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ゲームシナリオの裏側①

前話が改稿前のものを載せていたので改稿後に変更しました。

内容がかぶってる部分がありますがご了承くださいませ(T人T)




「チェンジ!!絶対チェンジよこんなの!ふざけんな!!」 




結局私達は女神の掌で踊らされているという事だ。

こんな不愉快な話ある!?  



こっちは汗水垂らして命の危険を感じながら必死に生きてるっていうのに!!



しかも民の信仰心が減ると女神の力も減るらしい。

 



知らんがな!!

自業自得だろうが!!



しかも4回バッドエンドって何だ!!



このド下手が!!




「やめてー!創造神にも聞こえちゃうんだからそんな事言わないでー!!」



女神はめちゃくちゃ焦っているようで必死に私の口を押さえようとしてくる。




「ちょっとやめてよ!アレクが潰れるでしょ!近づかないで!」


「女神の扱いが酷すぎる!」



「悪役令嬢の扱いが酷かったんだからやり返されても文句言えないでしょうが!!」




ホントにマジで腹立つ!!


こんなポンコツとユリカのせいで私とアレクが辛い目にあったかと思うと殺意すら湧いてくる。




「真面目に聞いて!嘘じゃないの!ホントに、本気で消されるから!!私が消えるって事はこの世界も無かった事になるの!貴女もアレクセイも、貴女の大事な人達も全部消えるって事なのよ!?」


「何でそうなるの!?貴女が責任者を降りて他の女神に変わればそれで解決でしょ!?」



「それは神界の規定違反だから無理なの!私達で何とかするしかないのです。確かに私は未熟です。創造神から生まれたばかりの女神だからと失敗を見逃されていました。でも今世も滅亡させたら私には世界を統治する力は無いとしてそのまま消滅させると言われてしまった」



創造神よ、見逃すなよ。4回バッドエンドだぞ。正気か?

もう既に統治能力ないから消えるなら1人で消えてくれ。


───と、神に向かって口を滑らせそうになったのを、後に続く言葉を聞いてグッと抑える。



「私の神力で作られたこの世界は私と一心同体なのです。私が消滅すればこの世界も消えます」




───どういう事?



「・・・女神信仰ってオレガリオだけよね?他国は違う神を信仰してたはずでは?」


「そういう設定なだけで私以外の神が存在するわけではありません。あくまでこの世界の管理者は私です!何度も時を戻した事と、貴女達のようなイレギュラーな存在が誕生した事で周りの相互関係や未来が変わりつつありますが、この世界が貴女が思っている世界と同じだと考えて構いません。だから、私が消えれば、この世界も消えます」



・・・・・・・・・つまり、乙女ゲームの世界を女神が作って統治してるってわけね。ゲームに出てくるオレガリオとガウデンツィオ以外はモブ扱いだから神の変更もできないし、それ以上はシナリオと関係ないからつっこむなって事?





───なんだかもう疲れた。


日本人感覚でファンタジーの世界に物申しても無駄な気がしてきた。所詮何でもアリの世界と思っておいた方が無難なのだろう。


日本での常識は通用しない。神様と会話してる事自体が既にあり得ない出来事なんだから・・・。



未だにぶん殴ってやりたい衝動に駆られるけれど、生きている次元が違う神とこれ以上言い争っても不毛だ。


価値観も何もかも違うのだから。





私が大きなため息をつくと、女神がビクッと肩を揺らすのが見えた。そして女神をじっと見つめる。




「───私の質問に答えてくれる?」



「・・・・・・・・・・・・はい」



前世を思い出してから、ゲームのシナリオにはなかった情報がたくさんあった。疑問もいっぱいある。


これから私がどう動くにしろ、今は情報を得る事が最優先だ。





「私を転生させたのは女神様でいいのよね?」


「はい・・・。もう私には失敗が許されません。今まで巫女を変えても滅亡は避けられなかった。だから今度は異世界転生という方法を取る事にしたのです。重要人物の中身が変われば未来を変えられると思いました。魔王がクーデターで瀕死になる事は知っていたので、その時に世界滅亡などできないような人格の魂を与え、新たな魔王として生まれ変わらせようとしたのです。でも力が及ばなかったのか、何故か元の魔王の人格が消えなかった。私はまた失敗してしまったと思い、だから今度は貴女の人格を・・・」



「ちょっと待って!」


「?」



「魔王の二重人格も貴女の仕業?」


「・・・? 仕業というか・・・不可抗力というか・・・まあ、そうですね」




ヴォルフも魔王も女神の被害者か───・・・。


本当に、神は人の人生を何だと思ってるのだろう。




「・・・貴女に関しても、異世界から魂を召喚してレティシアとして生まれ変わらせました。でも貴女は魔王とは違い、前世を思い出す事なくレティシアとして育った。両親は同じでも魂が違うからか、今世の貴女は以前のレティシア達とは性格が変わり、ルイスと愛し合うようになったのです」



「・・・・・・・・・」



そうだ・・・、今まで死亡エンドから逃れるのに必死でそれどころじゃなかったからすっかり忘れてたけど、ゲームの中のルイスとレティシアは、レティシアの片想い設定だった。



性格も典型的な高位貴族の令嬢で、優秀で王妃の素質は高かったけど、プライドと選民意識が高くて、そこがルイスと相容れない要素だったんだよね。


だからゲームの中のルイスは巫女に惹かれたんだ。



今世の私達は本当に愛し合っていた───と思う。


でも、1度目から4度目の世界では違ったんだ…。



「じゃあ今世がイレギュラーって事で、やっぱり私とルイスは縁がなかったって事なのね」



「で、でも、今世のルイスは貴女を本当に愛していました!巫女の魅了魔法も自力で解くほど、本当に愛してたんですよ」


「魅了魔法?」

   





「───巫女は私の加護を受けているので、人を魅了する力があるのです。彼は巫女の魅了魔法にかかっていました」

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