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織田勘十朗信行

まったく、訳がわからない。なぜ父上は、あの大うつけを織田家当主にしたのだ。わし、織田勘十朗信行は、天を仰ぎながらそう思った。あのうつけは、父の葬儀のとき焼香を父の位牌に投げつけたのだ。あのうつけは人の道にも外れている。

だが、あのうつけの時代も終わる。

「殿、万事整いました。」

猛将柴田勝家が

「殿いよいよですな。」

うつけの一番家老であるはずの林秀貞がわしに味方する事を誓っている。わしは笑いを堪えるために、勝家にたずねた。

「わしの軍とあの者の軍はいかほどじゃ」

「は、我ら千七百。敵は七百でございます。」

「ふはははは、勝った、勝った、勝ったぞ。勝家、お前は軍を率いてうつけの首をとってこい」

「は、必ずや信行様を織田家の当主にいたしまする。」

「うむ。」

わしは、勝家の返答に満足しながらさけんだ。

「信長、誅すべし」

わしは、勝ちを信じて疑わなかった。すぐにうつけの首が届くのものだと思っていた。。しかし現実は、ちがった。

「な、なに!我が軍のまけじゃと!」

「は、面目次第もございません・・・」

勝家と、秀貞 が平伏する。

合戦の次第を聞いてあいた口がふさがらなかった。

初め、優勢だったのは我が軍だったらしい。だが次の行動が状況を一変さした。

うつけの大声。

これで怯んだ我が軍にうつけたちが突撃し、我が軍が負けた。

「母君様のとりなしで、信長様に謝れば殿の命は助かります。」

「そうか・・・・」

もうこうなったら仕方がない。わしは沈む気持ちのまま、うつけのもとにいった。

「勘十朗!!どうゆうつもりじゃ!!」

うつけの大声が響いた。さすが勝敗を決めた大声である。雷のように響く。

「は、申し訳ございませぬ・・・」

うつけにひざまづく。屈辱、屈辱、屈辱。

「ま、母上からも助命を願いだされているゆえ、許す、が次、家督を狙えば容赦せぬ」

「ははー」

わしはうつけに屈した。

その一年後、勝家から情報がもたらされた。

うつけ重病ゆえ、わしに家督を譲ると

わしは信じなかった。ただ殺すためであろう。しかし勝家はさらに言った。

「母君様もよばれています。」

ほう、これは本当だな。いくらあのうつけでもわしを母上の前では殺すまい。わしは安心して城にのぼった。

「兄上・・・・」

わしは一応心配してるふりをする

「勘十朗、わしはもうだめだ。織田の家督はお主に譲る。」

「は、ご安心を。織田家を立派にしてみます。」

お前とはちがってな。うつけ。

「勘十朗・・・・・・」

「なんでしょう、兄上」

「次、家督を狙えば容赦せぬと言ったであろう。」

うつけは懐から、小刀を出し、わしを刺した。

わしとてこうなることは覚悟していた。だが、母の前とは・・・・・・

わしは横目で母を見た。母は泣いていた。

あいつはうつけじゃない。悪魔だ。

わしがこの世で最後に見たものは、悪魔の笑い顔だった。





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