不思議な現象に見舞われて来た利奈は、
あるじの不思議な行為に、差ほど驚くことも無く、
ただ成り行きに、任せ様と思ったのであった。
荷物を部屋に置くと、ツインベッドに腰掛けた。
部屋の様相は広くシンプルで、白いクロスの壁紙で、丸い木製のテーブルと、
木製の椅子が二つ置いてあった。
あるじの言葉に従おうとする利奈は、目を瞑った。
そう彼女のフラッシュバック、それはカーネルつまり、起こる切欠は香りであった。
ここの部屋の空気を嗅いでいると、蘇って来たのであった。
やはりいつも出てくる、見知らぬ男性とここのベッドで、
抱かれている自分であった。
最初に起きた、フラッシュバックの場所とは違っていたが、
愛の感覚は、同じ思いであった。
だがやはり相手の男性の顔は光って見えない、そして目を開けて、
部屋の鍵を持ち、先程あるじに言われた様に、
教会に行こうと部屋を出たのであった。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。




