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2nd

「は、歯医者・・・・w」

「苦手ですか?w」

「はい、超苦手ですww」


もう素直に言う。

格好悪いだろうが関係ない。

苦手なものは苦手だとハッキリ言うのが男だ。

そんな言い訳を心の中でしつつ、会話を続ける。


「キーンって音聞くと体が痒くなりますよねw」

と彼女。

聞くと、彼女も歯医者が苦手だったらしい。

今は働いて、少し慣れて良くなったようだが、今だに治療される時は恐いそうだ。


歯医者が苦手という共通のテーマが出来た俺達は歯医者トークに花を咲かせ、かなりの盛り上がりを見せる。なんというか、子供のようなはしゃぎっぷりをチャット内で見せている。


1時間があっという間に過ぎていた。

すると彼女が敬語抜きで話をしようと持ちかけてきた。

確かにいつまでも敬語使ってたら仲良くなれるものなれない気がしたので快くそれを了承する。

「あと、名前なんて呼べばいいですか?」

と少し遅れて質問が来る。

俺の名前は少し変わっていたので読めないのだ。

「ツヨシ(仮名)っていうので・・・」

と何故かHNを使わずに発言。

内心、しまったと思ったが信頼できる人っぽいのですぐに

(ま、いっか)

となる。


敬語の話をしていたのに名前に話題が向いてしまったので敬語で話す二人。

普段なんて呼ばれてるかを聞く彼女に俺は、自分のあだ名を言う。


彼女は俺が言ったあだ名に興味を示し「苗字とかかな?」と聞いてくる。

俺はその質問で何を勘違いしたか、苗字を聞かれたと思いそれに答えていた。

なんていうか、馬鹿爆発していた。

彼女も突然苗字を晒してる俺にさぞかしビックリした事に違いない。

俺のあだ名が苗字から取られてるのかなって思ったらしく、その質問したのに苗字を答えるなんて・・・。


「突っ込んだ質問になってごめんなさい」と彼女が謝る。

俺はもう何が一番良い答えになるのかわからなくなっていた。

「名前くらい偽りたくないのでw」とか俺は言ってるし・・・・。


ネットの世界で汚れた俺に言える発言じゃねぇ・・・。

そんな事考えた俺に彼女も

「ネット世界で汚れた私には新鮮な発言です・・・」

いやいや、僕も汚れてますから!!

「自分も汚れてますよwてか、名前多すぎて解らなくなるじゃないですか?w」

変な言い訳をしてミスを隠すしかない俺。

でも、自分が思ってた事だから・・・まぁいいか。


「でも、今日お初じゃないですか・・・それなのに聞いちゃってあわあわしましたw」

まったくその通りです。

俺のミスなのでまったく貴女には非がありませんよ。と、言ってあげたい気分だったが

「あわあわ」に何故か目が行く。

あわあわ?


あ~、あたふたしてる事か。

あわあわって可愛いな・・・。なんか、想像できるよ画面の前で焦ってんのが。


「あわあわって可愛いですねwでも、なんか信用できると思うとスラッと言ってしまうんですよね」

俺はまた率直な意見を言っていた。

もうなんかどうにでもなれって感じだった。


「僕は良い人を見抜けるんですよw」

とか言ってるし・・・。

まぁ確かに悪い人が周りにいないからね。

皆出会う人は良い人だという自信がある。


「うーん、なんかすごい良い人に話しかけちゃったみたい;;」

いや、俺が良い人なら天地が入れ替わるぞ?

「いやいや、僕が良い人だったら犯罪者がどれだけ良い人になるのか・・・」


それから少し話してふと気付く・・・まだ敬語を使ってると。

なので・・・「あ、えっと敬語どうします?」

俺は唐突に聞く。

「あwそうだった!自分から言ったのに」

この人はあれか?

天然か何かだろうか。

「気楽にしゃべって、私の名前はマユ(仮名)なので気楽に呼んで^^」

とサラッと本名言ってるし。


なんというか、憎めない相手だった。





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