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第2話 サバイバル開始!します。

外の状況を確認するため、救世くんは外に出ていった。

私は心配しながら、何か来たらすぐに伝えられるように窓の近くで見守っていた。


俺は切り抜かれた教室を目の当たりにした後、周辺の調査をしていた。

自分のスキルを確認しないまま外に出るのは命知らずもいい所だ。

かと言って教室の中でやると大変なことになりかねない。大爆発とか。


幸い、ここら周辺は敵が身を隠せるような大きなものはない。

なにせここは草が少し生えているくらいの岩だらけの場所だ。


教室の周りは整地されていて歩きやすいのだが……困った。

少し下の方に林があるのが見える、そこに行くためにはこのゴツゴツした岩場を越えなければならない。


一旦戻って計画を立てようと思い振り返ると、教室の窓に長い髪に落ち着いた雰囲気をまとった人影、改め、野々村:美里が心配そうにこちらを見ていた。

俺が親指を立ててグットサインを出すとホットしたように胸をなでおろし、微笑んでからキリっとした表情でファイトのポーズをした。

まるで、お家に帰って来るまでが遠足だよ、とでも言わんばかりだ。


俺は無事、教室に帰還した。

その後すぐ学級長、高村:琉偉と小林:藤花を中心とする学級会が開かれる……はずだった。


「では、これから学級会を始めます。それでは救世さん、よろしくお願いします!」


「え、俺ですか!?」


「はい!お願いします!」


丸投げされた……。クラスのみんなを見ると、うんうんと頷いている。


「異世界に一番詳しいのは救世さんだと思いますので……お願いします。」


女子学級長の藤花さんの言葉にまたうんうんとみんなが頷く。

ダブル学級長に頼まれてはしょうがない。やってやるか。


「えー、ゴッホン、ゴホ!、ゴホ!。」


振りでやったつもりがマジでむせてしまい、なんか、すごく、恥ずかしい。


「え、えー、まず、生きていくためには何が必要だと思いますか?」


「漫画!」「アニメ!」「テレビ!」「ゲーム!」


「お前ら真面目に答えろよ!?」


こんな時でもボケを入れられる精神の太さに驚く。


「気を取り直しまして。生きていくためにはまず〈衣食住〉が大切です。〈衣〉と〈住〉はとりあえずクリアということで、後は〈食〉です。現在時刻は正午。夜までには何かしらの食料を手に入れるために、まずは皆さんのスキルを確認したいと思います。」


「はい!そもそも異世界とは何ですか?」


ショートボブの女子が聞いてくる。それにしても、その隣に座っている双子のもう一人といまだに見分けがつかない。双子だからなのだろうが、そっくりすぎないか?


「異世界とは簡単に言えば、僕たちがいた世界とは別の世界ということです。」


「別の世界?」


双子のもう一人が聞いてくる。


「んー。つまり、地球じゃない他の星に来たみたいな?ゲームの中に入ったみたいな?」


「「え!私たちゲームの中に入っちゃったんですか!?」」


双子が声をそろえて言う。

これを見てカワイイと思わない人はいないだろう。

てか、この説明でよくわかったな。


外に魔物がいないことだけ確認して全員で外に出る。


「何か動いたらすぐに全員に知らせること。そして、速やかに教室に避難してください。魔法を使う際は遠くに向かって打ってください。」


「どうやって魔法を使うんですか?」


「えっと、女神様が言うには使い方は記憶しているらしいですが。」


「ああ、俺も聞いたぜ。だけど、さっぱりわからん。何も頭に浮かんでこないんだ。」


えっと、女神様、どうなっているのでしょうか。

すると、小さな光の玉がどこからともなくやって来て。


「すみません。言い忘れていましたが、魔法を覚えるためには何か【きっかけ】が必要です。」


『・・・』


光の玉は逃げるように消えた。

きっかけと言われても。


「【きっかけ】か…」


クラスメイトの鍛冶:啓太が近くにあった小石を投げる。

もちろん何も起こらない。


「ん?」


「?、どうした啓太。まさか、何かいるのか!」


「いや、違う。何か違和感が……。」


と言って腕を下から上に振ると、

ゴロゴロ!ゴロゴロ!

先ほど投げた小石の辺りに岩の柱ができた。


「え!あぃうぉ、おえ!?」


驚きのあまり変な声が出てしまった。【きっかけ】ってこういうことか。

試しに全員小石を投げてみるが、ケイタ以外に三人しか魔法を習得できなかった。

彼らの話によるとこの魔法は【岩石操作(Rock manipulationロックマニプュレイション)】というらしく、石や岩を自由自在に操れるそうだ。

ただ、覚えたてで操作が上手くいかないのか先ほどから、おかしな石造ばかり作っている。


他の者たちは、魔法を習得するための【きっかけ】を探していた。

風魔法、光魔法、そして、空気弾が打てて全員が習得できるという謎の無属性魔法。


次々とみんながスキルを習得していく中、俺は今現在、誰でも習得できる空気弾を打つだけの無属性魔しか、スキルを習得できていなかった。

他の人の真似をするも、何も起こらない。

見たところ、人によって扱える魔法の属性は決まっているようだ。

もしかして、俺って誰でも習得できちゃう無属性魔法しか適性がないとか……ないよね。今はとりあえず目をつぶっておこう。


「なあ魔法見せてくれよ~。お前の魔法すごいんだろ?」


なんとなく聞こえてきた会話が気になり、声をかけてみる。


「どうした?」


「彩羽さんがすごい魔法を打てるって聞いたから、見せてもらおうと思って頼んでるんだよ。でもさっきから断られてばっかでさ。」


すごい魔法?気になる。てか、しつこい男は嫌われるぞ。モテた事ない俺が思うのもなんだが。


「魔法見せてくれよ。もしかしたらこの先必要になるかもしれないんだ。」


ショートヘアで目に眼帯をした彩羽がこちらを振り向き言う。


「我が魔法はそう易々と見せびらかすものではない。故に打たない。」


「そこを何とか。」


彩羽は少し考えてから。


「んー、我が魔法の強大さを知らしめるためになら、打ってもいい。よく見ておけ。」


そう言って彩羽は魔法を打つ準備を始めた。

彩羽はいつもひっそりとしていて休み時間はいつもノートに向かって何かを書いていた。あまり話したこともなかったので、どういう人なのか、いまいちよくわかっていない。


「よし、できた。あれを狙う。」


と先ほど作られた謎の石像を指さす。そして詠唱をする。


「燃え上れ、鮮紅の炎の中で!【イラプション】!」


叫ぶと同時に石像が、突如として下から現れた炎に包まれた。

炎は柱のごとく真っすぐ10メートルほど空をのぼった。

そして、石像は溶岩へと姿を変えていた。


『!』


俺たちは驚きのあまり言葉の一つも出ない。

魔法を打った瞬間は興奮したような顔をしていた彩羽だが、すぐに表情を変えて、


「ふっ!強勢なる我が力に言葉の一つも出ないか。」


はい。全くもってその通りです。てか今、おお!みたいな感じで興奮してなかった?もしや、こいつ……。

彩羽の頬はまだ仄かに赤かった。


その後もスキル習得は続き、俺は【空気弾】と【身体強化】しか覚えられなかった。【身体強化】は暇潰しに筋トレをしていたら習得できた。

もちろんそれは全員に広まり、この二つを習得できていない者はいない。


しかし、俺は無属性魔法との相性がいいらしく、この二つは誰よりも上手く操作できたし、最大威力も高かった。

というか、無属性魔法しか習得できていないのだか。

と思いながら教卓の前に立つ。


「では、これからは班ごとに分かれて作業をしてもらいます。【岩石操作】が使えるケイタたちは教室周辺の整地と壁を作ってください。後、何か必要なものがあれば作っておいてください。水属性魔法を使える人はいますか?」


「はい。使えます。」


「では、小林さんは、給水をお願いします。土の生成魔法を使える人はいますか?」


「あい。使えますが、ここら周辺と同じ乾燥した土、というより砂しか作れません。」


「そう、ですか。栄養のある土であれば畑を作ろうと思ったのですが。」


「でも、一度土に触れれば同じものを作ることができると思います。」


「わかりました。栄養のありそうな土を見つけ次第、土山さんに知らせるように、皆さんお願いします。それでは、これから呼ぶ人は学級会終了後に俺のところに集まってください。前田:眠月、御影:彩羽、と俺。この三人は食料確保に向かいます。日没までには帰って来ますので安心してください。これで学級会を終わります。」


というか、最後まで俺が仕切ってんじゃねぇかと思い、食料確保へ行っている間の指示役は学級長二人に押し付けてきた。

彩羽と眠月の前に立って言う。


「よく来てくれた。さっき話した通り、今からこの三人で食料調達をしに行く。」


「マ、マジで言ってんのかよ!俺、魔物と戦うとか無理だぞ!?」


「なにを言っているんだ。お前には強力なスキルがあるじゃないか。」


いつの間にか目覚めていた眠月。なぜ眠月を選んだかというと、彼は非常に殺傷能力が高いスキルを持っているからだ。


「雷が出ていたらしいけど、操った事ないし、まだ見た事もないし……。」


そう、眠月は雷が出せる。机で寝ている時に彼の周りを雷らしきものがビリビリと漂っていたらしい。彼自身、自覚はないらしいのだが。


「自信持てって。気合で何とかなるから。」


「そ、そうか。気合か。なんかできる気がしてきた!」


「彩羽さんもよろしくな。」


「彩羽でいい。それよりも早く行こう。日が傾いてきている。」


「OK. じゃあ行くか。一応言っとくけど俺、何の役にも立てないからよろしく。」


「「え……。」」


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