表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/123

7 裏切者の始末

「ユズハ、どうしてここに?」


 目の前にいる柚葉にターニャは質問する。


「どうしてって、それはこっちのセリフでもあるんだけど、あなた達こんな時間にどこに行くのかしら? しかも気絶した由奈を連れて」


「そ、それは」


「この先は船着き場みたいだけど、風にでも当たりたいのかしら? いや違うわね、仲間が待っているから向かっているのよね?」


「な!?」


「さらに言うと行っても無駄よ、だってもういないから」


「どう言う意味よ」


「そうね、それはこれからわかる事よ」


 柚葉は笑みを浮かべ両手にナイフを持ちターニャ達に向ける。


「由奈を返しなさい、しないとどうなるかわかるでしょ?」


「随分と余裕ね、いくらあなたでも一人で私達を相手にできるかしら?」


「あなた達のスキルは全部知っているから問題ないわ、ターニャあなたのスキルは『百発百中』どんな場所から攻撃しても当たるから銃を武器にしているのでしょう? 残りの二人は『剛力』と『空の目』剛力はただ攻撃が上がるだけのスキル、空の目は自分の両目と違う第三の目で私達の頭上つまり空中から私達を見る事ができる、だから未確認が近づく前に見つける事ができる、本当に良いスキルだと思うわ、だからこそそれを失う事になって残念だわ」


「随分と言ってくれるじゃない、たった一人で勝てるとでも」


 少女が剛力のスキルを発動し構える。


「アンタがスキルでいくら存在を消したところで空の目でどこから攻撃して来るかわかるわよ」


「そうね、確かに上から見ればわかるわね、そうだったらだけど」


「え?」


 気づくと少女の首は柚葉に切られていて首から血が噴き出し倒れる。


「ど、どうして? 何でやられてるの!?」


 ターニャは仲間がやられた事に驚く。


「見えなかった」


「え?」


「見えなかった、空の目で見ても見えなかった!! 突然現れた!! ターニャ逃げろ!! あいつは」


 ターニャに言っている途中で彼女も首を切られ血を噴き出し倒れる。


「え?」


 一瞬で二人も仲間を失い一人になってしまったターニャ。


「さて、後はあなただけね」


「くっ、止まりなさい!!」


 ターニャは車で気を失っている由奈を抱き頭部に銃を突きつける。


「そこを動いたら打つよ」


「あら、何のマネかしら?」


「あなたの目的はこの子でしょ? 殺されたくなければ武器を捨てなさい」


「誰が誰を人質に取ってるのかしら?」


「え?」


「由奈は返してもらうわ」


「な!?」


 ターニャが気づくといつの間にか柚葉が由奈を抱きかかえていた。


「そんな、どうして?」


「どうしてって、あなたの銃を持っていた腕を見ればわかるんじゃない?」


「え?」


 ターニャは自分の腕を見て驚愕する。


「あああああああー!! 腕が!! 腕があああああああー!!」


 見ると銃を持っていたターニャの右腕は切り落とされて地面に落ちていた。


(有り得ない、有り得ない!! いつ切られたの!?)


 ターニャは柚葉を睨みつける。


「ユズハ、あなたのスキル影の存在じゃないでしょ!! 切られた事にすら気づかないなんて有り得ない!!」


「あなたはもう死ぬ運命だからいいかもしれないわね、確かに私のスキルは、影の存在って言ってるけど、あれは嘘よ」


「嘘?」


「私の本当のスキルは『時間停止(じかんていし)』好きな時に自分以外の時を止める事ができるスキルよ」


「時を・・・・・・止める?」


「そうよ、時間を止めるから誰にも気づかれず相手も気づかずに倒される、最初はほんの数秒時間を止める事しかできなかったけど、由奈のスキルのおかげでレベルが上がり今ではどれくらい止められるか確かめた事ないけど、少なくとも二十四時間止める事ができたわ」


「二十四時間」


 柚葉の話を聞きただ驚愕な顔を浮かべる事しかできないターニャ。


「う、嘘よ!! 二十四時間も止める、そんなバカな事があるか!!」


「まあ、普通そう言う反応するわね、でも私は()()()()()()()()()()()()


「え?」


「あなたの切られた腕を見てみなさい、切られたのに血が出てないし痛みも感じないでしょ?」


 言われてターニャは自分の腕を見て痛みも感じず血も出ていない事に気づく。


「疑問に答えてあげるわ、あなたの腕を切り落とした時、切った腕の部分の時間を止めたのよ、だから血も出ないし痛みも感じないだってその時間が止まってるんだから」


「そんな、あなた本物のバケモノじゃない」


 ターニャは柚葉の存在に恐怖する。


「あら、スキルホルダーになったら皆バケモノじゃない、それなのに言われるなんて心外ね」


「こんなの異常よ!! あなたのスキルなんてバケモノ以外になんだって言うのよ!!」


「まあ良いわ、そろそろ終わりにしましょう」


「え?」


 次の瞬間ターニャに衝撃が走りターニャは倒れる。

 

「さて、ここからね」


 そう言った柚葉の表情は恐怖を感じるも引き込まれるような笑みだった。





読んでいただきありがとうございます

同時に投稿している作品「魔王様、今日も人間界で色々頑張ります」もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ