表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

斎藤右兵太夫龍興

まったく、笑えてくるな。信長、誅すべしなんて息巻いていたのに。こんな矢が刺さってもう、死にかけなんて。ん?なんだ?若武者、名を名乗れだぁ? ふ、もうすぐ殺される人間の名前なんてなんの役にたつんだ。ああ、褒美ね 、信長の褒美は多いらしいね。いいよ。名乗ってやるが、そのかわり、ちょいとしゃべらせろよ。わしの名は、斎藤右兵太夫龍興だ。まあ、そう驚くな。もうすぐ死ぬんだし。おれの約束通りしゃべらせろ。まあ、わしは知っての通り元美濃国主だ。13歳で家督を継いだ。当然、政はすべきだが、まだ幼いからな、右も左もわからない。だから、酒と女に溺れた。あ?だからの意味がわからない?ああ、わかったよ。本当のことを言うよ。わしは酒と女がすきなんだ。

まあ、酒と女に溺れたわけだが、当然の如く、国は乱れた。そんなとき事件が、起こったんだよ。竹中半兵衛に城を乗っ取られたんだ。あ?小便ひっかけられたからやったんだって?

馬鹿かお前は。なんだその顔?まるでお前だけには言われたくないっていう顔だな。まあいい、あれは諫言だよ。酒と女に溺れ、政にやる気をださないわしへのな。 まあ、そんなんで、城はすぐに返された。だが、人間好きなものだけはやめられないらしいな。そうだろ?お前の主人の信長だって、多分この乱世が好きなんだろう。ほんで、わしは酒と女に溺れ続けた。だがそのうち、3人衆までもがわしを裏切りわしは信長に国ごと奪われた。まあ、わしは逃げたわけだが、この最中にわしは自分の中の野望の声が聞こえたんだ。そいつは、こう言ってんだよ。美濃国主に返り咲けとな。

おい、信長包囲網はだれがつくったか知ってるか?足利義昭公だよ。だがこれも、所詮机上の空論だ。だが、わしは自由な立場だし、名声はあるからな。反信長大名の浅井、朝倉、本願寺の周りをかけずりまわり、完成さしたんだよ。

これは、我ながら傑作だった。信長の首がみれる。本気でそう思ったよ

お前、なにか勘違いしてやがるな。わしは美濃国主に返り咲いても 政をする気はない。

むしろ、酒と女に溺れるつもりだ。

おい、あきれるな。これはすごいことだ。政をしなくても平和。そんな国をつくりたいんだ。そしてわしは、女に囲まれて死ぬ予定だったが、こんなジメジメした坂の上で死体に囲まれて死ぬとはな

わしが朝倉のもとを逃げなかったのはわしの野望が達成できるのは、朝倉だけだからだ。

本願寺に天下とらしても、おおっぴらにはできない。野望なき世で生きるのはつらい。

おい、若武者、信長に言っとけ。楽しかったとな。わしはお前と争っているときに

生きていると感じた。感謝しているんだぜ

もうしゃべることはない。そういえば、お前頭が高い。おれを誰だと思っている。

信長包囲網を実現させ、信長を苦しめた男、斎藤右兵太夫龍興だぞ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ