プロローグ:ある決意
このお話はある約束をした男のノンフィクション恋愛を書き綴る感じです。
普通の恋愛小説とは違う所が多々あると思いますので嫌いな方は「戻る」でお願いします。
日本47都道府県の一つ。
この県にある街の中で一人の男が18時という少し中途半端な時間に湯船に浸かっていた。
何処にでもあるアパートは3LKで、おいだき付きである。
その風呂場には、小気味の好い語り口4MCとdopeなbeatをくれるDJの音楽が流れている。
風呂蓋をテーブルにして、煙草と灰皿、携帯、iPodとコーヒーが並んでいる。
5月のこの時間は電気を消すと薄暗く、男はソレを好んでか電気を消して入っていた。
ゆったりとした音楽に変わる。
男はため息を一つ付いて、携帯を開いた。
携帯は最近注目を浴びているタッチパネルの携帯だ。ミニダイアリーと書かれているアプリケーションを開き、文を入力し始めた。
その表情は虚無感を感じさせている。時々、指が止まりため息を付いて明後日に眼を向ける。
男の入力する文にはある女性への想いが書かれていた。
その女性に出会ったのはごく最近で、男は所謂一目惚れという奴だった。
彼女に出会った男は何か途轍もない魅力を感じ、そして恋というものに落ちてしまった。
そして、悩んでいた。
男は文を打つのを止めると煙草に火を付ける。
煙を勢い良く吹くと途中で勢いを失って漂い始める。
そんな情景を見て、男はまたため息を付くのだった。
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和室。
日本の特有香りを含むはずのこの部屋は今、俺の煙草の匂いで完全に消えてしまっていた。
5月で陽が長くなったと言えど、18時を過ぎると薄暗い。
電気を付けて、座椅子に勢い良く座る。
「ハァ~・・・」
最近、俺はため息ばかりしている。
悩んでいる・・・大いに。
23歳なのにも関わらず・・・、中高生か俺は。
目の前には、パソコンが置いてある。
5年間も付き合いがあるコイツは、俺の好きな音楽をいつも流すために必死だろう。
最近、少々うなり声が煩くなってきているがまだまだ生きてもらわないと困る。
俺は、マウスを動かして休止して真っ暗な画面を付ける。
小文字のEマークを押して、インターネットを開く。
此処は海のような世界だと俺は思う。
ソレは何故か・・・。
大好きなアニメの中でそう例えられていたから、だ。
そして、お気に入りに登録してある小説を書くためのサイトを開く。
俺には考えがあった。
このモヤモヤを小説サイトにぶちまけてやろうではないか!
開いて自分のIDとPASSを入力する。
そして、新規作成と書かれた場所をクリックする。
モヤモヤを消して、彼女と会いたいんだ。
俺は今その一心で画面に向かっていた。