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『X・OVER WORLD』  作者: 工人
第一章『近代魔法世界編』
16/25

幕間2『通り魔の目線(地を這う高さで)』

どうも、工人です。

実は今回の話、特に意味はありません。

何となく、世界観や雰囲気の描写の足しにしてみようかな、と書いてみました。

あと、前回の話が自分の中では余りにも短かったと思うので、今回のを合わせて一話分(約全角一万文字くらい?)になるかなー、とか考えてたり。

いや、質より量になってしまっては本末転倒なんですが。すいませんが今回は見逃してください、ぺこり。


では、幕間2です。どうぞ。


 俺は死体が好きだ。

 赤黒い血が好きだ。青白い肌が好きだ。

 見開いた瞳孔が好きだ。淀んだ体液が好きだ。静かな心臓が好きだ。動かない身体が好きだ。

 もし俺に身体から抜けて逝く魂が見えるのなら、きっとそれも大好きだ。

 人間だったモノの残響が好きだ。土と灰の材料が好きだ。悲劇の産物が好きだ。冷めていく熱っぽさが好きだ。

 だから人が大好きだ。

 生まれた時から、俺はそんな人間だった。

 少なくとも、虫を捕まえた幼児が、その手足や首をバラバラにもいでしまう程度には――。





幕間2『通り魔の目線(地を這う高さで)』






 ――()った!!


 世間様では『通り魔』と呼ばれる俺は、ナイフを突き出しながらその感触を思い描き、内心そう叫んで喝采を上げた。

 夜城唯貴博士の暗殺。

 それが、間接的な上司である“第一聖人”から下った命令だった。

 俺みたいなトチ狂った殺人嗜好人間を拾ってくれたリヒドの旦那ならともかく、あのオッサンみてーな野郎に従う義理なんぞ無い筈なんだがなぁ……旦那も一緒になって頼んできたんだから仕方がない。

 それにしても、通り魔に“暗殺”の依頼とは。

 強いて言うなら、“殺害”が正しい依頼内容ってもんだ。

 いやそもそも、通り魔であって殺人鬼ではないのだから、依頼なんて持ち掛ける方がナンセンスだろう。否、やっぱり暗殺者にでも頼め。プロの一人もいないのか?

 俺は夜の街をフラフラさまよって、見かけたヤツを殺したい時に殺したい様に殺す。

 人様の家宅に忍び込んだり押し入ったりなんてしたくないし、恨みつらみで殺す相手を選んだりもしない。相手から持ち物だって奪ったりしないし、苦しめて殺すのは忍びない。邪魔だから消す、なんてもってのほかだ。

 空腹感から狩りをする獣みたいなもんだが、最低限の節操くらいは持っている。

 そこが殺人鬼とは違うのだと俺は思うね。

 もっとも、そう言ったらリヒドの旦那にゃあ笑われちまったが。

『私には、えり好みして殺したり、殺すことに“殺す”以上の意味を見出だしたりすることはできないな……』

 だ、そうだ。昔戦場にいた経験があって、生きる為ですらない殺人を繰り返した所為なんだと。俺にはよく分からん。

 まあそれはともかくとして、俺はどこから手に入れたのかも知らないオッサン導師からの情報を元にして、ターゲットの自宅を張っていた訳だ。

 ――実に上手くいった。

 ただ、夜に戻ってきた夜城博士がぞろぞろと魔女の仲間を連れて来たのには肝を冷やした。そもそも家主は留守とはいえA級魔女。危険度では夜城博士本人は言うに及ばず、裏じゃあ要注意人物扱いされているB級魔女の『白翼(フーケ)』まで。

 きわめつけは、その中にあの『赤の魔女』がいたのを見た時だ。口から飛び出すのを通り越して、心臓がどっかに行っちまったかと思ったぜ。流石に一介の通り魔風情に、一国の軍事力に相当するような怪物の相手は荷が重すぎる。

 しかし幸運だ。深夜、ターゲット本人は無防備にも一人で家を抜け出していった。

 その後を暗闇に紛れて尾行()け……人気の無い路地裏に入った辺りで仕掛けることにした。気配を上手く消してくれるリヒドの旦那自作の魔動機を借りていたのが役に立ったぜ。意外と何でも出来るあの人を、俺は尊敬している。

 さて、誰にも連絡を取っている素ぶりはなかった。今なら邪魔は入らない。

 そう確信して、気配を消したまま近寄り、背後から得物(ナイフ)を振り下ろす。

 じっくり、ゆっくり、ざっくりと。

 ……結果、気づかれたことに愕然とすることになったんだが。

 まあいい。どうやら相手は、武装を持っていないようだった。恐らくコートに仕込まれているだろう防御魔法に関しては、触れただけで勝利が確定する俺には初めから意味がない。

 そもそも相手の衣服の一部に触れさえすれば、身体まで麻痺が及ぶ。

 緊急防御(シールド)という魔法は、原理的に大怪我するレベルの攻撃以上にしか反応しない仕組みになっている。

 だから勝利は確定。

 突き出したナイフは、胸の中心に――

 (かわ)されない、しかし致命傷にもならない程度の絶妙な加減をした勢いで。

「――あばよ、夜城博士。アンタは、知りすぎたんだ」

 殺される刹那の博士の目は、俺が初めて見た、諦観混じりの、死を受け入れた人間のものだった。

 いっそ澄んでいるように見えるくらい、絵の具のような真っ黒に濁っていて……下手な言い方をすれば、心が“何か”に犯されて、病んで、壊れて、死んでしまっているような……虚無感。

 馬鹿げた話だが、まるで“殺されること”に慣れているようにすら見えた。

 ――そして、それは中心に、吸い込まれて。

 殺した……筈だった。


 後は言うまでもない、俺の惨敗だ。


 ナイフを止められたことに目を見張り、思考が凍った。

 何故?

 何故?

 何故?

 博士の目は、変わらず死を受け入れている。

 違う。コイツじゃない。


 その時、複雑に入り組んだ紺色――路地裏の空から響いた、少女の声に。


 俺は真上を、仰ぎ見た。


 正確には、俺の横に建っているマンションの四階付近、ベランダの手摺りの上に立つ、あまりに美しい少女を。

「通り魔さんは私に下さる約束……だった筈ですよ、お姉様?」

 誰だ?

 ……待てよ、あの距離から止めたのか?

 アイツが?

 どうやって?

 そこまで考えて、ゾッとした。

 身体技能、魔法技能、武器、防具、魔動機、その他の方法。

 どんな方法を使ったにせよ、俺なんかとは桁が違う。

 いや……それ以前に、この少女はどうやってこの場を察知した?

 夜城博士は、誰にも連絡を取った様子はなかった。あの部屋の住人だとしても、気づくのなら先に下の階の奴が気づく。それどころか、先に警察が呼ばれてくる筈だろうが……!

 有り得ない。少女は、戦場でやった事も異常なら、戦場に立った方法も異常だった。

 更に少女は、地上十メートルのその場所からアクロバティックに飛び降りるという、とてもじゃないが正気の沙汰とは思えない方法で俺の前に降り立った。どんな方法を使ったのか分からないが、キレイに着地してみせた上で、だ。

 魔法は、魔力素が上空に浮いていく性質と大気に溶け込む性質を持っている所為で、重力にも大気にも干渉できねぇ筈なんだけどな……。

 もはや、自分では取り乱しているのか落ち着いているのかも分からないほど焦っていた。


 ――その後は、正直言ってほとんど覚えていない。あまりにも現実感がなさすぎたからだ。

 よく分からない魔法で両手を斬り飛ばされたり、また何事もなかったかのようにくっつけられたり。痛みで意識が真っ赤に染まったりもした。

 リヒドの旦那が助けに来てくれて、しかも弱いと思っていた夜城博士が、阿呆みたいに強かった旦那を、逆に倒しちまうくらいに強くて。

 気がつけば、なんとか旦那を担いで教会まで逃げ帰ってきた。

 入るなり俺達を見た導師のオッサンが駆け付けて来たが、俺は疲れて口も開けない有様だった。

 旦那のように、俺もそのまま意識を失ってしまう。

 必ずリベンジしてやろうと、心の奥底に誓いを立てて。

 今はまだ、眠っていたい……いずれ奴らが、此処に来るまで――

今回は後書きを割合。

特に挑戦した訳でも描写に力を入れた……というか描写をした訳ですらないので。

つまり書く前から駄文前提の文字列。

『なんでこんなの他人様に見せちゃってるの?』的な。

平にご容赦ください。もうしません……多分。


さて、なんとここから物語は急展開。


以下の文と全く同じ事を次話から冒頭にのせる予定ですが、後書きなんてつまらないものを読んでくださってる方に先行公開。

だからどうした? って程度の内容ですが。



作中設定でいう所の“物語(イベント)”的に説明。



『遂に一連の魔法事件の黒幕を突き止めたリアン達だったが、リーダーである夜城唯貴博士が突如として遺書だけを残し、失踪。

 突然の異常事態に仲間達が揺れる中、その時リアンは、失踪する直前に唯貴が残した言葉を思い出していた。


「気をつけて、リアン君――恐らく、ボク達の中に“内通者”がいる――」


 夜の街。何かに気づき、暗闇の中で一人必死に急ぐ夜城博士の背後に近寄る不気味な影。

 翌日、道標を失ったリアンらの前に夜城博士の友人を名乗る“ミューリヒェン”という少女が現れる。彼女の情報提供により、“夜月の教会”の拠点が“レーゲル社本社ビル”であることを突き止めたリアン達であった。

 だが、突入作戦を敢行するリアン達の前に立ち塞がる敵によって、激戦の火蓋が切って落とされた――!!

 魔法が文明に組み込まれようとしている激動の時代の中、リアンは歴史に流され自分自身を見失わずにいられるのか? 妄念のごとき亡霊達の野望を打ち砕けるのか?

 魔動機(新魔法)vs魔導師(旧魔法)。

 近未来魔法科学ファンタジー、ついに開幕!!』


みたいな。『X・OW』(ウチの作品の略称。今後はコレで通します。タイトルをケータイで打つと長いんだもん)の設定的には、『前の世界でリヒド君の愛読書の一つだった漫画』という設定。彼(彼女?)は既に夜城博士失踪事件という原作イベントに介入してたりする。


ちなみに次話からメインで描かれるのは、一人黙々と裏工作をする唯貴くんです。地味だね。


ではでは、またお会いしましょう。

しーゆーあげいーん。

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