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95 最終決戦 12 VSディベルタ 2

 時間にして三十分程度だが三人の攻防は激しさを増していた。

 ディベルタが風と雷の力を一点に集中させ両腕に纏わせた戦い方をした事で香弥は武装した武器が次々に壊され八波も持っている武器を次々に壊されるが二人共武器を壊されるのも想定していたためあらかじめ大量の武器を用意していた。

 武器を壊されても新たな武器を手にして戦いお互いに直接攻撃が当たっていないが神経は確実に少しずつ擦り切れていた。


「私とここまで長く戦ったのは、お前達が初めてだ」


 強敵との戦いにディベルタは笑みを浮かべている。


『八波ちゃん、それ以上はさすがに身体に響くわ!!』


 玲子が八波に警告する。


「マズいですね、ですがここでスキルを解くわけには」


「八波、一人でディベルタを止めてくれない?」


「香弥?」


「少しで良いの、あいつを倒す奥の手を使うから」


「・・・・・・また無茶をするのですか?」


「・・・・・・ごめん、結構無茶するかも」


 香弥は申し訳なさそうに正直に言う。

 

「・・・・・・わかりました、準備ができるまで時間を稼ぎますよ」


 溜息をつきながらも八波はディベルタに一人で向かう。


「成海、とっておきを使うけど良いよね?」


『本当は危険だから止めるべきだけど、良いわ、思い切りやってちょうだい!!』


「了解!!」


「はあ!!」

 

 八波は香弥のために時間を稼ぐために一人でディベルタと戦っていた。


「二人で私と互角に戦っていたのに、一人で良いのか?」


「あなたを倒すための戦術ですよ」


 八波が一人でディベルタと戦うが香弥と共に戦っていた事で互角だったため、ディベルタの攻撃を何とか受け止めるので精一杯になっていた。


「一気に決めるぞ」


 ディベルタは風と雷を混合させて全体攻撃を放つ。


「くっ、はあ!!」


 八波は剣にエネルギーを込めて広範囲の攻撃を自分に当たる部分だけを攻撃して相殺するが他の部分を風が切り裂き雷が粉々に建物を壊していく。


「はあ、はあ」


 ディベルタの攻撃を防ぐが八波は息切れを起こし身体も限界に近づいていた。


「息も絶え絶えだな、お前のスキルも知っているぞ、リンネに致命傷を負わせた力だがもう限界だろ?」


「そうですね、ですが、まだやられるわけにはいかないんですよ」


「やはり時間稼ぎか、もう一人が何かするみたいだが、何ができると言うんだ」


「確かにそうですね、何をするのかわからない、ですが香弥が私に頼んだのなら、私はそれを信じてあなたの足止めをするまで」


「八波!! お待たせ!!」


 八波が剣を構えていると香弥が声を上げる。


「準備が終わりましたか、か・・・や」


 香弥の方を向いた瞬間、八波は開いた口が塞がらなかった。


「ディベルタ、これでアンタを倒すよ」


 そこには全身武装した香弥の姿があった。


 


読んでいただきありがとうございます。

明けましておめでとうございます。

2024年最初の投稿です。


今年もよろしくお願いします。


二対一でも強いディベルタ、そして全盛り合わせの香弥です。


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