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迷宮社会より地上社会の方が癖強なんだが!?  作者: ユキ サワネ
一章 迷宮育ちの行商冒険者
3/56

三話 宝来祭

いつも読んで頂きありがとうございます♪

探り探り書いてますので、読みづらい点はご容赦下さい。

 ―宝来祭―

 古の時代より継承される祭事。

 神々しく輝く万能樹に祈りを捧げると一年の息災と恩恵そして里の豊穣が約束される。


 里の民は皆欠けること無くその日を慈しみ敬い奉る。


 祈りを捧げた者はその身に生まれながら宿された二つの資質に神の加護が示される。


 左眼には不変の先天性星格が宿る

 右眼には有変の後天性星格が宿る

 

 この世界には星格(ほしかく)闘格(とうかく)財格(ざいかく)という慣わしが3つ存在する。


 ―星格―

 それは生まれながらにして誰しも持つ星型の紋章が眼に宿る。紋章の色味でその人物の資質が如何なるかを知れる。星格が高ければ高いほど心・技・体・知に大きく作用する。


 ・星格    色相(呼び名) 評価

   1    黄緑 スフェ   低

   2    緑  エメラ   ↓

   3    青緑 アレキ   ↓

   4    緑青 トルマ   ↓

   5    青  ラピス   ↓

   6    青紫 タンザ   中

   7    紫  アメジ   ↓

   8    赤紫 ルビー   ↓

   9    赤  ルベラ   ↓

  10    赤橙 トパー   ↓

  11    黄橙 トリプ   ↓

  12    黄  シトリ   高


 という具合に星格は呼び分けられている。

 里の広場を見渡せる小さな丘にある大樹は豊穣と恩恵を与える役割を担うが、里では星格のみ機能している。



 今年は更に賑やかな感じだ。

 年々、里の人口が増えて宝来祭も規模が大きくなりつつあるがこの祭りの肝は恩恵である資質の強化だ。

 先の救出以降、実力に揺るぎない自信と箔がついた。

 グスタバに代わり警備団を指揮し、里で必要な素材の採取や調達を熟してきたし、研鑽を積んできた。


 今日は里の中で祭りの準備も当然協力をする。


 里の広場では宴の準備がなされ、その準備の手伝いを約束していた為、里の中を駆け回りながらある事に思いを馳せていた。


 そう、地上への交易旅だ!


 宝来祭が終わればいよいよ行商人としての旅が始まるのだ!

 ワクワクを抑えきれてないのだろう、顔を見合わせる人達に嬉しそうな表情をしていると言われるが、そりゃぁもう、ずっと興味があった地上世界にいけるんだもの。そら、緩みますわな。


 準備を無事終えて一息いれているとふと気づいたのだが、里の人口が増えた事で祈りの開始時間も早まっていて俺の順番も近くなっていた。

 この一年の功績は里の誰よりも一番大きいと自負している。


 活躍に見合った恩恵を受けるとその度に出来る事も身体能力も増えて成長を感じ取れる。

 (まぁ、恩恵欲しさに里を利用している事は否めないがそうしないとこの里じゃ生きていけないからな。)


 さて、いよいよ順番が回ってきたな… …感謝の気持ちを魔力にのせて―


 あぁ、體の芯から沸き立つ暖かい感覚に閃きに近い感覚がやがて全身に染み渡る。

 これだよ、この感覚がたまらんのだよぉぉぉ……

 この感覚が終わると見届け人にカードへ投影をしてもらい自身の星格を確認するのだが… …ラー爺何故にだんまり?


 「ゼノよ。後でザバンを連れてウチに来なさい。大事な話をしなければならない時期が来たのじゃろうて。」


 ラー爺の神妙な面持ちは今まで見た憶えが無い。


 どこか切なく、寂しそうな雰囲気を醸していた様な気がしたが祈りを終えたザバンとも合流したし、一先ずは宴に興じるとしよう。


 「星格はどうだった?ゼノ。」

 「それが、ラー爺から聞かされてなくてさ。」


 ザバンはどうやら星格10(トパー)に上がったようだ。


 やはり自分の星格が気になる。


 ザバンと共に里長宅の書斎に来たのは、実に3年ぶりだ。


 三傑まで揃っていて妙な違和感を感じる。

 師達と向かい合う形で円卓に腰を据えたがどうにも空気が張り詰めているし、また問題でも起きたのだろうか… …。


 「これからする話はお主の生き様を決めかねん… …心して聴くのじゃ。」


 師の真剣な眼差しに俺は自然と反応していた。

 

 普段はふざけて飄々としている方だけにその変わり身にただ驚くばかりだ。


 「ゼノ、お主は昔から地上世界に興味を強く持っておる。じゃから儂は将来恥をかかんように礼儀作法は教えたが、憶えておるな?」


 心配いらないよラー爺、それはバッチリだ。


 「うむ、その反応なら心配なさそうじゃな。まず地上に出るとそこは大陸アストラの中央に位置するファスト王国の王都ファンタズムと呼ばれる街じゃ。そこから王宮へ行き、王にこれらを渡してやってくれ。」


 ラー爺からそれを受け取って確認してみた。


 これは盃か?もう一つは手紙か。何通かある。盃は片手で掴める程の大きさだがやけに神々しい光を放っている、中身は空だ。


 届けるだけでいいなら何ら問題ない。


 「それと折角じゃ、王都教会にて『女神の神託』(アストラマーキング)を受けるとよい。(……)」


 ラー爺の最後の笑みは何処か不気味だがアストラマーキングとは闘格を示してくれるという。


 ―闘格―

 それは地上世界での常識の一つ、冒険者の職業適性。

 自身に見合う職を決めやすくなり、それに関連する能力は伸びやすくスキルも得やすい。


 まぁラー爺が言うからには受けといた方が良いんだろな程度に思いながらカードに盃を収納しているとラム婆から幾つか魔具袋を渡され、中身を確認した。


 この半年間、倉庫に保管されていた魔具類がびっしりと納められた交易用の魔素カード一式と先日勤しんだ自信作の魔素カードがこんなにもかと詰め込まれて他には無数の無垢のカードや旅の必需品がカード化されて詰められていて、手紙もあるが、三傑其々の知り合い宛だ。


 てことは、アレだな、うん。


 聞けば交易品は全てその場で貨幣に変わる為、一定額ずつカードに納めて保管して必要な時だけ貨幣に戻すらしい。


 なるほど、帰りに色々買って来いという事だろうな。ちゃっかり欲しいものリストまで用意されている。まぁなんとかなるだろう。


 それより重要なのはナルルという地上の職人に手紙を渡す様、しつこく頼まれた事だ。

 ナルルという人物はラム婆のお弟子さんで付き合いは長いらしい。彼に魔剣を売る様にも言われたし、早く兄弟子に会ってみたいものだ。


 そのやりとりがあったからか判らないがミルティーとグスタバの手紙はザバンがどうやら届ける羽目になったみたいだな。


 それから師達から地上での()()()を聴かされて益々地上世界に興味を持った。

 明日は念願の地上世界。


 心なしかザバンの表情も嬉しそうだ。


 慣れていたら里からの転移魔石ですぐらしいが初めから楽するのは良くないという師達の心遣いで往路は迷宮探索がてらって事になるから準備は念入りにしておこう。

 

 一眠りしたら楽しみな冒険の始まりだ!

ここまで読んで頂きありがとうございました♪

一身の都合上、不定期更新ですが、また次話読んで下されば嬉しいです♪


一部修正入ってます。

読み直しって大切ですね… …_φ(・_・

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