94 最終決戦 11 VSディベルタ
「早くケリをつけましょう、あまり長い時間戦うわけにはいかないので」
スキルを発動させているのに八波の意思はハッキリとしている。
スキル強化によって八波は副作用で数日眠り続けていた。
そして目覚めてスキルを発動させた時には自我を失う事なく扱えるようになっていたのが彼女のスキル強化であった。
しかし、それでも身体への負担は大きいので長時間戦うのは難しい。
「それじゃ、私もいきますか」
香弥もキューブを武器に変化させて両腕に武装する。
「本気か、ならば私も新しい力を解放しよう」
ディベルタの両腕からそれぞれ風と雷が出現する。
「あれは、まさか」
「融合したナンバーズの力ね」
「そうだ、ナンバー002自然型モデル風とナンバー008自然型モデル雷のシングルナンバーの力を得た」
風と雷を両腕に纏ったディベルタが構える。
「さーて、やりますか」
「香弥、死なないでくださいよ」
「こんな時にフラグ立てないでよ、こっちのセリフでもあるんだから」
「そうですね、では、行きますよ」
八波が地面を蹴ってディベルタと距離を詰める。
「はあ!!」
「ふん!!」
八波の剣とディベルタの拳が激突し衝撃波が辺りに響く。
「ほう、前に戦ったスキルホルダー達よりは強いな、これほど強いのがまだいたとは」
「それはどうも、あなたも強いですがここで倒させてもらいますよ、どんな手を使っても」
八波が言うと武装した香弥が攻撃をする。
「ほう」
ディベルタは攻撃を躱すが香弥がすかさず追撃をする。
「お前、前より強くなったか?」
「当然、アンタと戦えるくらいにね」
「前はリンネの戦闘データを元にその身体はできてると言ったな」
「ええ、でも今はリンネのデータじゃなくて、八波の戦闘力を元に作ってもらったわ、八波のスキルを使った時の力はネームド以上の力を持ってるからね」
「なるほど、強い奴が二人か、申し分ないな、なら私も全力で相手をしようか」
「悪いけど、こっちは長く付き合う気はないよ」
香弥は武装したドリルアームでディベルタに攻撃するがディベルタは腕に風を纏いそれをドリルのように回転させて香弥のドリルアームにぶつけると粉々に砕けた。
「嘘でしょ」
「もう片方も貰うぞ」
今度は雷を纏った腕で攻撃するともう片方の武器も破壊される。
「ただせさえ強いのに、ナンバーズの力まで加わったら、マジでヤバくない?」
「言ってる場合ですか、あなたは次の武器を用意して戦ってください」
八波がディベルタと交戦しながら香弥に言う。
「了解、まあ最初から武器が壊されるのを前提にたくさん用意したからね」
香弥は再び武器を装備して八波と共にディベルタに攻撃をする。
「良いだろう、二人掛りで来い!!」
それからお互いに激しい攻防が長い時間続くのだった。
読んでいただきありがとうございます。
2023年最後の投稿です。
ディベルタとの戦闘中に新年を迎えます。
それでは、良いお年を。




