74 シングルナンバー
「どうなんだ? ナンバーズシックスのコアは?」
アドメラはアリスに問う。
「難しいわね、コアにひびも入ってるし、死んではいないけど復活するにはかなりの時間が必要になる」
「じゃあ、どうするんだ? あれからずっと出撃してないけど」
「世界中で仲間達がどんどん倒されてる」
リーネの言う通り、今世界中でナンバーズの数が減少していて残りの数も少なくなっている。
「ナンバーズシックスでも勝てなかった、最後の手段はあるにはあるけど」
「ならばそれを使えば良いだけではないですか」
声のした方を向くとそこには眼鏡をかけたいかにもできるという感じの少女だった。
「レガイア」
アリスが冷や汗をかきながら少女の名前を呼ぶ。
「こっちにもいるんだけどー?」
レガイアの後ろにさらに二人の少女の姿。
片方はギターを持った少女、もう片方は刀を持った少女。
「エスタにキリエイト」
「あは、どうしたのアリスちゃん?」
ギターを持った少女、エスタがニヤニヤしながらアリスを見る。
「複数のネームドがいて今だにスキルホルダー達を倒せないとは情けないな」
刀を持った少女、キリエイトがアドメラ達を睨みながら言う。
「アリス、こいつらって」
「ええ、レガイアは私達のリーダーよ」
「じゃあ、あの二人は?」
「エスタとキリエイトそしてディベルタの三人はレガイアの側近よ」
「だから別格な雰囲気を感じるのか」
「リンネ、イリス、この二人がやられたと聞きましたが、それほどこの国のスキルホルダー達は強いのですか?」
「ええ、強いのは確かよ」
「そうですか、ではその力を見ましょうか、すでにナンバーズの中の最高戦力を向かわせましたので」
「あ、じゃあ私も見に行って良い?」
「お好きにどうぞ」
「じゃあ、いってきまーす」
レガイアの許可を得たエスタは向かうのだった。
「何をする気なの?」
「あなたが最後まで渋っていた事ですよ」
「まさか、アレをする気なの!?」
「もう、それしかナンバーズが役に立つ方法などありません」
淡々と言うレガイアだがアリスは苦渋な顔をするのだった。
「未確認の反応がありました」
「動き出したか」
「すでに向かわせています」
「ここまで何もして来なかったんだ、考えなしとは思えないな」
「はい」
理事長も八波も妙な胸騒ぎを感じるのだった。
「反応があったのはここか」
「まだ来てないようね」
現場には夜見と蘭華と初音。
そして三人が率いている少女達がいた。
「ケガも完治したし久しぶりの実戦ね」
「身体が鈍ってないと良いけど」
「・・・・・・ところで蘭華、アンタのその姿まだ慣れないわね」
「そう?」
「そうよ」
夜見は蘭華を見ると蘭華の姿はスキルを使っていないのにスキルを使った時と同じようにスリムな体形になっている。
「やっぱスキルが強化されたから?」
「どうかしら? 副作用で食べても食べてもお腹が減り続けて、治まったと思ったら食べても食べてもこのスリムな体形のままになったのよね」
「蘭華様の美しい姿がずっと見られて私は幸せ」
「アンタねえ、ん?」
夜見が何かを言おうとすると向こうから何かが近づいて来る。
「君達がこの国のスキルホルダーか?」
「アンタ、未確認ね」
「いかにも、私はナンバー001」
ナンバー001 自然型モデル氷
「同じくナンバー004」
ナンバー004 自然型モデル土
「同じくナンバー006」
ナンバー006 自然型モデル鋼
「一桁のナンバーズ、何かヤバそうね」
「いかにも、我々はシングルナンバーと言われ普通のナンバーズとは格が違う、と言ってもリンネ様とイリス様を倒した君達が相手では我々では勝てないだろう、だからこれを使う、004、006」
「ああ」
「わかってる」
001は注射器を取り出すとそれを004と006に打ち込む。
「ぐうう」
「ぐおお」
004と006は苦しみ出すと全身がエネルギーの塊になりそのまま001に取り込まれる。
「おおー!!」
二体を取り込んだ001は姿が変化する。
「な!?」
「仲間を取り込んだ!?」
「さあ、始めよう」
001の行動に驚く夜見達に関係なく、001は動き出すのだった。
読んでいただきありがとうございます。
はい、一桁のナンバーズが出ました。




