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第九章 衝撃4

オリジナル:http://blogs.yahoo.co.jp/kome125

近藤のアパートの居間で、ボロボロと涙を流す利奈は、



その涙は止まる事は無かった。



それを見詰める近藤は、「幸せに成れると思ったのに、



こんな結末を迎えるなんて、酷い男に出くわしたもんだ」と、嘆いたのであった。



利奈は一頻り涙を流し、「私、これからどうして良いか、



解らなくなりました」と、呟くと、



近藤は、「無念だな、だが人生先は長い、



今の利奈には慰めの言葉には、成らないと思うが、



人生初めて最大の裏切りに、出くわしたな」と、ため息を付いて、



顔を下に落とした。



利奈は涙を拭い、「結局私は、光秀に甘かったのです。



もっと疑えばこんな事には、成らずにすんだのに」と、鼻を啜った。



その時、近藤は真顔に成り、「俺はそうは思わない、少なくとも利奈は、



今まで三年間は、光秀君に尽くしたのだから、それに甘えた奴が悪いと思う、



利奈の行為にどっぷり浸かって、都合の良い人生を少なくとも、



二年間は大いに、味わって来たのだから」と、慰めると、



利奈は自分を理解してくれた様で、少し落ち着いた。



そして利奈は、「慰めてくれて有難う、でも私の心はもう、



ズタズタです」と、言ってまた涙を流した。



そんな利奈に近藤は、「確かに辛い事だ、心が張り裂けそうだと思う、



会社が忙しい最中、一頻り愛した光秀君に、尽くす事で彼は、優しさを与えてくれた。



その行為に利奈は答えようとして、今まで尽くして来たのだと思う、



そしてその結晶を、解き放つ時が迫って来ていた。



結婚と言う形で。



身も心も捧げた男性に、こんな形で無常にも裏切られた思いは、



俺には痛い程伝わるよ」と、



慰めると利奈は、「何故あなたは、そんなに私の心が伝わるの」と、答えると



近藤は、「人生経験から、弾きだして来ているからさ」と、答えると利奈は、



近藤の眼差しを見詰めて、「何故私の身の行く末を、案じてくれるの」と、答えた。



近藤は迷いながら、「それは同じ会社の、



同士として君が必要だからだ」と、答える近藤に疑問を持った。



利奈はその時、「近藤さんの助手として」と、言いながら首を傾げた。



近藤は、「ああ、その通りだよ」と、答えて居間の押入れから、布団を出して敷いた。



そして近藤は、「利奈今日はここで、寝るんだ。



俺は自分の寝室で寝るから、台所で妙な真似はするなよ」と、念を押すと、



利奈はそれに対して、「そっちこそ夜中に私に、



妙な真似はしないで下さいね」と、反論した。



近藤は笑いながら、「そんな事を考えている、



余裕が有るなら安心だよ」と、言って、



自分の寝室に向かった。



強がり利奈は、居間の電気を消してからが、本当の自分の弱さを、



醸し出すのであった。

 


夜中の二時半頃、利奈は喉が乾き目が覚めた。



何気なくキッチンに立ち電気も点けずに、外の明かりを頼りにコップを持った。



そして冷蔵庫を開けると、市販の上流水が冷やして有た。



それを少し貰おうと、ペットボトルの蓋を開けて、



コップに注ぐと 一気に飲み干した。



一瞬の人生と言われる時間の狭間の中に、人生最大の不幸を迎えていた利奈は、



惨めな自分と、光秀の悔しさが過ぎった。



その後に寂しさが増して行と、絶望感も同時に襲って来た。



するとコップを台所に置いて、キッチンの下の扉を開けると、



包丁が二本目に入った。



それを手に取ると、何も言わずに見詰めた。



自然と左腕を、持っていた包丁の所で止めて。



しばらくそのまま佇んでいたが、利奈は目を瞑った。



するとゆっくりと、近藤は利奈に近づいた。



そして近藤は、「死なせる訳には行かないんだ、



頼むからその包丁を、目の前のテーブルに置いてくれ」と、淡々と答えると、



利奈は魂を抜かれた様な面持ちで、ボーっとしていた。



近藤は静かに、利奈が包丁を持っていた右手をそっと掴んだ。



その瞬間だった。



利奈は急に包丁を持っていた、右手に力を入れて、左手に当て様と必死でもがいた。



その時、近藤の腕はびくともしなかった。



利奈は、「放して」と、泣き叫んだ。



近藤は利奈の腕を持っていたが、もう片方の手で利奈の頬を張り倒した。



利奈が握っていた、包丁の力を緩めると、



近藤は張り倒した方の手で、その包丁の枝の部分を持って、



利奈から取り上げて、それをテーブルに置いた。



泣きじゃくる利奈は、反射的に近藤の胸に飛び込んだ。



その時であった。



急にフラッシュバックが、まるでビデオを早送りするかの様に、画像が流れた。



そして言葉では言い表せない程の、温もりと安心感を得た利奈は、



急に恐怖が湧いて、近藤の胸から離れて、後ずさりをしながら、



利奈は、「あ、あなたは誰、いったいあなたは誰なの」と、震えた。



近藤は切ない顔になりながら、「解る日が遣って来るかも知れない、



でも今日と言う日を超えて欲しい、そうすれば僅かで有るが、



人生が晴れてくるから」。



利奈は必死に、「教えて、あなたはいったい、



私にとって誰なの」と、訴え掛けると、



近藤は、「お願いだ許してくれ、俺の口からは言えない」と、拒んだ。



利奈は俯き、「解りました、これ以上は聞きません、



でも一つお願いが有ります」。



近藤、「なんだ」と、尋ねると、利奈は、「今日私を抱きしめて、



あなたとベッドを共にして欲しい、また私は過ちを犯すと思うから、



でも私を犯さないで下さい、こんなわがままな、お願い聞いてくれたら、



もうあなたを、この事に対しては、追求しません」と、



答えると近藤は、「ああ、約束するよ」と、



言って利奈を自分の寝室に、連れて行ったのであった。



ベッドに着く二人は、見詰め合い近藤は利奈を抱きしめた。



利奈はやはり強い安心に満ちた。



自然と安らぐ利奈は、泣くことも無く目を瞑ると、安らかに眠りに着いた。



そんな利奈を見詰めながら、近藤も目を瞑ったのであった。



この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。

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