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第五章 リフレイン2

オリジナル:http://blogs.yahoo.co.jp/kome125

次の月曜日、



昼休み、会社近くの和食の店で、利奈と近藤は食事を共にしていた。



近藤は食事をしながら利奈に、「昨日は済まなかった。



まさかあいつが、あんな不審な行動を、取るとは思わなくて」と、謝った。



利奈もご飯を一口食べながら、「それで今日は、



昼食を奢ってくれるのね」と、納得した様子だった。



近藤は笑いながら、お茶を一口飲み改めて、「いや、まさか利奈と、



あんな所で出くわすなんて、恥ずかしい」と、頭を掻いた。



利奈、「それよりも、その彰子さんが言っていたリフレインとは、



どう言う意味ですか」と、首を傾げた。



近藤も首を傾げて、「さー、さっぱり解らない、追いかけて問い詰めたが、



震えて何も、その事は語らないのさ」と、首を傾げた。



利奈、「曲の歌詞の中によく書いてある、



同じ歌詞を繰り返す意味ですよね」と、問うと、



近藤は、「あー、普通はそう言う意味で使うが」と、理解に苦しんだ。



利奈、「彰子さん何かを祈る様に、手を組んでそれを胸に当てていたけど、



何か強い願いを抱く様に」と、告げると、



近藤は、「あんな彰子始めて見たよ、いつもならサバサバしていて、



あんなしおらしい姿、見せた事はないよ」と、恐怖を感じた。



すると同じ企画部の、垣田が汗を掻きながら、



店に入って来ると、二人を見つけて、カウンターの近藤の横に座った。



それを見た近藤は、「外は大分暑いですね」と、苦笑いで答えた。



即店員の女性が、カウンターにお絞りと水を持って来て、



垣田はお絞りで、首筋の汗を拭いていた。



垣田、「堪らんよ、会社からここまで来るのに、倒れそうだ。



今年の夏は異常だよ、7月もまだ半ばだと言うのに、



都内の気温が35度超えているなんて、世も末だよ」と、暑そうにお手拭で、



顔も拭いていた。



近藤、「どうですか、今年のビールの売り上げは」と、問い掛けると、



垣田は、「お陰でこの暑さで順調だよ、うち位なもんだよ、



一般企業で、去年寄りも今年の方が、売り上げが好調なんて、



ボーナスが出せない企業が続出している中で、



一部上場なんて言うのは」と、豪語した。



近藤、「喜ばしい事ではないですか、世界不況の真っ只中、



安定した売り上げを保てるなんて」と、我が社を誇りに思った。



垣田、「その代わり、企画部は新製品に喘いでいるが」と、今度は反対に嘆いた。



そして店員が来て、垣田は注文をしていた。



利奈が何気なく垣田に、「リフレインて意味解ります」と、尋ねると、



垣田は、「オジサンにそんな、英語聞かれても困るな、



もう55歳で、後5年で退職だよ」と、言いながらネクタイを緩めた。



垣田はそれでも、「リフレイン、詩を表し小説の一説と解くと、



各節に同じ部分を繰り返すと習うに、思い出を表す。


それは一番華やいでいた人生を、繰り返すと解けば、



リフレインそれは、人生の復刻を表すか」と、頭を捻った。



利奈、「難しくてよく解りません」と、首を傾げた。



近藤、「つまりだ、小説の物語で言うなら、主人公が華やいでいた季節、



そうした場面から、不幸が訪れる。



やがて主人公は最後にはまた、幸せが訪れると言う事かな」と、語った。



垣田、「リベンジそれは、自分の力で幸せを取り戻すと解釈するなら、



それに対しての、繰り返すと言う意味での、リフレインならば、



哲学的な話だけどね」と、悟った。



近藤、「彰子はなに考えていたんだか、さっぱり解らないな」と、悩んだ。



利奈、「いずれにしても、キリスト的表現に思えたけど、



指を組みそれを自分の胸に当てて、祈る様な仕草をしていたから」と、告げると、



近藤は腕を組んで、「あいつとうとう、気が狂い始めたな」と、弱ってしまった。



垣田、「誰なの、その彰子さんとは」と、問うと、



近藤は、「いや、別れた妻がある事情で昨日、突然僕のアパートを、



尋ねて来たのですが、居酒屋でしばらく呑んでいまして、



元妻に復縁を求められたのですが、少し元妻に問題がありましてね。



ですが居酒屋を出て、偶然昨日加藤訓と道端で出くわしまして、



そうしたら加藤訓を見るなり、加藤訓の頬に軽く手を触れて、



急に、『リフレインて、本当にあるのね..』と、



呟いて、『もう私はあなたの元に、戻れなくなってしまったのね』と、一言呟いて、



一人で歩いて、行ってしまったのですよ」と、呆れていた。



それを聞いて、悩む三人であった。



そして会社を終えて企画部は、軽く皆んなで近くの安い居酒屋で、呑む事にした。



利奈はだけは一人、帰宅して夜は、自分のアパートに居た。



食後に精神安定剤を飲み、床に座り一人で考えていた。



リフレイン。



その言葉が頭を過ぎる。



彰子が自分の頬に触れ、怯えていた事が心に残っていた。



すると携帯が鳴った。



テーブルに置いて有った、携帯を開くと、メールが着信していた。



光秀からだった。



[今要約、仕事が片付いた。牛丼食って帰る。]



そんなメールに利奈は、[気をつけて帰宅してね]と、打ち返し携帯をテーブルに置いた。



そしてまた、日曜日の出来事を思い返していた。



すると突然、フラッシュバックが脳裏に起きた。



白黒画像で、何処かの山岳地帯が現れ、誰かと写真を撮っていた。



隣は男性であったが、やはり顔が光って見えなかった。



撮影者が何か支持していた。



自分は笑みを浮かべ、撮影者も手を上げて、ファインダーを覗き込んでいた。



そして画像は、フェードアウトされて行った。



するとまた、違う画像が脳裏に現れた。



誰かが同じ場所で、自分の左の薬指に、指輪を入れてくれていた。



自分はその瞬間、涙が頬を伝っていた。



そして画像は消えていった。



利奈は光秀が薬指にしてくれた、指輪を見詰めた。



明らかに形が違っていた。



今自分がしている薬指の指輪の方が、綺麗で輝いていた。



そして利奈は思いに更けて行った。




この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。

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