『X・OVER WORLD』

『クロス・オーバーワールド』


かつてどこかで死んだボクは、黎明の雲海で『神』なんかと出会ってしまった。


それから繰り返す転生者(クラフト)としての人生は、ついに前回で三千回目。
神に気に入られ無理矢理に様々な生を繰り返した少年は自己が壊れ、やがて脇役願望を胸に隠遁、自殺に励むようになっていた。
彼が求めるのは、運命というスポットライトに捕まらない平穏な一生。あるいは神から解放されて転生を終えること。面倒な立場は、他の転生者達に任せてしまえばよいのだから。
そんな中、とある人生の際に彼は軽いトラウマを負う。自殺できなくなった彼は、持ち前の事件頻発性体質と人外の異能・技能で主人公として再び世界の流れに巻き込まれることに……！？


死にたがりである者。
強さゆえに弱い者。
守る為に傷つける者。
好きな人間を殺したくなる者。
人間嫌いの人恋しがりである者。
恋人の為の敵討ち相手が恋人当人である者。
生存願望と破滅願望を持ち合わせた者。
女性でありながら男性になってしまった者。
己の罪で相手にあたってしまう者。
既に見限ったモノに縋る者。
惑わぬ為に真実から目を背ける者。
そして、人間でありながら人外である者。
――これは、矛盾を抱えた人間達の物語。