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『X・OVER WORLD』  作者: 工人
第一章『近代魔法世界編』
10/25

第七話『無力な存在』

 どうも、工人です。


 今回は重要な話にも関わらずすごくアレな内容です。R指定的に。


 さて、またもやTSの話なのですが、今回は百合じゃなくて吸血行為です。

 え、意味が分からない?

 むしろそんなカオスさがこの作品です。


 生暖かい目で批評の程よろしくお願いします。


 何かよく分からないモノの焼き焦げたような臭いが鼻をつく。

「……か、はっ……!」

 今まさに爆炎が迫る中、ボクは静かに赤い魔瞳の力を発動させていた。

 一度目の爆風で、力を抑える特殊な眼鏡が外れていたのが幸いだった。

『視界に入った他人の固有特色に染まっている魔力をある程度浄化して、無色な魔力に戻す力』。

 それが夜城唯貴が持つ赤い瞳の効力。かつて大魔導師“夜の月”が持っていたと伝わる魔瞳の力の一欠片。その世、その時代のただ一人に背負わされる、世界の魔力を自浄する役割。

 これによって炎を生み出していた術式の魔力の一部を崩し、威力を大幅に減衰。

 口から血が零れようかという瞬間、黒天剣を使い対リアン君の時のような、魔力を物質化させた結晶物理防壁の展開を間に合わせる。

 紅蓮の炎波を黒く透き通った壁が塞き止める。

 ボクは炎と防壁がせめぎ合い視界を遮る中、敵の死角であるそこで転移術式を無理矢理に並列起動し、何とか自宅へ逃げ帰ることでその場を離脱したのだ。

 下に覆い隠していた気を失っているリアン君は、今はボクの上に。反対に、ボクは下に。

 彼を横に転がしてから、

「ぐぅ……っ!!」

 ――鉄パイプを無理矢理引き抜いて……力無くその場に落とし、転移のズレからリアン君を庇って床木に同化しかけている背中を『突然変身(めたもるふぉーぜ)』で分離、再構成する傍ら腹の穴を塞ぐ。

 並列の作業と負傷の痛みによって、修復の速度は著しく遅くなっている。途中、激痛によって意識が何度か落ちかけた。

 なんとしてでも傷を塞ぎきらなければ死に直結するのを経験則で理解しながら……ボクの意識は、尽きた体力によってまどろみに引きずり込まれるように暗転した。





第七話『無力な存在』





 夜風の冷気が顔に当たる感覚でボクが目を覚ますと、まず目に入ってきたのは薄暗さのかかった白い天井だった。

「生き……てる……?」

 もし死んでいたのなら、目を開けた瞬間にあの黎明の雲海で神の前に立っていた筈だ。

 つまりボクは生きている。

 ……あやふやな思考を整理する。

 何があった?

 昼間、喫茶店での襲撃。

 連日の事件の犯人に何処からか赤い瞳の情報が漏れた、もしくはボクを恨んでいる転生者の仕業。

 腹部の傷は綺麗に塞がっている所をみると、どうやらボクは修復を上手くやり遂げたらしい。死の瀬戸際を思い返して、冷や汗が背中を流れる。

 昼から夜まで寝たきりだったようだ。

 床に寝転がっていたのだが、隣には未だリアン君が気を失った状態で目を閉じていた。

 暗くて分かりにくいが、外套警察の制服である青灰色のロングコートは、所々がボクの血で赤黒く固まってしまっている。

 手探りで電気スイッチを探し明かりを付ける。

 魔力の工業利用は未だ研究中で一般化出来ていない為、照明などは電力で賄われていることが多い。

 そういえば、真遊と明石少尉が調査に行った『海藤魔動エネルギー研究所』が研究してたのが、安定して魔力を供給できる『魔力結晶炉』の試作開発だったか。

 スイッチを入れると部屋の外へ夜闇は追いやられ、たいして物のない部屋の中が照らし出された。

「うわ、床が殺人現場に……」

 血濡れた鉄パイプが同じく血まみれの床に転がっている様は、さながら撲殺が行われたかのような有様になってしまっている。

「……まあ、実際は刺殺未遂……いや刺殺だった訳だけれども。ボクじゃなかったら死んでたぞ……」

 冗談じゃない。リアン君にあんな話をした直後だったから、なにか物語(イベント)の根本を破綻させてしまって修正が行われたのかと思った。

 物語(イベント)の根幹は極力捩曲げないこと。

 これが、物語(イベント)を無事に生き残る為の必要条件だ。絶対条件ではないのが、難しい所だが。

 世界の修正力がどうとかいう恥ずかしい話をするつもりはない。けれど、何かに力を加えれば同じだけの反発力が働くのは、当たり前な話じゃないだろうか。

 もしくは、バタフライ効果というものも考えなければならないだろう。

「リアン君も怪我は無いのは確認済みだし、取り敢えず……お腹空いたな」

 着替え掃除洗濯、皆への連絡やリアン君を起こすことすら後回しにしてこんな選択をしたのは、多分血が足りなかったのと『突然変身(めたもるふぉーぜ)』が体力を消耗しやすい技能(スキル)だから、という言い訳を必要とする。

 足りない質量を捻出する際は、触れているものを取り込むか生命力を変換するかの二択。

 人肉や血を取り込むには他人から奪わなければ調達しにくいので、実質は一択だ。

 特に血液の製造にはエネルギーを馬鹿のように用いるので、水分や食物から吸収した栄養分を取り込んでおかないと厳しいものがある。乾いてしまっている床の血は、色々と成分が壊れて使い物にならない。火で加熱されてしまっている部分もある。

 実年齢より三、四歳幼い身体で何とか健康体を間に合わせている状態では流石に不味い。養父なんかには間違いなく気づかれる。

 冷蔵庫には何か有ったかな……?

 部屋の明かりとリアン君をそのままに、ボクはキッチンに向かうことにした。




「う……うわあっ、殺人現場!?」

 取り敢えず急ごしらえのゆで卵(なんて生物の卵かは忘れた)サンドイッチを用意して、テーブルの上に置いた途端。

 ボクの部屋の方から、そんなリアン君の悲鳴じみた叫び声(というか悲鳴)が響いた。

「あ……しまった」

 彼の存在を忘れていた。

 間違いなく目を覚ましたままにあの凄惨たる現場を目にしてしまったのだろう。

 というか、知らない部屋で目が覚めて自分や辺りが血まみれだったら、普通は恐れ慄くと思う。

「唯貴さん、どこですか唯貴さん!?

 は……これは、まさか……」

 急ぎ部屋に戻る。説明しておかないと。

 部屋の前は、開いたドアから廊下に明かりが漏れている。リアン君の切羽詰まったような声も。

「くっ……唯貴さん、貴方の仇は必ずオレが晴らします。ですから、草葉の陰からオレを見守って……」

「こらこら、勝手に人を殺さないこと。説明するからこっちおいで、サンドイッチ作ったから」

「………………あれ?」

 きょとんとした表情のリアン君が現状を把握するのには、およそ十分の時間を要した。





「はぁ……転移魔法ですか。なんていうか、凄すぎですよね唯貴さんって。技術革新どころか、価値観の転換すら引き起こしかねない発明じゃないですか。公表されたりしたら、運送業あたりはすぐに暴落しちゃいますよ?

 いくら転生者だからって、そこまでの能力があるものなんですか?」

 テーブルで向かい合うボク達は、サンドイッチを食べながら現状の整理を終えたところだった。

「まあ、ボクは長生き……してきたから。

 魔力がある世界も科学が発達した世界も、それ以外の世界にも転生したことはあるからさ。知識も技術も経験も、転生者以外には負けるつもりはないよ。才能や身体能力は、別としてだけど」

 転生者にも、かなう人間は皆無に近いだろうけれど。

 思い上がりでもなんでもない。それだけの時間と空間を、ボクが渡り歩いてきたというだけだ。

 崩れる足場に追い込まれて。

 次の足場に縋り付いてまで。

 見るとリアン君は、少し俯いていた。

「オレなんかが、教えを乞うてもいいんでしょうか」

「それは……どういう意味か、一応聞いてもいいかな」

 聞かなくたって、本当は分かる。

 若くしての死が多かったとはいえ、三千回の人生経験は伊達ではない。

 けれど聞く。聞いてしまう。

 一周して他人との友好に後ろ暗さがある。

 利用しているような罪悪感がある。

 胸を刺すような、心を突くような、痛みが。

 何度言えば分かるのだろう。

 そんなのは、ただの偽善だ。

 この身体だけが感じていて、きっと魂はちっとも傷ついてなんかいないに決まっている。

「オレなんか、唯貴さんみたいな立派で凄い人に迷惑かけてるんじゃないか、って……気になっちゃいました」

 言わないでよ。

 やめてくれ。

 違うんだ。

 ボクは、そんな人間じゃない。

 けれど口は勝手に動く。

「良いんだよ、むしろボクは君が良い。君にならボクは力を貸しても、強く育ててしまっても構わないと思ったんだからさ。だから――」

 なのに口は勝手に動く。

 ボクは、そんな人間じゃない。

 違うんだ。

 やめてくれ。

 言わないでよ。

 ボクが言いたいと思うこと、彼が言われたいと願うこと。

 弱みに付け込んで、求められるままに言葉を吐いて。

 自分の本心の筈なのに、どこか本心に思えない。

 本音があまりに綺麗言すぎて、自分にだって建前にしか聞こえない。

 ボクは彼のいうような立派な人物では、断じてない。

 でも――

「――だから、君が相応しいかどうか悩む必要なんてないんだよ。

 敢えて言うなら、君こそが、相応しい」

 もうすこしだけ、このあやふやなままでいたい。

 どっちつかずの自分でいたい。

 それが、ボクの根本を治療するには必要で有用で効果的なのだろうから。

 ああ、ボクは――

「………………裁かれたい、のか」

「はい?」

「いや……何でもないよ」

 そんな内心を適当にごまかす。

 幸いにして、気づかれたりはしなかった。

 それがまた罪の意識を誘うのだけれど、今は押し殺す。

「ありがとうございます、そういってもらえて少し楽になりました。

 ……それにしても」

「ん? なにかな?」

「よく食べますね」

 その言葉に、さっきからさりげなくサンドイッチを口に運んでいた手をピタリと止める。

「うん。体積が足りないから、食べて食べて質量を補充しないと。今の身体は三、四年前の状態に近いから、見た感じただの中学生くらいじゃない?」

「『突然変身(めたもるふぉーぜ)』でしたっけ? 変身能力って便利そうですよね……なんか、前の人生での弟を思い出しました。元気してるかなぁ」

「良いお姉さんだったんだね。……今はお兄さんな訳だけれども」

 前の人生か……そういえば、前の人生ではボクにも姉がいたっけ。村みたいな田舎に残ったボクと違って、(シティ)まで働きに出ていた結構バリバリの科学者だったな……妙に優しかったけど。

 たまにはと思って街に会いに行く途中で、ムカデの化け物に襲われて……『我は瞳(アイズ)』っていう知り合いの転生者に助けられた時点で拳銃自殺したんだっけ。

 あれはあからさまに『我は瞳(アイズ)』ヒロインルートっぽかったんだよなぁ……。

 確かに、昔からあの()とは仲良かったけどさ。

 っと、自殺のこと考えたら身体が寒気を感じてきた。サンドイッチを口から戻しそう。マズったな……

「『突然変身(めたもるふぉーぜ)』って、初期能力(デフォルトスキル)なんですか?」

「いや、デフォルトスキルは別だった。これは比較的最近手に入れたスキルだからね、昔は苦労したよ」

 初期能力(デフォルトスキル)というのは、転生者として最も基本的な能力のことを言う。

 神様に最初に貰ったスキルの別名で、これが無くなるのはかなり稀だ。というか、平凡な世界以外に転生すると難易度高い人生を送ることになる。

 最初の人生での最期の願い、あるいは人間性などを神様が汲んでくれているようで、本人に関わりが深い効果を持っていたり、逆に皮肉が利いていたりもする。

 例えばリアン君の凍結技能(スキル)一時停止(アブソリューション)』だが、さて、前世の彼女は冷徹な人間だったのか、それとも凍死でもしたのか。

 あるいは焼死の間際の願いが聞き届けられた可能性もあるし、予想もつかない可能性だってある。

 もしかしたら、冷蔵庫マニアとかアイスクリーム大好きっ娘だった可能性もないことはない。

 なんにせよ、前の人生のことは聞かないのが転生者の常識だ。

 よってリアン君、罰ゲーム。

「そうだなぁ……じゃあちょっとだけ、見せてあげよう……か!」

「うわっ!?」

 言い終えた直後、身体が無数の蝙蝠(コウモリ)に分裂して部屋を飛び回る。

 意識はその中の一体だけにしっかり残っている。

 そして驚き戸惑うリアン君の背後にたどり着くと、他の蝙蝠(コウモリ)達を集めて再び身体を形作る。

 瞬く間に蝙蝠の群れの中から現れたのは、腰まで届く金紗の髪に赤い目をした、西洋風で高校生ぐらいの少女の姿。肌の色は鮮やかな程に白い。

 ていうかボクなんだけど。

 ちなみにテーマは吸血鬼。短いけどちゃんとキバもあるよ。

 幼げな容貌に不釣り合いな妖艶さは、男なら誰もが見惚れるような物。

 ただし、雰囲気を出すために一糸纏わぬ裸であることを除いて。

 首に手を回すように、背後からリアン君に抱き着く。

「うりゃ」

「ひゃあっ!? い、唯貴さんですよね? あの、なんか、背中に……!」

 むにむに。

「当ててるんですよ……なんてね。ふふ、赤くなってる赤くなってる。可愛らしい殿方ですわね……」

 勿論、こんな台詞を夜城唯貴が素で言っている訳ではない。脳の構造自体もある程度身体に合わせて再現されているので、記憶以外はかつての自分に戻っている、といってもいい。

 つまり、今のボク――あるいは私は、身体も中身も女の子そのものなのだ。

 千と一回前のその時の名前は、アリシエル=V=フロイライン。由緒正しい吸血鬼一族の末裔、血の三姉妹の末っ子でありながら、比較的ほのぼのな人生を送れた希少な人物 (?)であり、初めて『突然変身(めたもるふぉーぜ)』を手にした人生である。

 しかし百合で淑女(ヘンタイ)な二人の姉様に悪影響を受けて、自らも後に淑女と化した悲しき少女でもある。

 三女がある日気まぐれで三男に変身させられていたりしたのは日常茶飯事だったり。

 最後はうっかり聖域に脚を踏み入れて閉じ込められ、結界ごと蒸発して灰になりました。

 美少女の灰………………最高に灰ってヤツだ!

 自重。

「えいっ、えいっ」

「あわ……あの、その、唯貴さん……!?」

「ていっ、ていっ」

「首に、あ、当たって……肌と肌がっ……!」

「かぷ」

「ふあっ!?」

 隙を突いて首筋に噛み付く。

 八重歯……もといキバの面目躍如。

 皮膚を食い破って流れ出た血を、舌で舐め取るように吸っていく。

 少女の姿になったのはこの為。夜城唯貴では気持ち悪くてできやしないだろう……互いに。

「はふぅ、んっ、ちゅ、んぅっ……」

「う……あ、唯貴……さ……」

 ……あれ、なんか、ヘンな気分になってきた。

 アリシエルが分類される吸血鬼にとっての吸血行為とは、食事、契約、そして……生殖行為。

「ぺちゃ……っはぁ……んんっ」

「……そんな、やめ……」

 今回のは食事ではあるが、同じ三大欲求であるそっちまで刺激されているのかも。意味が違っても、結局やってるのは吸血っていう同じ行為だし。

 簡単に言うと、ちょっとだけ気持ちいい。

 吸う方も。

 吸われる方も。

「ふぅ……ごちそうさまでした」

「お、お粗末様でした……」

 首元から口を離すと同時、リアン君は机に突っ伏す。

 よく見れば、顔が真っ赤になっていた。

 やれやれ、情けない。

「前世では女性だったのではないのですか。免疫、無さすぎるのではありませんか?」

「今の唯貴さんには敵いません……刺激が強すぎです。女の子より女の子らしいですよ?」

 そりゃあボクは性別なんてあってないような存在ですけどね。厳密には男でも女でもない。

「それに、今のオレは男子高校生なんですよ? 肉体に精神が引き擦られるって今日の昼間に教えてくれたのは唯貴さんじゃないですか。というか、いきなり噛むなんて酷いです」

 正論ではあるが、封殺。

「貴方が私の初期能力なんて聞いてしまうからですわ。転生者の過去には触れないこと。これもお昼にお話しませんでしたか?

 それで私、多少なりとも傷ついてしまったのですよ?」

「う……すいません」

「まあ今ので必要な血も足りましたので許して差し上げます。以後、お気をつけくださいね?」

「はい……」

 いろいろと夜想曲(ノクターン)すぎたが、取り敢えず落ち着いた。

 身体を蝙蝠達で包むように隠して、元の姿に戻る。

 羽ばたきが収まった頃には、再び男子高校生の夜城唯貴になっていた。

 勿論、服は着ている。実は蝙蝠に使っていた質量はこれだったり。『突然変身(めたもるふぉーぜ)』の真価は、こういった異物を取り込んでの物質変換にある。

「さて、と。おかげさまで回復できましたし……できたし、真遊と明石少尉に早く連絡しないとね」

 危ない、口調がまだ残ってたみたいだ。修正してやるっ。

 切り替わりの早いボクを見て、唖然とするリアン君。大丈夫かい?

「あ、はい。……すごい、首の咬み痕が消えてる……」

「吸血鬼の咬み痕は好きに治せるからね。従僕として操るつもりなら残ったままになるんだけど」

「……オレ、結構危ない橋を渡ったんですね」

「大丈夫だよ、信頼できる仲間にそんなことはしないから」

 いや本当に。まあ、今すぐならできないこともないんだけど。

 そんなことを伝えると、割と本気で怖がっていた。

 どうやらオカルトが苦手らしい。自分も魔女の癖に。

「魔力を科学で扱うってだけのエネルギー工学じゃないですか。体系化されてますしオカルトじゃありませんよ」

「科学的であることと非科学的であることは別に矛盾しないから、あんまり説得力はないかな」

「え、それってどういう……」

「さて、電話電話と」

「魔力通信ですよ、それ。じゃなくて、さっきの……」

「だって『魔話』じゃ語呂が悪いじゃないか。それともまさか、念話とでも呼べっていうの?」

「いえ、ですから……」

 その後、早い内に連絡はしておこうという話になり、ボクが真遊の持つ端末に連絡することになったのだった。

 という訳で第七話『無力な存在』でした。


 こんな後書きまで読んで下さっている方には軽くネタバレしますが、最後のオカルト云々という会話は結構重要な伏線です。

 魔力を科学で扱えるのは何故なのか。

 そもそも魔力素とはどこから齎されていて、自然界では何を構成している因子なのか。

 なぜ個人の性質に染められた固有特色のある魔力が他人にとって有害なのか。どこに干渉して、どんな害があるのか。


 分かる人はこれだけでも分かるかもしれません。


 それでは、また次回まで。しーゆーあげいーん。

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