90 最終決戦 7 VSキリエイト
紗耶香とキリエイトの戦い、お互いに刀の打ち合いが続く。
「ふん!!」
キリエイトが刀に炎を纏わせて力技で切り掛かるが紗耶香はキリエイトの攻撃を防ぐ。
「ほう、私の攻撃を全て防ぐとは見事だな」
「防ぐだけじゃない」
紗耶香は隙を見て切り掛かるがキリエイトは刀に水を纏って紗耶香の刀を受け流す。
「無駄だ、前より私の動きを読んで対応できるようになったが、それでも私には当たらない」
「くっ」
紗耶香のスキルも数秒先ではなく相手の二、三手先の動きを読めるようになったがそれでもキリエイトの技量には追いつくので精一杯だった。
「それに今のでわかった、お前は私には勝てない」
「どういう意味?」
「お前は二刀流で戦うのが得意だ、だがお前はおそらく何年も刀一本で戦っていたんじゃないのか?」
キリエイトの言葉に紗耶香は一瞬動じる。
「図星のようだな、今まで得意じゃない戦いばかりしていたんだ、それがいきなり得意な戦いに変えたからと言ってずっと得意な戦い方をして来た私とでは経験の差が出ている、だからお前の刀は私には届かない」
「・・・・・・」
「図星をつかれて沈黙するか、何故戦い方を変えた? 何か理由があるのか?」
「・・・・・・言ってもあなたには理解できない」
「そうか、なら」
キリエイトは力を込めて紗耶香との距離を一気に詰めて二本の刀で切りつける。
「くっ!!」
紗耶香は刀で受け止めて致命傷は避けるがそれでもキリエイトの刀を受けてしまい血が飛び出る。
「ほう、仕留めたと思ったが、得意な戦い方にして良かったな、刀一本のままだったら終わってたぞ」
「くっ」
流れる血の痛みに耐えながらも紗耶香は構える。
「まだ戦うか、その意気は良いが、死ぬだけだぞ?」
「・・・・・・私が倒れない事に意味がある」
「何を言っている?」
「勝てなくても私があなたを足止めすれば私の仲間達が戦いに勝利する、あなた一人が勝っても意味などない、皆で勝つために戦う」
「くだらないな、ここで私がさっさとお前を倒して他の戦場に行けば良いだけの事」
「そうさせないために私があなたを一秒でも長く止める」
「無駄だ」
キリエイトが二本の刀に炎と水を同時に纏う。
「なっ!?」
その光景を見て紗耶香は驚く。
「隙を見せたな」
瞬間キリエイトに切られて紗耶香は血を流しそのまま倒れる。
「ぐうっ」
「急所を外してたか、まあいい、これで終わりだ」
「させませんよ」
その場に真由が到着するのだった。
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キリエイト戦突入しました。




