85 最終決戦 2
「この子が融合強化態の完成形よ」
『ガアアアアー!!』
恐竜の姿をしたネームドが咆哮を上げる。
ナンバータイプA 古代生物型 モデルティラノサウルス (ナンバー010、011、012、013、018、019、023、028、029、032の融合強化態)。
「嘘でしょ、ティラノサウルスって」
ミシェルはその大きさに驚いている。
「怖気づいてる場合じゃないぞ、それにしてもアーマノイド達はいないのか?」
「あは、アーマノイド達なんているだけ邪魔になるだけよ、この子だけで十分なんだから」
楓の疑問にエスタは答える。
「楓、ティラノサウルスは任せて良いか?」
「湊、お前はどうするんだ?」
「決まっている、あいつと決着をつける」
「ミナト!? 一人なんて無茶よ!?」
「頼めるか?」
「カエデ!?」
「ああ、任せろ、必ず勝つ」
「そうか、なら頼んだぞ」
湊は頷いて一人エスタの元へと向かう。
「ん? あら、地味子ちゃんじゃない」
湊を見てエスタはバカにしたように笑みを浮かべる。
「また会ったな、エスタ」
「何? もしかしてまたあなたが私の相手? 何か詰まんなーい」
「ほう、それはどうしてだ?」
「だって地味子ちゃんじゃん? 地味な子相手にしても全然楽しめないし」
「そうか、あなたにとっては私はそう言う風に見えるんだな」
「見えるんじゃなくて、事実だし」
「場所を変えようか?」
「何で? ここで良いじゃん、ていうか何で地味子ちゃんの提案を聞かなきゃならないの? したきゃ勝手にしなさいよ」
「わかった、なら」
湊はスキルで腕を伸ばしてエスタを拘束する。
「そうさせてもらおう」
「え?」
湊はエスタを拘束したまま楓達から遠ざけるのだった。
「ちょっとカエデ、大丈夫なの!? ミナト一人で」
「大丈夫だ、ネームドは湊に任せて我々はこいつの相手をするぞ、総員!! 戦闘態勢!!」
楓の言葉で少女達は武器を構える。
『グオオオオー!!』
ナンバーズタイプAとの戦いが始まるのだった。
「ここまで来れば良いか」
楓達と距離を取った湊はスキルを解いて拘束したエスタと対面する。
「で、こんな何もない所に連れて来てどうするの?」
「ここなら思い切りやっても問題ない」
「あは、何? 地味子ちゃん私と本気でやる気? もう一人と一緒の方が良いんじゃないの?」
「あなたに、いや、お前にとっては私はそう思えるんだろうな」
「ん?」
湊の急な話し方の変化にエスタは少し警戒する。
「まあ確かにその通りだな、私も抑えていたんだから、だがそれも今なら大丈夫だろう」
湊は眼鏡に手を添える。
「これだけの距離だ、私も周りに気を遣わなくても良いしな」
湊は眼鏡を外して地面に置く。
「な!?」
エスタは瞬時に警戒を最大にした。
何故なら眼鏡を外した湊から急に強大な力が溢れ出たからだ。
「地味子ちゃんって言ったな? ならお前はその地味子ちゃんに倒される」
湊は剣を構えてエスタにそう宣言するのだった。
読んでいただきありがとうございます。
先程投稿した魔王様のショートストーリーでも書きましたが、昨日この作品の目次を見たらショートストーリーの方に投稿するタイトルがあったので削除してそちらの方に割り込み投稿しました。
申し訳ありませんでした。
今後はこのようなミスが起きないようにしますので今後も私の作品をご愛読いただけますと嬉しいです。
本当に申し訳ありませんでした。




